Serviceology
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Special Issue: "MaaS (Mobility as a Service)"
Automated Driving and Demonstration Evaluation for Social Implementation of Last-Mile Mobility Services
Shin Kato
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2019 Volume 6 Issue 3 Pages 22-28

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1. はじめに

人の生活のうえで,人や物の移動は非常に重要であり,移動を支える交通機関としては,個人の移動から公共的な移動,大量や高速な移動など,要求に合わせた様々な移動手段が生み出され,身近に利用されており,それらを用いた移動サービスが発展している.

近年,日本の交通社会や交通機関は多くの課題を抱えている.少子高齢化や地方の過疎化が進み,人手不足や財政難などから交通機関の維持が難しくなり,鉄道やバスなどの廃線や路線縮小などが行われてきている.物流においても,通信やネットワークでの販売が浸透し,小口の物流が大幅に増えたことで,人手不足が大きな問題となっている.また,高齢ドライバーによる交通事故も増加している.そのため,高齢過疎地や交通弱者などのための安心,安全な移動手段の確保が重要な課題となってきている.

最近,移動サービスに関してMaaS(Mobility as a Service:マース)という言葉を見聞きすることが増えている.このMaaS とは,ICT を活用して交通をクラウド化し,公共交通か否か,またその運営主体にかかわらず,マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとしてとらえ,シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念である(露木 2018).ただし,MaaSの内容や範囲などの明確な定義は無く,移動に対するより最適なサービスを提供しようとする試みとして,日本版MaaSには,前述のような交通社会の課題解決も含めた期待があり,注目されている.

最近,もう1つの注目されている言葉に,CASEがある.自動車業界に大きな改革をもたらすといわれているが,このCASEは,「Connected:接続性」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:共有化/サービス化」「Electric:電動化」の4つの頭文字をとったものである.これらMaaSとCASEの取り組みは,今後の交通社会や移動サービスに大きな変化と影響を与えるものと考えられる.例えば,人手不足解消やコスト削減(特に運転手の人件費)などに対し,少人化,省人化の1つの解決手段としての自動運転技術を活用した新たな移動サービスに期待が高まっている.移動サービスの無人化では,運賃収受が問題となるため,MaaSの例で良くあげられる,自宅から目的地までの移動をスマートフォンなどで一括して検索,予約,決済ができる仕組みの導入が,不可欠と考えるからである.

本稿では,日本の交通社会の課題を概観し,特に移動サービスに対する自動運転への期待や普及発展シナリオ,自動運転のシステム構成と技術について述べる.また,自動運転移動サービスの実現に向けた取り組みとして,筆者が中心に進めているラストマイル自動走行の実証評価のプロジェクトを紹介する.

2. 日本の交通社会の課題

日本の交通社会には現在,多くの課題があり,課題先進国ともいわれている.ここでは,そのうち,交通事故の傾向と対策,地方での自動車への依存の高さや交通手段の確保の難しさについて概観する.

2.1 交通事故の傾向と対策

2019年の交通事故の発生状況をみると,発生件数は43万601件(前年比-4万1,564件,-8.8%),死者数は3,532人(同 -162人,-4.4%)であり,減少傾向が続いている.しかし,近年,65歳以上の高齢ドライバーの事故が大きな問題となっており,重大事故につながるケースも少なくない.図1に,高齢者の運転免許保有数者数及び死者数の推移を示す.このグラフでは,平成20年(2008年)を100とした場合の10年間の変化を見ることができる.2018年に交通事故死者数は78と減少している中で,高齢者の運転免許保有数は,人口の増加割合よりも大きく増加し,また,高齢ドライバーの運転中の死者数は110と明らかに増加傾向である.超高齢社会の日本では,高齢ドライバーへの安全対策が喫緊の課題といえる.

高齢ドライバーといっても個人差があり,一概に年齢で区切ることはできないと考えるが,加齢と共に身体的な衰えや視野が狭くなることなどが運転に影響するといわれている.技術により運転を支援するシステムの開発も進んでおり,高齢ドライバーの事故で,特に多くなっている「ペダルの踏み間違い」に対しては,ペダルの踏み間違い加速抑制装置や,アクセルとブレーキを一体化した装置などがすでに市販化されている.注意喚起看板の設置による「逆走」の抑止などもあり,対策は,技術開発だけではなく,多様であることがわかる.高齢者に運転免許証の積極的な自主返納を呼びかけることも対策の1つといえる.

図1 高齢者の人口,運転免許保有者,死者数の推移(警察庁交通局 2018

2.2 自動車への依存,移動手段の確保

図2には,人口密度と自動車利用割合を示す.人口密度が大きい都市ほど,自動車(運転・同乗)の利用割合が小さい傾向にあり,公共交通利用率が高いといえる.約5年毎に同様の統計がなされているが,これまでの結果から,人口密度が低いほど,自動車利用率が高く,その経年増加スピードも速いということがわかってきている.地方の高齢者にとって,車は移動のために無くてはならないものとなっており,公共交通網が発達していない地方において,免許返納が進まない理由は明白である.警察庁の平成27年のアンケート調査によると自主返納をためらう理由には,実に68.5%が「車が無いと生活が不便なこと」をあげている.しかし,これを逆手にとれば,生活に不便を生じさせないような,高齢者が運転しなくても済むような移動サービスを充実させることが,交通社会の課題に対する解決策の1つとなると考える.

