Serviceology
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Print ISSN : 2188-5362
GEKOKUJOU Project
Service innovation and R&D management
Kunio ShirahadaHisashi Masuda
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2016 Volume 3 Issue 2 Pages 40-49

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1. はじめに

下克上プロジェクトとは,著名な研究者や実務家とサービス学に係わる若手研究者との交流を促すことでサービス学全体を盛り上げることを目的としたプロジェクトです.本記事ではこのプロジェクトの一環として,サービス学における重要なテーマについて,若手研究者2名が,実務家であるダイキン工業株式会社テクノロジー・アンド・イノベーションセンター(TIC)の河原 克己様,伊藤 宏幸様,中村 信様にインタビューした内容をご紹介します.

ダイキン工業株式会社は,家庭用・業務用エアコンの売上高グローバルNo.1を達成し,更に2015年には,研究開発のコア拠点となるTICを新たにオープンさせました.TICでは,「協創イノベーション」の実現に挑戦する場として,非常にユニークなアプローチでの価値創出を試みています.社内の協創を加速するオフィス環境デザインとして,部門を超えた700人がTICに集結し,ワイガヤステージでの集団ミーティングと集中ルームでの個人・小集団による集中検討を組み合わせながら研究開発が行われています.これと同時にTICは,社外との協創を促進する開かれた研究開発拠点でもあります.今回のインタビューでは,TIC設立の背景を踏まえ,特に,ダイキン工業が展開する研究開発マネジメントとサービスイノベーションに焦点を当て,その取り組みについてお話をお聞きしました.

2. ダイキン工業TICについて

白肌 2005年頃からTICの立ち上げ構想があったと伺っています.

河原氏(以下敬称略) ちょうど80周年記念事業の年であった10年前に,オムロンのイノベーションセンターが京阪奈にオープンしたことがTIC設立のきっかけとなりました.当時,オムロンの社外取締役を弊社会長の井上が務めていたこともあり,施設を見に行った際,うちにもこういうセンターがあるといいな,ということになり,そこから,当時研究担当常務の鳥越が,経営企画のメンバーらと検討プロジェクトを立ち上げました.結果としてオープンしたのが2015年11月25日ですので,10年かかりました.この理由は,グローバル拡大のスピードが上がる中での投資案件の優先順位の変化です.この10年間に,OYLインダストリーズ(マレーシア)という会社の大型M&Aがあったり,最近ではグッドマンというアメリカ企業のM&Aがあったりしました.海外工場への投資,販売会社の買収案件などのグローバル事業拡大のための大型投資案件が続いたということと,その間に大きな事変であるリーマンショックや大震災があり,そのたびに,優先順位が下げられました.まあ,研究開発の大型拠点投資というのは,そういう事項と比べるとやや後回しになりました.

10年前は,日本の色々な企業がオープンイノベーションと言いだした頃で,弊社にもオープンイノベーションというキーワードはありました.ただ,そこから10年間延び延びになって検討してくる中で,ダイキンにとってのオープンイノベーションって何なのだという議論をしてきました.他社の事例を通じて勉強させていただくことで,日本の多くの先進企業がオープンイノベーションといって新しい研究所を立ち上げながら,なかなかオープンイノベーションに成功していない理由を勉強させていただきました.それを踏まえてダイキン流のオープンイノベーション,協創イノベーションという言い方をしています.

増田 イノベーションのジレンマという,企業規模が大きくとなるとその維持のために,現実的な解を取らざるを得ないという考えがありますが,このような(大規模な)TICではなく,敢えて小さい部門に分けてイノベーションに取り組む考えは無かったのでしょうか.

河原 そこは一番議論したし,一番,私自身悩んだところです.イノベーションを起こすことだけ考えるのであれば,こんな700人の組織を作るよりも,50人の少数精鋭チームをシリコンバレーかインドに作る方が良いのではないかと,私自身設立の準備室長だったので,設立提案者としてずいぶん考えました.会社としても,大きなものを作ろうか,元気の良い小さなイノベーターの集団を作ろうかみたいな議論はありました.経営トップがこのTICに期待したのは,ダイキングループ6万人の,2兆円企業の,技術開発のコア拠点であって欲しい,ということでした.ですから,空調の商品開発もフッ素化学の商品・技術開発も,その次の新規事業や新サービス,新商品を生み出していくことも,全てを考えるコア拠点であってほしい,という思いがすごく強かったのですね.組織機能として,他社と一番大きく違うのは,多分,2兆円規模の会社になったら,基礎研究所,応用研究所,商品開発センターと別々に分けますが.弊社は全部一本にした点です.弊社は,社外だけでなく,社内の違う事業分野も含めてオープンイノベーションをしています.それから,短期・中期・長期の各々を考えているメンバーも混ざり合って協創する,混然一体となってやるのだ,という道を選びました.そこは,正解かどうなのか本当はわからないのですけど,一番の特徴・特色です.正直,混乱している側面もありますが,基礎研究や調査を行う人間から,年度の商品を開発するメンバーまで集まったからこそ,断然,異質な価値観で刺激を与えあっているところもあります.

