SANGYO EISEIGAKU ZASSHI
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Field Study
Structural conceptualization of learning experiences in nursing master's degree programs utilized in occupational health nursing activities
Wakako AoyamaAsami Tatsumi
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2017 Volume 59 Issue 1 Pages 9-18

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抄録

目的:産業保健師活動に活かされた看護系大学院研究科修士課程(博士前期課程)での学習経験の特徴を明らかにすることは,社会のニーズに応えられる質の高い産業保健サービスを提供していくために意義があると考え,今回,産業保健師活動に活かされた看護系大学院修士課程での学習経験を表す概念を創出し,その特徴を明らかにすることを目的とした.対象と方法:大学院修士課程を修了した者,修了後産業保健師として活動している者,博士課程(博士後期課程)に進学していない者という3つの条件を満たす10名に半構造化面接を行い,舟島なをみによる看護概念創出法を用いた.結果:得られたデータから,512の産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験を表すコードが抽出された.このコードは,69サブカテゴリ,34カテゴリ,5コアカテゴリ(概念)を形成し,すなわち,5つの概念を創出した.5つの概念とは,【専門性の追求と自己への価値づけ】,【人的資源活用に繋がった多様な人との相互理解】,【活動の変革に影響した理論的,学際的な学び】,【科学的根拠に基づく活動に繋がった研究の学び】,【専門性を活かした質の高い活動に繋がった学び】である.考察と結論:大学院修士課程での,産業保健師の専門性を追求し役割認識ができた学習経験と主体的に取り組んだ様々な学習経験の特徴として,修了後の産業保健師活動の中で統合され,質の高い産業保健師活動に活かされていることが明らかになった.本研究において明らかになった大学院修士課程での学習経験は,社会のニーズに応えていくための質の高い産業保健師活動を提供するために必要な学習経験であることが示唆された.

I. 緒言

わが国では,長引く不況等による人員削減などの労働環境の悪化に伴い,労働者には業務量の増加や,仕事の要求度や裁量権の変化,情報技術の進歩への対応など質的な高さを求められ,過重労働が問題になっている.また,不安定な雇用による就労や生活への不安により,多くの労働者は精神的ストレスを抱えていることから,職場のメンタルヘルスも大きな課題になってきている1,2).産業医,産業保健師,衛生管理者などの産業保健専門職(以下,「産業保健専門職」と記述する)には,このような多様化,深刻化,複雑化している健康課題の変化に対応できる産業保健活動が求められている.そして,近年,事業者が労働者への積極的な健康づくりを行うことにより,労働者の健康確保と企業の生産性向上に繋がり,経営面においても大きな成果が期待できることから,戦略的に従業員の健康づくりを実践する「健康投資」や「健康経営」という概念と産業保健の関わりが重要視されている3-7).このような状況を踏まえた社会のニーズに応えるために,産業保健専門職がチームとして質の高い産業保健サービスを提供できる体制をつくることが提言されている1).産業保健師は,そのチームの中で,働く人達の最も近くにいて多くの情報を持ち,産業保健師の専門性を活かして,個人,集団,組織への健康支援を果たしていかなければならず,質の高い産業保健師活動が求められている.そのため保健師教育の充実としては,2009年に保健師助産師看護師法の改正により,保健師の教育年限が6カ月から1年以上に変更され8),また,産業保健師の教育内容の充実も提唱され,実際の活動と知識を統合する力を得るための学習の必要性が示されている9).さらに,質の高い産業保健師活動を目指すためには,大学院教育が必要であると指摘されており,大学院教育へのニーズが高まっている10-16).そこで,質の高い活動ができる産業保健師を育成するためには,大学院ではどのような学習ができるのかを明らかにする必要があると考えた.国内においては,主に行政保健師活動に活かされた大学院修士課程の学習経験の報告はあるものの17-26),産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験に関する研究はない.また,海外においては,産業保健師のコンピテンシーの提示,卒後教育や大学院教育の実態に関する報告はあるが27-34),産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験に関する研究はない.産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験を明らかにすることは,より多くの産業保健師が,質の高い産業保健師活動を提供するために必要な学習の機会を求め,大学院修士課程に進学する,もしくは,進学しなくても同様の学習を受ける機会を得るなど,今後の産業保健師の教育の充実に役立ち意義があると考えた.産業保健師活動に活かせ,質の高い活動に繋がった大学院修士課程における学習経験はどのような学習経験であったのかを明らかにするため,本研究では,産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験を表す概念を創出し,その特徴を明らかにすることを目的とする因子探索レベルの研究を行うこととした.