しかし,地域の移動手段の1つである乗合バスの収支状況(日本バス協会 2017)についてみると,総事業者数に対する赤字事業者数は,大都市部では22/74(29.7%)であるのに対し,その他の地域は122/166(73.5%)で,全体でも160/240(66.7%)と,7割近くが財政難であることがわかる.さらに,バス事業者は,慢性的な人手不足であるといわれており,今後,路線の維持が困難となる事業者が増加するとみられている.

このように交通社会の課題が山積する中で,解決手段の1つとして期待されているのが,自動運転技術を活用した移動サービスの実現である.

図2 人口密度と自動車利用割合(国土交通省都市局 2015

3. 自動運転への期待

自動運転に係る社会的期待としては,人間よりも安全で円滑な運転ができることや,ドライバーの負担を軽減できることなどの自動運転車両の特性があげられる.死亡事故発生件数の大部分(90%以上)が「運転者の違反」に起因するとされている中,自動運転の導入で新たな事故の発生の可能性もあるが,その確率はかなり低いとされ,安全に対する期待は大きい.さらに,高齢者の交通事故,交通マナーの問題,地方における移動手段不足,物流業における運転手不足等,先にもあげた様々な交通社会の課題解決に貢献すると考えられている.政府としても,課題解決と共に「豊かな暮らし」を生み出すことを期待し,新しい生活の足や新しい移動・物流手段を生み出す「移動革命」と位置づけると共に,世界的な開発競争に勝ち,日本の自動車産業が引き続き世界一になることに,積極的に取り組んでいくとしている(八山 2018).

3.1 自動運転のレベルと普及発展のシナリオ

自動運転にはレベル分けがあり,表1に示すようにレベルにより対応主体(責任)が異なっている.現在,市販化されている自動運転はレベル2までであり,完全自動運転のレベル5の実現は,制度整備も含めてまだ先とされている.

図3に,自動運転の進化プロセスと解決課題目標を示す.この図では,物流/移動サービスとオーナー・カーについては,それぞれ進化のプロセスが異なっていることが示されている.限定領域での自動運転であるレベル4での移動サービスの実用化が最も早いといわれ,日本ではIT企業やベンチャー企業が新たに参入すべく開発を盛んに行っている.対して,多くの自動車メーカーでは,運転支援システムの開発の流れもあり,オーナー・カーを対象とした開発を重視しつつ,移動サービスを意識しながら進めているようである.

図4には,政府目標のロードマップとして,普及シナリオと市場化期待時期を示す.2025年の完全自動運転を見据えた市場化・サービス実現のシナリオであるが,限定地域での無人自動運転移動サービスを2020年までに実現する目標が掲げられている.ただし,法整備に関しては,2019年5月に自動運転のレベル3(条件付き運転自動化)の車両が公道を走行するときのルールを定めた「改正道路交通法」と「改正道路運送車両法」が成立し,2020年に施行されるところである.レベル4については,これから制度整備ということになる.

表1 自動運転レベルの定義(内閣官房IT総合戦略本部 2018
図3 自動運転の進化プロセスと解決課題目標(内閣府SIP 2018
図4 2025年完全自動運転を見据えた市場化・サービス実現のシナリオ(内閣官房IT総合戦略本部 2018

3.2 自動運転のシステム構成と技術

人が自動車を運転するには,認知,判断,操作が必要であるが,自動運転技術は,これをシステムに置き換えたものであり,図5にレベル3以上や移動サービスを含めたシステムの構成例を示す.

まず,認知部分では,周囲環境の認識と自車位置の認識が最も重要である.周囲認識には,車両や人の検知や周囲との距離計測などのために,カメラやLidarが主に用いられており,車載センサーの開発競争が激化している.自動車の走行環境は,天候や照度などの変化が大きく,一種類のセンサーでは,すべての状態に対応することが困難である.そのため,多種のセンサーの組み合わせが行われている.次に自車位置認識には,走路との相対位置と地図上の絶対位置の認識が必要である.例えば,カメラによる白線認識とGPSによる地図上の位置認識などがあげられる.GPSに頼らず,3D-Lidarなどを用いて自己位置推定と環境地図作成を同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術も使われることが多い.さらに,路側に磁気マーカーや電磁誘導線を埋設することで,走路との相対位置を確実に計測する手法なども用いられている.しかし,それぞれの手法には一長一短があり,環境に合わせて,こちらでも組み合わせなどで信頼性を向上することなどが行われている.

次に判断部分であるが,シーンやルールを理解し,行動やリスクを予測し,経路,行動などを計画していく頭脳部分となる.車両の周辺状況は多様であり,リスクも様々に変化することが考えられるため,近年,人工知能(AI)を用い,学習などに基づく判断機能の開発が進んでいる.ただし,AIが不得意とされる想定外の入力に対する対策は必要である.