写真1 TICの展示ギャラリーにて エアコンの部品を基に人間が走る姿を表現している(写真左).足元にダイキンの歩みを示す年表がある(写真右).

3. オープンイノベーションについて

白肌 他社事例としてP&Gを参考にされたそうですね.御社は最近まで WebサイドでP&Gと似た仕組みを作っていました.

河原 結局,ニーズに対して技術シーズを世界中から取ってきて応用するタイプのオープンイノベーションでしたらP&Gのやり方が一番いいと思います.ただ,自分の所に,コンセプトやニーズ,困りごとがある中での,達成技術の獲得ということにイノベーション範囲が絞られるので,空調やフッ素化学のような成熟事業・成熟商品の中では,あのやり方をしたところで,そう大きなイノベーションは起こらないと考えています.

そもそもの商品コンセプトやビジネスコンセプト,サービス事業の在り方,提供できる価値創造等を考えた時に,社内だけでは,自分たちの保有技術,コア・コンピタンスをベースにできることの範疇で考えるので,突飛なイノベーションやテーマが生まれないと感じています.大事なのは,コンセプトやニーズ・課題が明確化してから技術シーズを探すことではなくて,自社が持っている強みと相手が持っている強みを足し算したら,どんなコンセプトが生み出せるのか,どんな商品・サービスが生み出せるのか,というところを一緒に考えることです.

例えば,大学との産学連携の中でも,従来の委託型研究ではなく,理系だけでなく文系の先生もお呼びして,そもそも空気・空間で創出できる価値創造にどんなものがあるのかと,非常に漠然としたところから投げかけています.京都大学と3年間やってきたのは,ダイキンが持っている強みと,京都大学が持っている強みを合わせたら,どんな空気の価値,空間の価値が創出できるか,を一緒に考えることです.課題設定型・テーマ創出型のオープンイノベーションと呼んだりしています.我々が大きなイノベーションを起こすために必要な要素を考えると,課題解決・技術シーズ獲得型から,課題設定・テーマ・コンセプト・価値創出型のオープンイノベーションでということになります.

増田 課題設定型の場合はリスクが大きくなりますね.

河原 リスクは高いし効率は悪いです.中長期的に,ビジネスを共にするぐらいの覚悟と,パートナーシップ,信頼関係がないと難しいのです.単なる技術シーズの一発勝負の,技術を売る売らない,知財を一件売る売らないの話だと短期勝負で決着がつきますけども,そうではないのです.一緒に新しい価値,社会価値,もしくは,新しい事業を起こそうというぐらいの覚悟と,どういうパートナーと関係を結ぶのかというところもすごく重要になります.もちろん,簡単には答えが出ないところです.

白肌 京都大学との産学連携からは800個ほどのキーワードが出たそうですね.

河原 普通は出ないものが出ました.例えば,普段では空調の技術者が10人集まって,空気に関する商品か技術について考えようって言ったら,間違いなく今の空気成分をまず分析しますよね.そしてCO2の濃度を考えますよね.そして,PM2.5の集塵のことを考えますよね.インフルエンザウイルスを殺すことを考えますよね.つまり,もう構成されている物質を分解していって,不要なものを除去するための技術を開発する.これはもううちでやっています.

ただそれをやっていると,普通の空気清浄機の協創であったり,普通のフィルターとか換気扇の協創であったりということになるので,そうじゃないものを考えたかった.例えば,文系の人を入れて,『空気というキーワードで,どんな価値が提供できると思いますか』と漠然とした問いかけをすると,面白かったのが,民俗学の先生は,アフリカのある部族の人たちは,朝起きると『今日の空気は元気だね』というのが挨拶らしいのです.その部族の人たちは,何を感じているのかわからないのですけど,今日の空気は元気か元気がないか,ということを何かで感じているのですね.その部族の人にとっては,その変化が元気な空気だと感じて,元気に生活していくかそうでないか,という生活価値になっている.これぐらいぶっ飛んだキーワードを800も出しているというのが,まあ,従来のやり方とは違うという自負はあります.でも,そこまで発散させて出したキーワードだから,それを商品コンセプトにまとめ込んでいって,技術課題にブレークダウンして,それを開発計画に落とし込んで,商品を作る,ということが追いついていないというのが正直なところです.

課題設定型で,空気でどんな価値が出せるのかということにいろんな人に入ってもらう.そうすると,新しい目的をみんなで作るわけです.その作った目的に対して,必要な技術はなんだという方向で展開していったら,今の熱交換器の進化型,今の圧縮機の進化型ではないものが出てくるはずだ,と思って,そこは課題設定型の包括連携にいろんな分野の研究者に参画してもらうということでチャレンジしているところです.