II. 用語の定義

1. 看護系大学院研究科修士課程(博士前期課程)を修了した者

看護学の学術の理論及び応用を教授研究し,専門知識・能力を有する人材を育成する教育機関であり,同時に学術研究の中核的機関35)である大学院修士課程に2年以上在学し,30単位以上を取得し,かつ,必要な研究指導を受けた上,当該修士課程の目的に応じ,当該大学院の行う修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験に合格した者とする36).なお,本研究においては,看護系大学院研究科修士課程(博士前期課程)を,「大学院修士課程」と記述する.

2. 産業保健師として活動している者

事業場,健康保険組合において活動している産業保健師とし,教育機関の教員及び健診機関で活動している保健師は除く.

3. 学習経験

研究対象者が,新しい知識,技能,態度,行動傾向,認知様式などを習得することにより,外界との相互作用の過程を意識化し自己自身を変化させる活動.

4. 質の高い産業保健師活動

常に全体を視野に入れ個人の生活の全体,集団の全体を健康の視点から複眼的に捉え,個かつ全体へ,また全体から個へ連動させるベクトルをもった活動である37).その際には,単に知識や技術があるというだけでなく,卓越した業績を生む素地となる意識,姿勢,考え方,行動様式を含む能力,成果を生む活動に欠かせない能力を要する38,39).具体的には,労働現場において新たに発生した未知の課題,複雑困難な事象などに対し,課題の背景を社会環境との関係性から分析し,解決策や予防策を探求して,活動展開・システム化・施策化する活動である.システム化とは,複数の関係する人や集団が有機的に関係し合い全体としてまとまった機能を発揮する組織をつくること.施策化とは,施すべき対策を行うこと1,9-16)

III. 研究方法

1. 研究デザイン

研究方法論には,舟島なをみによって開発された看護概念創出法を用いた40,41).看護概念創出法は,様々な現象から質的データを抽出し,それらを構成した人々の行動や経験を浮き彫りにして概念を創出し,その全体構造の解明を目的とする因子探索レベルの研究のための方法論である.本研究は,産業保健師活動に活かされた大学院修士課程を修了した研究対象者の学習経験を表す概念を創出し,その特徴を明らかにすることを目的とする因子探索レベルの研究であるため,看護概念創出法が適していると考えた.

2. 研究対象者

①大学院修士課程を修了した者(大学院修士課程入学前に他の学問分野の修士の学位を取得していない者),②修了後,産業保健師として活動している者,③博士課程(博士後期課程)に進学していない者という3つの条件を満たす者とした.研究対象者には,ネットワーク・サンプリングを用いて依頼した.はじめの標本メンバーに,その適正基準に合う他の人々を見つけて紹介するように求める方法で42),大学院修士課程を修了した者より,該当者の紹介を受け,研究協力を依頼し,連鎖的に研究対象者を集めた.

3. 倫理的配慮

研究対象者に対しては,研究目的,研究方法,個人情報の取り扱い,匿名性の確保,自由意思による協力である事,拒否により不利益を受けない事,研究協力同意後でも研究協力の撤回や面接中断,そして面接の会話の内容により不利益を受けない事への保障について書面と口頭で説明し,同意書への署名により研究協力の同意を得た.浜松医科大学医の倫理委員会の承認を得て本研究を実施した.

4. データ収集

データ収集には半構造化面接法を採用し,インタビューガイドは表1に示した.面接回数は1人あたり1回とし,すべての研究対象者に対して同じ研究者が面接を実施した.データ収集場所は,研究対象者の状況に合わせ個人面接が可能な場所を確保し面接時は該当者以外の同席を避けた.面接内容は,発言内容を正確に捉え分析の確実性を高めるために研究対象者の許可を得てICレコーダーに録音し,面接終了後速やかに逐語録として文字化した.また,研究対象者の発言内容が,大学院修士課程の学習経験なのか,修了後の活動や学習経験であるのかを区別するために,面接においては,大学院修士課程での学習経験の具体的な事例や場面を想起した上で話すよう依頼したり,質問を行った.

