2018 Volume 9 Issue 1 Pages 3-9
アダリムマブ(ADA)皮下注射製剤(ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ)の投与時疼痛軽減を目指し た新製剤が発売された.我々は,ADA投与時疼痛と不安に関する調査を実施し,新・旧製剤間で の疼痛変化や,心理的要素の疼痛への影響を確認することを目的に解析を行った.若年性特発性 関節炎患児で2016年10月時点でADA40mgを使用していた児を対象に,新・旧製剤投与時のそれぞ れで不安の評価尺度と疼痛の自己評価スケールを評価した.また,保護者に対してADA投与時の 負担感についてアンケート調査も行った.対象となった13名中9名から質問票を回収した.ADA投 与直後の疼痛は新製剤で有意に軽減していたが,投与15分後の疼痛や不安尺度は製剤間で差を認 めなかった.保護者の負担感は新製剤で有意に軽減していた.疼痛と不安との関連を解析すると, 旧製剤において,状態不安とADA投与15分後の疼痛強度との間に正の相関がみられた.本調査で は,ADA新製剤への変更でADA投与時疼痛や保護者の負担感が軽減していることが示された.