白肌 バックキャスティングですね.あるものの延長線上で考えるのではなく,ありたい未来から考える.

河原 バックキャスティングを専門にするチームについても,この5,6年で専門のチームを作って走らせました.全社から,博士クラスでその分野では一番という人材を7人集めて,7人の侍ということです.将来の社会や将来のエネルギー社会,将来の空調システムを描いてみることにチャレンジしたのですけれども,ちょっと単純に時間軸の将来を描いてみて,バックキャストして新しいテーマを探すというのは,あまりうまくいきませんでした.

伊藤氏(以下敬称略) 関連するお話として,日本学術会議から「巨大複雑系社会経済システムの創成力強化に向けて」という冊子が出ています.この中では人工システムをクラス1,2,3と分類しています.クラス1は,環境も目標もはっきりしている状態.これは最適化が求められます.クラス2は,目標は分かっているものの環境が変化するという状態.これは,環境適応型が求められます.そしてクラス3は目標も明確でなく環境も変化するシステムを意味します.自分自身も作用するし反作用も受けることになります.私は今,そういう社会になっていると思います.ある意味でそれに一番うまく対応しているのは,アップルみたいなところです.モノ売りをしていますが,横のサービスをどんどん展開していき,かつ,知財ところで,オープンはオープン,クローズドはクローズドにしています.

オープンイノベーションは,課題やニーズがあって,解決の仕方がわかっていたら,価値のほとんどはその当事者が生み出せるものと思われます.ですが,我々は現時点ではそういう体質ではないのじゃないかなと.クラス1から2,3というようなものが混在しているのです.我々は,今までは専業メーカーとしてはクラス1の問題,ある目標を設定している.例えば,少しでもエネルギー消費の小さなエアコンを作るということを目標に,それに対してソリューションを出していくやり方だったと思います.空調システムというのをどんどん作り込んで,いろんなお客さんのニーズを一体化して,システム化して,そのまま提供すればいいじゃないかという考え方だったと思いますから.バックキャスティングがなかなか難しかったのかもしれません.

写真2 TIC内フューチャーラボ

4. 研究開発人材の変化について

白肌 TICでの活動を通じて,研究開発人材の志向性に変化はありましたか.

河原 技術開発を担当する研究開発者の質は,分野が広がっているだけで変わっていないと思います.結局抜けているのは,課題設定をして未来を描いて,バックキャスト型でやるべきことをはっきりさせて,技術開発を社内・社外で指揮してそれを獲得して,それをまとめてサービスビジネスなり商品に仕立てていくことが大事です.ここの人がいない限り,価値創造とかイノベーションはたぶん起こらないですね.この総合的にかつ俯瞰的に,いろいろなことを価値の側からバックキャスト型で考えられる人材が必要なのだけれど,これが農耕民族型の日本人に少ないし,ある特定の技術分野の専門家として育ってきた日本の研究所,日本の開発部隊の技術の幹部の中に少ないですよね.今の技術分野のトップが,王者になって来ている訳ですから.トマト畑の王者の人にブドウ作ろうって言ったって,嫌って言うに決まっていますよね.だから,ここの人をなんて呼べばよいのかよく分からないのですけど,(ビジネス・リーダーなのか……)こういう人が研究開発センターの中にいない限り,今の技術の先鋭化以外のテーマすら出てこないですよね.

増田 全体が俯瞰できて,何か次の手を示せるような人材の育成は,これまでとは違う教育が必要になるのでしょうか.

河原 そう思いますね.一言でいうと,文理融合型である必要性,技術者出身でも文理融合型である必要があると思いますし,多くの専門家志向の技術者というのはやはり手段志向で,経営者は目的志向ですよね.今までの日本の,こう技術分類型の専門家集団というのは,なかなか目的志向にならないですよね.自分の専門分野を深く掘り,深く井戸を掘ることが目的になっていて,それは企業活動,事業活動の目的じゃないのですよね.だから,経営者といったらいいのか,ビジネス・リーダーといったらいいのか,プロデューサーといったらいいのか,企業活動として社会に価値を新しく提供することを目的にして,そのためには,自社の技術であれ他社の技術であれ何でも使ってスピード上げて作っていこうよ,と思う人を,どうやってピックアップするのかということと,どうやって育てるか,ということが課題ですね.自分達自身がそう在りたいと思っているのだけど,そう在り得ているかというと,まだそれに胸をはれる実績を出せていない,途上な訳です.

伊藤 たぶん,うちの会社の中で,例えば,キュレーターみたいな人と言っても,キュレーションとかキュレーターといった言葉自体があまり浸透していません.なぜその社会で必要とされているのか,とかいう問いかけができない.仏像1つ展示するのにキュレーターの力を借りてどうのこうのとかありますよね.そういうこと自体を理解していないものですから,どんどん遅れていく感じです.それで僕が今,一番興味があるのは,女性の起業家です.どんどん新しいものを出していきますよね.もちろんその中で勝負がついてしまうので,残酷な面もあるみたいですけれども.