研究対象者は,関東・東海地方にある6つの大学院修士課程を修了した10名で全員女性であった.データ収集期間は,2014年1月から2014年6月の期間に行った.面接時間は,43分から90分の範囲であり,1人あたり平均面接時間は58分であった.

表1. インタビューガイド
看護系大学院研究科修士課程(博士前期課程)に関する質問
問1 入学の動機についてお話し下さい.
問2 入学の目的についてお話し下さい.
問3 学んだと実感している具体的な内容をお話し下さい.
問4 学んだことが産業保健師業務に活用できたと実感していることは何ですか?
【サブクエスチョン】
学んだことを実際に活用できたと実感している産業保健師活動の具体的な事例と,なぜそのように実感しているのかを具体的にお話し下さい.
問5 学ぶことの意義は何だと思いますか?

5. データ分析

看護概念創出法は,データ収集段階からデータ分析段階まで一貫して持続的に比較分析を用いる.そのため,データ収集から分析の最終段階まで一貫した視点に基づき複数の状態を比較し,その間の同質性と異質性を記述,分析する.分析の一貫性を維持するために,視点を固定する必要があり,研究目的のより円滑な達成に向け機能するための,持続比較のための問いを設ける40).本研究の持続比較のための問いは,「大学院修士課程での学習経験は,産業保健師活動に活かされたかという視点からみるとどのようなものか.」という持続比較のための問いをかけながら,持続比較分析による分類,抽象化を行った.面接対象者9例目で性質の異なる回答が無くなった.さらに1名の面接を続行した結果,この1名から得られた回答内容は,9例の対象者の回答の中に存在した内容と同質の内容であったため,10例目でデータ収集を終了した.

6. 本研究の信用性

看護概念創出法においては,分析データと研究結果が研究者の偏見に歪められることなく,現象を確保する必要がある.従って,結果の信用性を高めることのできる概念の創出を行うために,看護概念創出法に精通した指導者によるスーパービジョンを頻回に受けながらデータ分析を行い,信用性を高めた.

IV. 研究結果

1. 研究対象者の概要

年齢は,20代から60代,平均年齢は43.8歳(SD=9.8)であった.所属は,事業場7名,健康保険組合3名であった.大学院修士課程修了年は,2007年2名,2008年1名,2009年1名,2011年2名,2012年2名,2014年2名であった.卒業した看護基礎教育課程は,大学3名,短期大学4名,専門学校3名であった.大学院修士課程入学前に,産業保健師としての就業経験の有った者は6名,無かった者は4名であった(表2).

表2. 対象者の概要
対象者 年代 所属 大学院入学前の産業保健師就業経験 産業保健師経験年数 面接時間(分)
A 40代 健康保険組合 10年以上 43
B 40代 事業所 5年未満 47
C 40代 事業所 10年以上 43
D 60代 健康保険組合 10年以上 90
E 20代 健康保険組合 5年未満 58
F 40代 事業所 5年以上10年未満 70
G 40代 事業所 10年以上 43
H 40代 事業所 10年以上 52
I 40代 事業所 10年以上 82
J 30代 事業所 5年以上10年未満 51

2. 産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験を表す概念

得られたデータから,512の産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験を表すコードが抽出された.このコードは,69サブカテゴリ,34カテゴリ,5コアカテゴリ(以下,「概念」と記述する)を形成した(表3).すなわち,産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験を表す5つの概念を創出した.5つの概念とは,【専門性の追求と自己への価値づけ】,【人的資源活用に繋がった多様な人との相互理解】,【活動の変革に影響した理論的,学際的な学び】,【科学的根拠に基づく活動に繋がった研究の学び】,【専門性を活かした質の高い活動に繋がった学び】である.これら5つの概念の結果について示す.なお,本文では,概念を【 】,カテゴリを《 》,データの引用を「斜体」で示す.

