Abstract
【背景】抗Mi-2抗体陽性若年性皮膚筋炎(JDM)は,発症頻度は低いが一般にステロイド薬が有効で
予後がよい炎症性筋炎とされる.今回,我々はステロイド薬抵抗性抗Mi-2抗体陽性JDM 2例を経
験し,大量免疫グロブリン静注療法(IVIG)が有効であったので報告する.
【症例】症例1は,8歳女児で約2か月間にわたり,中等量ステロイド薬を投与したが,十分な筋力の
改善が得られず大量免疫グロブリン療法が有効であった.症例2は,5歳男児.4歳0か月に発症し,
ステロイドパルス療法4クールとメトトレキサート,アザチオプリン,シクロホスファミドパルス
療法などの治療を施行したが増悪を繰り返しており,5歳1か月時にIVIGを施行して,寛解維持が
可能となった.
【考察】抗Mi-2抗体陽性JDMは比較的均一な臨床症状を呈し,一般的にステロイド反応性は良好と
されているが,今回,明らかにステロイド薬抵抗性と考えられた症例を報告した.このようなス
テロイド薬抵抗性抗Mi-2抗体陽性筋炎では,第2選択薬としてIVIGが有用である可能性が示唆され
た.