河原 社内でこうした議論をしていたら,『そこまで言うんやったら,小さくてもいいから,まずなんかやって見せてみろよ』と言われるのです.ただここで,小さくやれることを見せたら,ダメなのです.本気で多くの技術者を巻き込んで,研究開発をして,今までと違うやり方で違う目的に対して作り上げるからこそ,今までにないイノベーションが見せられる訳で,すぐやれることをちゃちゃっとやって見せると,『なんだそんなものか』というものしかできないのですよね.自己否定を完成させてしまうことになる.

これもいつも社内で言っているのですけど,2兆円企業になった中でね,昔の研究所だったら,10億円売れる商品を作ったら大層褒められたものです.今,10億円売れる商品作ったって,『もう,なにして遊んどったんや』っていう話ですよね(笑).だったら,今のエアコンの改良・改善やっといてくれという話です.そうじゃないものをやる意義というのは,2兆円の事業を3兆円,5兆円にするためなのか,2兆円事業がコケた時のリスクヘッジとしてやるかのどっちかなので,数年で5千億円,1兆円を目指せるようなことでなければ,TICとして取り組む意味がないと思っています.

5. 事業のサービス化に向けて

白肌 現在,感度を高く張っているようなビジネスモデルのトレンドはありますか?

河原 サービスの定義範囲は私もあまりきっちり認識している訳ではないのですけれども,我々の会社も遅まきながら,モノづくりからコトづくりという言い方であったり,技術開発から価値創造という言い方であったり,物売り機器売りで終わらずにライフサイクルビジネス化という言い方であったりソリューションビジネスの拡大という言い方であったり,言い方はこの10年ぐらい変化してきます.とにかく,製造業としてモノ作ってモノ販売したら終わりということではなくて,そのモノを通して何か価値を提供するビジネスを拡大したいということは,年々高まってきています.TICを立ち上げる時のテーマ設定とかコンセプトの中には,そういった,コトづくり,価値創造,ソリューションサービスといったキーワードを従来以上に拡大する努力をしてきています.飛んだテーマと現実性の高い話への揺り戻しの中で,バランスを取る努力をしています.

グーグルが2年半前ですか,ネストを買収して,ビッグデータ・クラウドを使って室内環境制御ビジネスをやるって始めました.ご存じだと思いますけど,ネストはサーモスタットとか火災報知機をやっている会社で,そのグーグルのビジネスモデルというのは,一番単純に考えて,IT企業が我々のコンペティターになるパターンです.それは,グーグルに限らず,他のIT企業,IT企業じゃなくても,欧米系の家電系の企業,例えば,シーメンスであったり,GEであったりも,同じようなことを目指すでしょうし.だから,要は,日本の強みといわれてきた,強みにしてきた擦り合わせ型で暗黙知の塊の,どろどろとした機械システムの付加価値が全部ネットワーク上の制御のデータに吸い上げられて,ただの鍋釜みたいになってしまって,そのIT企業であり,情報を操作して制御・コントロールすることをビジネスとするプレイヤーに付加価値が全部行ってしまうというのが,一番危惧するパターンです.

そういうことが本当に進む時代に,我々がどうやったら生き残れるのか,むしろ勝ち側に回れるのか.そのために,ではグーグルと真っ向から勝負をするのか.それはたぶん賢いやり方でないので,そのスピードとかダイナミックさを考えた時に,どこをパートナーにし,どこをライバルにするのかというのが死命を分けると思います.そんなことを考えると,昔の研究所のように,技術戦略,研究戦略というのは,良き技術・良きハードウェアを作ったらいい,ということを考えるのでなくて,結局,今,議論や話題に出ているビジネスモデルであったり,その時のパートナー企業,ライバル企業をどこと特定するとか,今の事業に対する経営インパクト,事業インパクトを考えないと,技術開発計画そのものすら決まらないのですね.このTICには,総合的に,俯瞰的に戦略を考えることが求められるであろうし,やっていかねばならないと思っているのですが,想定しているスピードとかレベルにどうやって追いつくかというのが,今,一番ひやひやしているところです.

増田 やはりソリューションですか.空調の製品を売るのでなく,空調に関するソリューションを考えている.

河原 大きくは,たぶん,日本というか,いろんな企業が言ってきた,ソリューションビジネスへの転換ということで大きくは違っていないと思うのですけれども,ただその時に使っているハードウェアが,やはり何かしら,日本企業の強みである暗黙知や擦り合わせ技術の組み合わせである機械システムであったり,どんなにITが発達してもデジタル化できない熱エネルギーという泥臭いエネルギーを使いこなしていることであったり,そういう,例えば,施工工事やサービスビジネスが必要なシステムであり…….ハードウェアが変わらない限り,どんなにITが進化しても工事は入らなくはならないですね.だからそういう,ハードの強みを活かせるソリューション提供ビジネスにしないと,日本企業や日本の研究開発者が主体となって考えて,『勝たれへんのちゃうかな』と,個人的に思っています.伊藤さんにはたぶん,伊藤さんだったらそれでも勝てというのがあるのかもしれないけれど.