表3. 看護系大学院研究科修士課程(博士前期課程)での学習経験に関するカテゴリー
コード数 サブカテゴリ数 カテゴリ コアカテゴリ
32 3 1.産業看護の学問的な発展や社会的地位向上への取組に繋がった学問的な捉え方,スキル向上の学習 専門性の追求と自己への価値づけ
12 2 2.産業保健師としての専門性と役割認識の学習
4 1 3.産業看護職や看護学生への教育体制や教材づくりに活かされた産業看護の学問的な学習
17 2 4.専門職や人としての成長につながる知識や視野を広げる学習
7 2 5.学習過程における自己や他人の評価による自己の価値づけ
24 2 6.根拠や新しい知識に基づく活動のための文献検索や情報アクセスの学習と習慣化
14 2 7.ゼミでの主体的な学習経験を活かした自ら課題解決できる手段確保の学習
25 4 8.他職種との関係性の認識,相互理解に繋がった大学院での他職種との交流 人的資源活用に繋がった多様な人との相互理解
16 2 9.自職場の問題の解決に活かされた他企業の産業保健スタッフとの交流や情報入手
3 1 10.進路決定に活かされたゼミ仲間との交流や情報の獲得
17 3 11.教員からの丁寧で真摯な指導,励ましによる困難克服手段の習得
17 3 12.協働者との相互理解,協働のためのディスカッションスキルの習得
8 2 13.円滑な協働に活かされた科学的根拠,形式知や客観的視点の学習
13 1 14.相手との相互理解や意見交換,発表経験による人間関係構築スキルの向上
12 2 15.自分の考えに基づいた発言ができ身の入る活動に繋がったディスカッションスキルの習得
9 1 16.協働者と共有できる産業保健や研究に関する知識の獲得
13 2 17.活動の変革をもたらした理論や科学的根拠の理解 活動の変革に影響した理論的,学際的な学び
17 1 18.産業保健に特化しない多様な領域を幅広く学ぶ機会の取得
16 2 19.知らないことの多さの感知,学ぶ楽しさや意欲的な自己学習
14 2 20.事象の妥当性や包括的な見方に役立ったゼミでのディスカッションや論文解釈の学習経験
17 2 21.研究の考え方,実施方法の理解と助言聴取による研究の質向上の学習 科学的根拠に基づく活動に繋がった研究の学び
2 1 22.専門職としての倫理原則の学習と個人情報の取り扱いに留意した研究の実施
20 3 23.研究実施,論文作成の充実感,楽しさ,面白さ,困難や問題克服達成の感知
20 1 24.修士課程での研究における知見発見と活動への活用の学習
29 2 25.対象の実態把握や問題解決に活かされたデータ分析とその活用方法の学習
20 3 26.データ分析するための統計解析と統計解析ソフトウエアを用いた分析の学習
9 2 27.正しいデータの確保の重要性の認識とデータの正しい捉え方,伝え方の学習
26 4 28.科学的根拠に基づく資料作成やプレゼンテーションが可能となった論文作成や発表経験
13 3 29.長期的,経年的視点に立った活動展開・システム化・施策化に活かされた手法の学習 専門性を活かした質の高い活動に繋がった学び
8 2 30.施策化に関する効果的な提言に活かされた文献検索,データ分析,ヒヤリング等の学習
12 1 31.事業場経営に貢献するための経営層への働きかけに関する学習
13 1 32.効果的な活動内容の吟味や実施に必要な対象の現状把握や活動の評価の学習
13 2 33.様々な学習経験と活動の統合に繋がった産業保健に関する専門知識や技術の習得
20 2 34.活動における課題認識や解決への取組に繋がった課題解決スキルの習得

1) 【専門性の追求と自己への価値づけ】

この概念は,大学院修士課程で産業保健師の専門性を主体的に追及する学習において,専門職としての自分の考えやしっかりした自分を持つことができるようになった学習経験を説明している.

