Abstract
火星や氷衛星に見られる流動地形や断層地形の形成過程を明らかにするためには,氷・岩石混合物
のレオロジーを知ることが重要となる.本研究では氷・シリカ混合物の変形実験を行い,力学強度に
対するシリカ含有率と温度の影響を調べた.シリカは直径1μmのものを用いて,その含有率は0か
ら63vo1% まで変化させた.実験は-10℃から-25 ℃まで制御した低温室で等歪速度一軸圧縮変形
実験を行い,歪速度は2.9×10-3s-1から8.5×10-7s-1まで変化させた.今回求めた流動則は,応力-歪
み曲線上の最大応力σmaxと歪速度εの関係式ε=A・σmax nで表される.実験の結果,温度が-10℃の
場合,シリカ含有率が0.4vol% から4vol%では最大応力が純氷とほぼ同じとなりnは約3となっ
た.一方,シリカ含有率が15vol% 以上になると, 最大応力はシリカ含有率が増加するほど大きくな
りnは約6と大きくなった.温度を変化させた実験では,シリカ含有率が15vo1% の場合,nに温度
依存性はなく約6.2となった.また, シリカ含有率が29vol% と63vol%の場合は,脆性一塑性境界が
純氷の境界よりも30 ~50 ℃高くなった.