やはりなんかこう,ねっちりねっとりした,わけわからないノウハウの詰め込まれたハードに基づくソリューションビジネスだと思うのですよね.

伊藤 絶対,本業を大きく逸脱することはできない.本業を否定してまで,やれるものではないと思いますね.でも,単純なソリューションビジネスで勝負しても勝てない.それこそ知識集積とかそういうものの能力が足らないからですね.アイデアでは出せるのだけれども,実際にそれだけの売上を出そうと思うと何百人の人が集まって,もっといいソリューションを作っていかなくちゃ…….最初の10人はうまくいくけど,たぶん,30人になって,50人になって,100人になった瞬間にもう,競争力を失ったアイデアになっていくのじゃないかな,と.

河原 うちの社員にも,アメリカ人がいて,何度かしゃべったことがありますけど,やはり,宗教の違い,生き方も違うし,ソリューションなんて,やはり狩猟民族の知恵だと思うのですよね.

白肌 そういう意味で気になるのは御社の手がけるエアネットのソリューションです.最近の情報によれば,センサーデータを集積し故障予知に結び付けるビジネスを開始していますね.

河原 ものすごく具体的で実現性の高い,うちの強みが活かせるアイデアの1つですね.ただ,規模が大きくならない,というのが一番正直なところですかね.そういうサービス契約を結ぶ価値,例えば,電算機室みたいな,24時間連続運転冷房が絶対に壊れては業務上困るところとか,冷凍冷蔵庫の故障によってユーザーの膨大な業務的損失につながるようなところですよね.そんなところは,そういう契約を結んでもらい易いのですけれども,一方で,我々は『24時間365日,何時でも電話一本で駆けつけます』というサービスをやっている訳ですよね.普通のオフィスならそれで充分という判断もありますし,実際,我々はここに,エアネット繋いで監視しているかっていうと,してないですからね.ちょっとその価値が,まだ訴求しきれるほど高くなく,普及,拡大できるほどにはなっていないですね.絶対に壊れてはいけないところには,認められていますけど.

白肌 そういうハードがあるからこそ,得られるデータはたくさんあると思います.データの多様性に関しては,どのような検討をされているのでしょうか?

河原 よく言われる空調のハードとしての価値に,部屋中を見渡せる王者のポジションに空調機があるという考え方があります.これが外部のネットワークにつながっているという強みが,故障診断・故障予知になり,それにより,見守りや省エネ,人の行動監視や行動制御など,いわゆる人がいるところ,居住空間の中でのソリューションビジネスは,全て空調システムでできるのではないかというのが,楽観的ではありますが出てくる話です.それは,あながち嘘ではないと思っていて,空調システムをプラットフォームにして,サービスビジネスができるじゃないかという……,コンテンツは,ベンチャー企業を含めてオープン化して,サービスのコンテンツ自身は公募してもいいかもしれません.我々はむしろ,コンテンツで儲けるのではなく,そのプラットフォームビジネスとして,ビルや住宅の居住空間を見える化し,つないで行くというような役割があるのではという考え方が出始めています.

写真3 河原副センター長(左)と伊藤リサーチコーディネーター(右)

6. 空調システムの可能性

増田 ITですと最近はクラウドの時代になっています.空調事業でもクラウドを活用するインフラのような考え方はあるのでしょうか.

河原 2つ考え方があります.1つは,確かにデータのインフラは,クラウド上のビッグデータに支配されていますので,空調システムに無理に付けるデータよりも,普通のクラウドを使った方が良いという考えがあります.そういうプレイヤーとは色々な協業の話をしています.

しかし,アクチュエーターを持っているプレイヤーはほとんどいません.人の生活環境に対して影響力のあるアクチュエーターとしての空調のインパクトは大きいと考えています.温度,湿度,風,風量を調整できることで,その人の快適性,健康,知的生産性,学習効果などに貢献できる可能性があります.在宅介護であったら,介護の見える化,見守り,センシングまでは,普通のITインフラとビッグデータのシステム,インフラ,プラットフォームがあればできると思います.そのとき,フィードバックするアクチュエーターを考えたら,おそらく空調と照明が2大アクチュエーターです.情報系では確かにクラウド上のビッグデータには勝てないけれども,空調システムをプラットフォームとしたら,そのアクチュエーターを保有し,かつ,その機能の中に温度変化,湿度変化,風量の変化を考えていくと主役になれるのではないかと思います.

増田 学習においても緑のある空間の方が学習効果が高いという研究もあります.いろいろな目的に応じて,ソリューションを提案していくのでしょうか.