「大学院では,いろいろな専門領域の教員達の専門職としてどうあるべきか考えてやり切ってきたことや,ステップアップのために学んできたことなどの経験談(教員となる前の経験)を聞いたり,ディスカッションした学びが大きな刺激となり,自分は産業保健師としてどうあるべきかを考え,自分の活動の軸が持てるようになった.(研究対象者C)」として,《産業保健師としての専門性と役割認識の学習》をしていた.そして,大学院に通学することで,学生としての身分を得て,学習時間が確保できる,身近にある大学図書館で文献検索が十分できる,指導教員による個別指導を密度濃く受けることができるなど,整った学習環境で学習経験を積むことができた.また,一連の研究を行う過程の学習経験において,例えば,文献検索では,外国語文献を含め多くの文献が存在することを知り視野が広がり,多くの文献を読むことで,新たな知識を発見し,身に付け専門性を高める学習経験をしていた.また,データ分析においては,質的研究におけるデータのカテゴリ化の精度を高めるために時間をかけて繰り返し検討したり,修士論文作成過程では,論理的に一貫性のある内容の論文が上手く書けず何度も書き直しをするなどの困難感を伴う学習を教員の指導や共に学ぶ大学院生など他者の支援を受けながら乗り越えるなど,困難に主体的に向き合う手段を獲得しながら学習経験をしていた.この学習経験は,「ある意味自分の人生の中ですごく自信になって,すごく意義がある.(研究対象者F)」と《専門職や人としての成長につながる知識や視野を広げる学習》と認識していた.これらの学習経験の過程において,成長している自分を客観的に評価し自己の価値を認める学習経験をしており,また,自己そして他者からも認めてもらえたことを認知ができたことは,《学習過程における自己や他人の評価による自己の価値づけ》として認識していた.

2) 【人的資源活用に繋がった多様な人との相互理解】

この概念は,大学院において様々な経験を持つ教員や大学院生,または,学会参加を通して出会った人達との交流やディスカッションを通し,考え方や物事の捉え方の異なる人とも相互理解することを学び,人的資源の活用に繋がった学習経験を説明している.

「ゼミでは,みんなと話し合いながら,自分の意見とは違う視点での物事の捉え方が学べていつも新鮮に感じられた.相手の意見を決して鵜呑みにしたり,左右されることもなくいろいろ考えながら聞くこと,それに対して自分が意見するにあたってどう伝えたらいいのか思いながら聞き,自分の意見を伝えた.(中略)自分で新規事業を立ち上げたこともあり,自分の所属だけでなく違う部署とも連携していかなきゃいけないところでは,意見をたくさんいただいて,また調整していく手順ですね.事業を進めることに活かされた.(研究対象者B)」と,語られていた.すなわち,ゼミやディスカッションによる双方向のコミュニケーションは,《協働者との相互理解,協働のためのディスカッションスキルの習得》が身に付いた学習経験であったことを認識していた.

3) 【活動の変革に影響した理論的,学際的な学び】

この概念は,理論や産業保健やそれ以外の幅広い知識を学び,現象を理論に結び付け,物事を深く捉えることができ,活動の変革に影響した学習経験を説明している.

「障がいのある社員さんが自死された,彼は,自分には価値がないとすごく言っていた.(中略)自尊感情の論文を読んでいたら,障がいと自尊感情の論文がたくさんあり,障がいと自尊感情の関係を知った.もし読んでいたら(知識があったら)彼に別の言葉を言ってあげたと思う.自尊感情と会社で起こった事例が結び付いた.経験ばかりやってきたことが理論的に結びついた.(中略)今まで経験でこうじゃないかと言っていたり,やっていた.例えば,従業員の言っていること,考えていることや病気が関係している理論や論文を調べて読み,さらに興味が広がり関連する論文を読み,今まで知らなかったことを幅広く知り,物事を深く捉えることを学んだ.理論や論文を通して学んで,やっと,現象を理論や知識で説明できたり,理論と実践を結びつける活動ができるようになった.(研究対象者I)」と,語られていた.すなわち,大学院修士課程での学習によって,《活動の変革をもたらした理論や科学的根拠の理解》が促され,自尊感情と「自分には価値がない」との発言の関連を捉え,起こっている現象の背景をより深く理解し,対象者にとって必要な支援を考えるようなったと活動の変革を認識していた.

4) 【科学的根拠に基づく活動に繋がった研究の学び】

この概念は,一連の研究を行う過程で,科学的根拠に基づく視点や研究能力を培い,研究結果を適切に伝えるまとめ方やプレゼンテーション能力向上に繋がっていた学習経験を説明している.