河原 今,研究論文レベルの知見でも,我々押さえているエビデンスの範囲でも,例えば,睡眠深度を深くすることは温度制御で必ずできます.それから,疲労度を低減することもできるだろうと考えています.それから,認知症の発生確率を低くすることもできるだろう,と言われています.気圧が下がるとリュウマチが痛む,みたいな話も現実にありますよね.部屋の中の気圧を多少陽圧にしたり減圧したり,みたいなことは,換気のコントロールでできるでしょう.

伊藤 実験をやって,症例というか,実例がたくさんある中で,統計的に生み出されたそういう価値もあるけれど,現実にはもっと個別の対応をしなければならない訳で,そうなると本当にお医者さんの知見無くしてはできない領域に踏み込まなければいけないかもしれません.今,この人を温めていいのか,冷やした方がいいのかなんて,あんまり変なことをやると大変なことになるからです.本当は,その人たちの既往症とかそういったものがあって,何に注意しなければいけないかが分かっていれば,とりあえず誰か駆けつける間に冷やしておくとか,温めることはできますよね,我々のアクチュエーターを使えば.

河原 ITインフラのプラットフォーム+こういうアクチュエーション機能を持ったプラットフォームというのは,何か固有の強みがありそうな気がしています.

増田 確かに,学習環境では空調の効果が大きいのではないかと思います.実感するところもありますし.

河原 たぶん答えは個人差が大きいから,すごく個別化が必要……,達成技術として必要だという事と,何度にしようが一定温度じゃないのですね.刺激を与えるべきで,動的な温度の変化アルゴリズムも重要です.うちで既にやったのはV字快眠制御です.人のバイオリズムにできるだけ則す形で,寝入り前と起床前と,うまく温度コントロールしてやったら,30%,ノンレム睡眠が増えたことが現実にあります.

増田 そうなると人間の側になにかセンサーが必要ですね.

河原 最低限でもウェアラブルセンサーが欲しいですし,できたら非接触でやりたいところです.額をカメラで撮影してここの温度分布を見るだけでも,脳の活動量を測れます.できたらそういうウェアラブルセンサーを使いたい.

伊藤 今は,我々の睡眠深度の話は,体動計みたいな,要は,ベッドの敷物をオプションで買っていただくと,エアコンと連動する形になっています.

河原 空気チューブを這わせて心拍と体動が取れる装置や赤外線当てたら血糖値が分かるものとか,そういった広い意味での生理量のセンシング技術というのは絶対に必要で,それを一個一個自分たちで作るかというと,まあそれこそ,外部獲得でいいのだと思います.

増田 サービスという観点だと,人によっていろいろ好みが違うという視点が重要になります.スタンダードにそういう機能を提供しても,やはり結局,人によって最適な状態は違ってくるというのが想像できます.そういうフィードバックはやはり簡単にはいかないように思うのですが.

河原 難しいとは思いますが,生理量という物理量でフィードバックするのではなくて,その人が求めている快適感であったり,その人の作業効率を高めるようなポイントが,何で表現できているのかというところがフィードバックできると,それを最大化するようにコントロールすることができますね.でも,おそらく,人の活性度が上がるような環境条件とその人が好む環境条件は違うのです.だから,例えば,寒すぎるって感じることが多いかもしれないですし,例えば,温熱感が衰えたご老人に自分でリモコンを制御させると,温度を下げ過ぎて風邪をひくのですね.本人が求める温湿度,空気環境というものと,その人の健康や作業性にとっていい環境というものはまた別で,それを何でセンシングして,何をフィードバックするかですね.できるだけその効果に近い側でフィードバックできたらいいのだと思います.

白肌 やはり,より個に行く感じですか.

河原 個に行くと思いますね.個に行かないと,これ以上,対価を払ってもらえる価値は作れないと思うのですよね.空調のグローバル戦略ということを考えた時に,グローバルな市場を考えたらまだまだ成長市場だから,日本の空調機をもっと精鋭化するよりは,もっと汎用化してコストダウンして,普及させる方が,2兆円ビジネスを,2.5兆,3兆にしていく中では,ずっとポーションが大きいですね.しかし,日本で更に付加価値が出せる空調装置は,と考えると,やはり個に入り込んでいって,その個人にとって今よりも何かが良くなるということが明らかに目でも見えて,体感,実感もできて,医学的な保証も付いている,医療認可までいかなくても,特保では認められているみたいな,最低限そんなとこやと思うのですけど.そういう高付加価値化を狙わないとやはりこれ以上,価値創造はし難いですよね.海外でいうと,中国などはむしろ,そんなプラスプラスの効果を狙っていくよりも,PM2.5を無くすとか,アレルゲン物質を無くすとか,まだまだ,有害なものを無くしていくことで価値が出る地域もたくさんあります.