研究手法を学び,研究を実施したことは,《対象の実態把握や問題解決に活かされたデータ分析とその活用方法の学習》となった.「研究を進めていく上で,統計的にデータをきちんとみていくことが学べた.データをどう扱ったらいいのか,どういうふうにみていけばいいのか,この方向性ならこういうデータをとっていかなきゃいけないとかが,わかってよかった.きちんとデータを出せて,データからきちんとものがいえる根拠があって研究を進めていったことが,大学院で学べた一番大きなことだった.(中略)事業化が必要なことを伝えるには,データ化した根拠が大事だと思った.特定健康診査の問診と健診データを分析していくと特徴が明らかに出て,職場での料理(従業員自身が当番制で調理している料理)が健診データに大きな影響だったので,(職場での)料理の改善で,献立を何日間分調査して,栄養士さんに添削して貰いその結果と,健診のデータとの分析結果を出して指導した.(研究対象者B)」と,語られていた.対象集団の健診の問診と健診データの分析をした結果,職場で調理している料理が,健診データに影響していることがわかった.そのため,料理の献立を何日間分か調査し,栄養士に献立内容を分析してもらった結果と,健診データとを分析した結果をもとに保健指導を実施した.すなわち,研究の実施を通して学んだデータ分析とその活用方法の学習経験が,データ分析に基づく保健指導に活かされたことを認識していた.また,「大学院に行ってから研究計画や進捗などのプレゼンの機会が増えたから,科学的根拠に基づいてシステマチックにまとめていかなくてはいけないので,下手なりにもできるようになった.(中略)資料の作り方,見せ方などを学んで,上手くなってきたと思うので,学んだ事を実践でもどんどん活かしたいと思う.(研究対象者I)」や,「大学院で先生に学会発表の機会を作っていただいて,度胸がついた.ああいう緊張する場も経験したので,次はもっと発表しやすいと思う.社会人になってからも上司にまとめたことを報告するなどやりやすく,勉強になった.(研究対象者J)」と,語られた.このことから,《科学的根拠に基づく資料作成やプレゼンテーションが可能となった論文作成や発表経験》をしていた.

5) 【専門性を活かした質の高い活動に繋がった学び】

この概念は,大学院修士課程での一連の様々な学習経験を,実際の質の高い産業保健活動の展開に向けて活用できた学習経験を説明している.

「学んだこと(文献検索やデータ分析,ヒヤリングなど)を活かしてメンタルヘルス対策の企画ができた.(中略)根拠として法律とか指針を調べた上で,今の個人の問題を集約して会社全体の現状を把握し,文献検索を実施して,ちゃんと指針に基づいているとか,他の機関(行政など)の保健師にも対策についてのヒヤリングを実施し,エビデンスのある内容であるかを調べて,今の会社の実情に合わせて実施可能なことの提案に活かせている.(研究対象者C)」と,語られていた.すなわち,《施策化に関する効果的な提言に活かされた文献検索,データ分析,ヒヤリング等の学習》をしていた.また,「産業保健では,例えば,年度の健康に関するデータとか数値で経営層へフィードバックし,活動の理解を促し,組織を動かすことは,ものすごく大事な役割だと学んだ.経営層に(説得力のある)データ分析の結果報告の力をつける大学院での学びは重要だったと思う.データを出して,伝える力が重要で,身に付くという意味でも大学院で学ぶことには価値がある.(中略)大学院で学んだ事を活かして,健康の視点を持ってもらって,従業員の健康を会社の組織や経営方針への浸透をさせているところである.(研究対象者J)」と,語られていた.このことから,事業者や組織の支援に活かされた,《事業場経営に貢献するための経営層への働きかけに関する学習》をしていた.

V. 考察

本研究において明らかになった,産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験を表す5つの概念についての考察を以下に示す.

1. 【専門性の追求と自己への価値づけ】

大学院修士課程では,整った学習環境の中で,専門領域の異なる教員や大学院生とディスカッションなどの学習経験を通し,専門領域の違いを認め合う中で,自分の専門領域の専門性を自覚,追求し深める学習ができたことは,大学院修士課程での学習経験の特徴であるといえる.また,大学院修士課程における一連の研究を行う過程において,困難な状況に対し,教員や共に学んだ大学院生など他者の支援を得ながら,時間をかけて根気よく自ら学び続けて乗り越える学習経験が,自己に対する自信と困難に遭遇しても,向き合い乗り越える手段を自ら獲得できる力を培うことにつながったといえる.このような学習経験の積み重ねにより,自己の成長を認識でき自己の価値を見出し,学習することの大きな意義を見出すことができたことも,大学院修士課程の学習経験の特徴といえる.

また,事業場内には,幅広い職層の人達が存在しており,そのような環境の中で,学歴は,事業場での位置づけや評価にも繋がってくるといわれている16).本研究においても同様に,大学院修士課程での学習経験を積み重ね専門職として,人として成長していることを自己認識でき,また,他者からも認めてもらえたことが,《学習過程における自己や他人の評価による自己の価値づけ》に繋がった学習経験であったことが示唆された.

2. 【人的資源活用に繋がった多様な人との相互理解】

ゼミでのディスカッションでは,主体的に参加し,繰り返し経験することで,自分とは違う考え方や物事の捉え方などの意見に対しても耳を傾け,理解する学習経験を積み重ねていた.このことは,これまでの自分の視点や考え方に囚われず,様々な視点で物事を捉え,考えられるようになり,相手を理解しながら,自分の視野を広げ,相互理解が促されたことが明らかになった.そして,相手の意見を決して鵜呑みにしたり,左右されることなく,自分の考えを持ち,相手に伝える学習経験により,《協働者との相互理解,協働のためのディスカッションスキルの習得》となり,事業場内外の人などともディスカッションしながら,関係を構築し,協働に活かされていた学習経験が明らかになった.複雑で高度な健康問題を解決するために,組織のあり方や働かせ方にまで問題提起や提言ができなければならないことや16),事業者は,産業保健師を協働者としてみなし,双方向のコミュニケーションを求めていることが報告されている43).また,産業保健師活動においては,会社組織を活用する技術や事業場内関係者と協働する技術が必要とされている44).これらの産業保健師活動に必要とされる技術をゼミやディスカッションの積み重ねにより,スキルアップしていたことは,大学院修士課程での学習経験の特徴である.

3. 【活動の変革に影響した理論的,学際的な学び】

時間をかけて文献検索し,多くの文献や論文を読む機会を得て,これまで知ることのなかった理論や幅広い知識を学び,現象を理論に結び付け,物事を深く広く捉える大学院修士課程における学習経験の特徴が明らかになった.そして,《活動の変革をもたらした理論や科学的根拠の理解》が促された学習経験では,理論や学問を押さえることにより,起こっている現象の背景をより深く理解でき,理論に基づく根拠のある活動に繋げるきっかけとなったことなど,活動の変革に影響していたことが明らかになった.理論は,現象を説明したり予測したりするための,非常に効果的な手段であり,理論により,一連の出来事に対する疑問を考え出し,それを系統的に検証することができる45).研究対象者たちは,理論を学び身に付けることによって,実践現場での現象と理論を結び付け,適切な支援が出来る事を理解し,今後の活用を認識できたことは,質の高い産業保健師活動を実践していく上での重要な学習経験の特徴といえる.また,専門分野の実践で知識を発展させるためには,臨床経験で身についた現存の実践的知識(know-how)を系統的に記録し,一方で,その知識を理論に基づいて科学的に検証することで,実践的知識を拡大していく必要がある45).本研究で明らかとなった,現象を理論や知識で説明でき理論に基づいた根拠のある実践につながる,理論や論文を通じた学習経験は,専門職として実践や知識を発展させていく上で必要なものといえる.

また,学校教育法では,広い視野に立って精深な学識を授けることを大学院修士課程の目的のひとつとして規定しており36),幅広い知識の理解や,物事を深く広く捉える学習経験は,大学院修士課程の目的を達する必要な学習経験であったといえる.