ただ日本に関しては,健康に対しても,省エネルギーに対しても,空気環境に対しても,こんなに問題の少ない国はないですよね.ここで次,どんな価値を出すかといったら,無駄を省くのではなくてゼロから加える,プラスの付加価値を創造するしかない.だから難しいですね.その創造に行った途端に,ご指摘の個に入るしかもうないと思うのですね.100人のオフィスで,100人全員が気持ちよく働ける,ピンポイントの温熱環境なんていうのは,ないですよね.私と嫁さんですら,寝る時のエアコンの設定温度が5度以上違いますから.

7. 文化的差異のマネジメント

増田 個については,文化差も大きいと思います.例えばサンリオのハローキティでは,海外のデザイナーとのコラボレーションから日本人からは発想されないデザインが生まれるといいます.文化の違いも付加価値の因子になりそうですが空調の世界ではどうでしょう.

河原 一番分かりやすいのは,(TIC内のギャラリーで)見ていただいた中国の真っ赤なエアコン,ヨーロッパのシャンパンゴールドのエアコン,日本の不細工だけど,高性能で高機能なエアコンの違いです.先端技術やグローバルマザーモデル機の開発は日本に集中・集約していますが,現地の文化に合った商品のアレンジ設計は,海外に8つのR&Dセンターを創り,現地でのアレンジ開発を強化しています.これは,現地でやらないと日本でいくら考えても分からないし,日本人が出張で見たって分からないからです.空調でよく言われる違いが,日本人って風に当たるのが一般的に嫌いじゃないですか.その一方で,インド人は冷たい風に当たらないと冷たいと思わない傾向にあるらしいのですね.そうしたことはインド在住のインド人にしか分からないことです.文化に即した現地市場のマーケティングは,やはり現地で現地人がやるべきです.そして,その知識を吸い上げて,日本の母体機をアレンジして設計開発できるような商品を8つのR&D拠点で素早く出していく.根本的に技術や母体機を作り変えないといけないものは,日本にフィードバックし,日本の中でその開発の価値を判断して,必要ならば開発しています.

増田 その現地の人たちというのはマーケティング担当でしょうか.

河原 エンジニアがマーケティングをする場合もあれば,マーケティングのプロの場合もあります.現地の社会習慣の違いから販売ルートがすごく遠かったりするので,我々のグループ会社の現地法人が,直接,マーケットを掴んでいるかというと掴めていなかったりするのですね.国によって全然違うのですけれども,文化以外に商流,商習慣の違いもあります.

エンドユーザーの声の収集についてはますます強化しないといけないところで,日本でも,BtoBでやってきたので,コンシューマーというのは遠いですし,BtoBtoCとか言いますけど,BtoBto...途切れ,みたいな感じもあります.本当の意味のマーケティングとか,顕在ニーズを超えた潜在ニーズの把握・コンセプト立案とかというのは,試行錯誤しているところです.

白肌 より文系的な視点が必要なのでしょうか.

河原 生活科学的な視点であったり,文化人類学的な話であったり,やはり社内のブレストでは出ないキーワードが出てきます.そのキーワードをまだ成果にできていないのが,我々の説得力が未だ足らないところなのですけれども.でもやはり,文系の人を入れてみて初めて,本当にやってよかったなというキーワードが出てきていますね.

弊社の医学系の研究者にこんな話をしていたら,すぐ理解してくれて,要は,エアコンディショナーがヒューマンコンディショナーになるっていうことですよね,と.まさにそうなのですね.空気の温調することも空気調和することも,これは手段であって,やはりエアコンの目的は何かといったら,人の体調を健康,快適にすることです.極論をすれば空気を介さなくても良いわけで,輻射冷房とか輻射暖房なんてそうですよね.結局は,人の健康で快適な温度湿度環境にするということですので.そうすると今までの機械屋さん,材料屋さん,電気屋さん,みたいな箱作りのプロの集まりだけでは難しい部分がたくさんあります.

中村氏(以下敬称略) でもそのあたりが新しい道だと思います.先ほどこう言われました.『個の方向に向かっている』と.別にこれ(空調機)でなくたって構わないのです.突き詰めてみたら,東レが,体に温かい極寒の地に行っても1枚のシャツでいられるものを開発されたら,僕らの出番がなくなってしまう訳です.個人個人にあった空調という言葉,ヒューマンコンディショナーです.空調機じゃないのですよ.

河原 そういう視点で見た時に,照明も重要です.温度と明るさのそれぞれの効果と足した時のシナジー効果は,あるようでやれていないのです.やはり,温度,匂い,明るさ,音,といった五感への刺激です.

増田 ヒューマンコンディショナーという言葉から,コンテクストと価値の関係について思い出しました.空調がヒューマンコンディショナーであった際,どうコンテクストを読み取っていけばいいのでしょうか.

河原 そこはまさに,研究対象なのです.個人差を含めて,例えば,寝る時にどんな温度・湿度がいいのかすら解明されていません.オフィスで,学校で,一番頭の活性度が上がるような温湿度はどこなのかっていうところも解明されていません.個人差も体調による日々の差も大きいですから.ただ,差が大きいから諦めるのではなくて,正解はあるはずなのですよね.相対的には良い環境というのが絶対あるし,その影響は小さくない.だから,そこは価値に転換できると信じています.

伊藤 私は,割合そこは楽観的で,ディープラーニングの知見から,中間層というレイヤーのところに,中間言語になりうるものが出てくると思っています.そこをまた自己組織化みたいなので分けると,然るべき特徴を持った,適切な日本語や英語があるかはどうか分からないですけれど,ある種の言語体系が構成されるのではないかな,という気がします.

写真4 中村技術調査専任部長(右),谷オフィス構想担当(左)

8. 今後の展開について

白肌 今,対象としているターゲットについて教えて下さい.例えば高齢者についてはどう考えていますか.

河原 考えるべき対象にはしています.個人に特化した高付加価値化は,先進国である日本で考えざるを得ません.日本で,環境に価値を求めてお金が払えるとしたら,高齢者か赤ちゃんでしょう.ただ付加価値とそのリターンの価値を考えて,慎重に検討しています.一方,睡眠は問題を持っている人も多く,マイ枕をサイズを測って1万円で買う人もいる世界です.そうした睡眠に悩んでいる方に対して,快眠を提供するのは,温熱環境の影響が大きいので,可能性があると思っています.高齢者を今より健康にすることは,空調の力では難しいけれども,健康年齢を伸ばすという意味では,温熱環境・湿度環境の変化でできることはあるのではないかとみています.その他は,学校やオフィスでの,知的活性度,知的生産性の向上というのも,これまた温熱環境・空気環境の影響が大きいところだと思っています.

白肌 最近は独居老人問題や,在宅での熱中症問題があります.自動的に空調が効いてお医者さんとつながってというようなケアシステムの在り方があるのではないでしょうか.

河原 在り得るはずです.悲しかったのは,電気代がかかるからエアコンは使わない,と言って亡くなっていることです.昔の人にはエアコンを付けたら電気代が高いというのが“常識”だからかもしれません.また最近の興味深いデータとしては,ヒートショック死の数が年間1万人を超えていて,交通事故死よりも多いことです.高齢者の方が多いのですが,脱衣所の温熱環境をなんとかすれば防げる話です.これ自体は,普及と低コストが大事なところですが,そうした温熱環境だけでなくて,見守りサービスにも,エアコンのポジションやネットワーク性を活かして,他の家電製品でやるより,エアコンでやった方が優位なことがたくさんあるのじゃないか,という見方もあります.ただ,見守りとなるとカメラを嫌がるじゃないですか.心理学的な話だとか,監視されても嫌がられない撮影の方法などまで深く考えて,いいソリューションを出していかなければなりません.やはり,場所の優位性,システムの優位性,プラットフォームとしての可能性というのは十分あると感じています.

中村 やはり人間ですよ.人間中心じゃないといけません.

河原 人間工学であったり,医学であったり.昔,我々が入社したころは機械メーカーでした.今はもう電気機械なのですね.だから,機械から電気に移る時,電気の人が弱いので,電気の人を数多くキャリア採用で採って,ダイキン電子大学とか作ってやっていたのですね.次はやはり人の研究です.だから,医学の人も増やしたいし,ヘルスケアの人も増やしたい.医学系のことをどんどん強くしたいのだけれども,ここでこうやって通じる話を,社内で説得していかなければなりません(笑).経済活動も最後は人に帰着します.本当にみんながお金を使おうと思ってモノさえ買えば,景気なんてなんぼでもよくなるはずだと思います.

白肌・増田 大変,参考になりました.有難うございました.

識者紹介

  • 河原 克己

ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター 副センター長.

  • 伊藤 宏幸

ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター リサーチ・コーディネーター.名古屋大学工学部航空学科卒業後,1982年入社.DAIKIN U.S. Boston Technology Office所長等を経て2015年より現職.大阪大学超域イノベーション博士課程プログラム招へい教授.東京大学人工物工学研究センター客員研究員.

  • 中村 信

ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター 技術調査専任部長.定年以前はモノ(機械系)創り,定年以降はTIC準備(技術調査)に従事.

著者紹介

  • 白肌 邦生

北陸先端科学技術大学院大学准教授.博士(学術).2009年JAISTの助教を経て2012年より現職.2010年にはテキサス州立大学マーケティング研究科にて客員研究員.持続可能性や豊かさをテーマにしたサービス研究(Transformative Service Research)に従事.

  • 増田 央

北陸先端科学技術大学院大学 助教.博士(経済学).京都大学大学院修了後,現職.主に,サービスにおけるコンテクストを考慮したコミュニケーションと評価に着目し,メタモデリング・アプローチによるサービスコミュニケーションベースの構築に関する研究に従事.

 
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