4. 【科学的根拠に基づく活動に繋がった研究の学び】

研究を通して学んだデータ分析とその活用方法を身に付けた学習経験は,保健師活動の展開の必要性や,実際に活動を推進していく上で,データ化した根拠を示すことができるようになり,科学的根拠に基づく活動に繋がったことが明らかになった.また,科学的根拠に基づいた資料の作成やプレゼンテーションなどの学習経験を重ねたことも,活動を展開していく上での問題提起や提言,関係者との協働などの活動展開に必要な実践力をつけた学習経験となったことも明らかになった.本格的な研究能力育成の場としてもっとも期待されるのは,大学院教育といわれている15).本研究においても,大学院修士課程における一連の研究過程の学習経験の特徴として,科学的根拠に基づく活動に繋がる研究能力獲得が示唆された.これらの産業保健師活動に活かされた一連の研究過程の学習経験ができたことは,大学院修士課程の大きな特徴である.2013年度から厚生労働省の下で,健診・レセプト情報等のデータ分析による科学的な方法に基づいた保健事業を展開しようとする「データヘルス計画」が始まり6,7),今後,社会のニーズに応えていくためには,本研究で明らかになった研究能力を培う学習経験がますます必要とされる.大学院修士課程では,修士論文や特定の課題についての研究が必修となっているため,課題探索,文献検討,科学的なデータ収集と分析,データの公表とプレゼンテーションなど,エビデンスに基づいた実践を行える力を養うことができると報告されている13).また,問題の原因を探索し,職場全体に働きかけるために人々が問題を認識できるように,問題の広がりや深刻さを量的にも質的にもみせていくために量的・質的な研究能力やプレゼンテーション能力が不可欠であり,この研究方法論を教育するのが大学院修士課程の教育である11,12)とされ,本研究においても同様のことが示唆された.

5. 【専門性を活かした質の高い活動に繋がった学び】

この概念は,大学院修士課程における様々な学習経験を,実際の質の高い産業保健師活動の展開に向けて活用できる学習経験を説明している.この学習経験は,産業保健師の専門性を追求し十分な役割認識の学習経験と,これまで述べてきた大学院修士課程での様々な学習経験とにより,実際の活動と学習経験を統合して,質の高い産業保健師活動に向けて活かすことができていることが特徴である.例えば,《事業場経営に貢献するための経営層への働きかけに関する学習》である.事業者に健康の視点を持ってもらい,従業員の健康を事業場の組織や経営方針への浸透を図るための施策化推進を図り,事業場経営に貢献するための産業保健師活動の展開に活用された学習経験である.質の高い産業保健師活動とは,具体的には,事業場の現状に合わせた事業場資源を活用した有効な活動であることや46,47),個別から集団へと視点を広げた問題の解決や事業場全体における活動のシステム化・施策化であるとされており37,48-50),近年特に,保健師には,社会のニーズである多様化,複雑化,深刻化する健康問題解決に応えるためのシステム化・施策化能力の習得が求められている9).このような社会のニーズに応えていけるための産業保健師の教育内容の充実が提唱されており,実際の活動と知識を統合する力を得るための学習の必要性が示されている9).その必要とされている学習は,本研究で示唆された学習経験と同様の特徴を示していることが明らかになった.

6. 本研究の限界

本研究の限界としては,以下,三点が考えられる.一点目は,大学院修士課程入学前に産業保健師としての就業経験の有る者の方が,無い者より実際の活動を意識して学習し,学習経験の習熟に差がある可能性がある.二点目は,指導教員の産業保健師活動の経験の有無により,指導面に差があると考えられる.三点目は,研究対象者の大学院修士課程における専攻の種別を考慮した研究対象者の選出や,内容の分析をしていないため,専攻の違いによる学習経験の差が考えられる.

VI. 結論

本研究において,産業保健師活動に活かされた大学院修士課程での学習経験を表す5つの概念が創出された.5つの概念とは,【専門性の追求と自己への価値づけ】,【人的資源活用に繋がった多様な人との相互理解】,【活動の変革に影響した理論的,学際的な学び】,【科学的根拠に基づく活動に繋がった研究の学び】,【専門性を活かした質の高い活動に繋がった学び】である.大学院修士課程の学習経験は,産業保健師の専門性を追求し十分な役割認識ができ,主体的に取り組んだ様々な学習経験と実際の活動を統合して,質の高い産業保健師活動に向けて活かすことができた学習経験の特徴が明らかになった.本研究において明らかになった大学院修士課程での学習経験は,社会のニーズに応えていくための質の高い産業保健師活動を提供するために必要な学習経験であることが示唆された.

本研究は,因子探索レベルの研究により概念を創出したが,さらに研究対象者の選定を考慮した概念創出や,そして,下位概念を抽出し,量的に測定することにより,多数,多面的なエビデンスが得られ,さらに精度の高い大学院修士課程の学習経験の特徴が明らかになると考える.

謝辞

調査研究にご協力いただきました産業保健師の皆様に心より感謝申し上げます.また,ご指導を下さいました皆様,支援して下さった多くの方々に心から感謝いたします.

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