操作部分では,基本的にアクセル,ブレーキの速度制御と,ハンドルの操舵制御を,アクチュエーターを用いて行うことになる.制御は,機械式ではなく,エックスバイワイヤ(X-By-Wire)技術による電子制御が一般的で,さらに,駆動は内燃機関よりも電気モーターの方が制御反応に優れるため,自動運転の制御に向いている.CASEの「E」にあたる電動化は,車両を自動運転化し易くする効果もある.

図5の中段に,ドライバモニタやドライバー状態認識,HMI(Human Machine Interface)などを記載してあるが,これは,レベル3でのドライバーへの権限移譲などの機能を想定したものである.システムだけで対応するレベル4,レベル5よりも,ドライバーとの接点があることで,認知や判断部分に,センサーや認識機能必要となり,より複雑になる.また,レベル3,レベル4では,ODD(Operational Design Domain:運行設計領域),MRM(Minimal Risk Maneuver:最小リスク対策)を明確にすることが求められており,さらに,レベル3ではTOR(Take-Over Requests:権限移譲要求),DDT fallback(Dynamic Driving Task fallback:動的運転タスク縮退運行)をどのように設定,整理するのかが課題となっている.

さらに,図5の下段には,移動サービスに特有の必要技術として,車内安全の確保をあげている.通常,バスなどの運転手が対応しなければならないものである.無人自動運転移動サービスを実現するうえで,レベル4の車両では,これも自動化が必要で,さらに乗り降りの完了判断や自動発進を行う機能も必要となる.また,運賃の収受についても,無人化に対する大きな技術課題である.MaaSのサービスを取り入れることやキャッシュレス化の対応が可能となると思われる.

右下には,車外システムとして遠隔制御を記載しているが,これは,遠隔型自動運転システムにより,ドライバーや監視者が遠隔にいることを想定したものである.これにより,車内にドライバーがいない状態での運行が可能である.また,遠隔型自動運転では,1名のドライバーが複数の車両を運行することも想定されており,これにより省人化を図ることができるようになる.

図5 自動運転システムの構成要素例(含むレベル3以上,移動サービス)

4. 社会実装に向けた取り組み

自動運転移動サービスの実現に向けて,これまで国内外で様々な実証実験が行われている.しかし,公道での事業化には,技術的な問題だけでなく,様々な課題がある.ここでは,日本の実証実験の状況と,筆者がプロジェクトリーダーを務めるラストマイル移動サービスに関する実証評価のプロジェクトについて紹介し,社会実装に向けた現状と課題を述べる.

4.1 日本全国での実証実験

図6に,2018年以降の日本における主な自動運転実証実験を示す.あげられている33件の実証実験のほぼすべてが,自動運転の移動サービスの実証実験であり,うち,公道での実証が28件である.自治体や地域を含めた期待の大きさをうかがえると共に,単にデモ的な技術検証だけでなく,事業化を見据えた1か月以上の長期実証が行われていることがわかる.

図6 日本における主な自動運転実証実験(2018年以降)(内閣官房IT総合戦略本部 2019*番号は振りなおし

4.2 ラストマイル自動走行の実証評価

ここでは,実証実験の1つとして,経済産業省および国土交通省が2016年度から開始した「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業」のうちの「専用空間における自動走行等を活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」のプロジェクトについて紹介する.これは産総研が受託し,企業,大学,自治体などと推進しているものである.

4.2.1 プロジェクト概要

「端末交通システム」とは,基幹交通システム(鉄道など)と自宅や目的地との間,地域内といった短中距離を補完する次世代の交通システムのことで,ラストマイルモビリティとも呼ばれる.本プロジェクトでは,このようなモビリティに自動運転技術を活用したシステムを開発し,実地域での実証を通して,高齢過疎地や交通弱者の交通手段,人手不足解消,コスト削減,地域の活性化等の地域の諸課題の解決事例を示し,社会実装までの道筋を明らかにすることを目的としている.図7に端末交通システムのイメージを示す.

プロジェクトの特徴は,以下の4つの目標を掲げて進めている点である.

  • ①   自動運転技術の確立
  • ②   事業性(ビジネスモデル)の明確化
  • ③   社会システム(責任や法制度)の確立
  • ④   社会受容性の醸成

これらのバランスを重視してシステム構築と実証を行うことで,事業化の最先端を目指している.これは,技術的に最先端であっても,コストや信頼性,耐久性が事業化に見合わなければ,社会実装は難しい.また,実運用を想定した責任や法制度が整備されなければ,実証実験の先に進めない.さらに,地域や利用者,運行事業者の受容性が高くなければ,移動サービスが成り立たない.社会受容性を醸成することは事業性を高めることになる.実地域での実証評価により,現地適合がなされ,社会実装が進むと考えられる.

本プロジェクトでは,端末交通システムの導入が想定される場所や事業性などを考慮して,図8に示す電動カートと小型バスをベースとした自動運転車両の開発を進め,地域の利用実態に対応できるようにしている.自動運転電動カートは,ゴルフカートの電磁誘導線を用いた自動運転技術を基に自動ブレーキ機能や遠隔監視・操作の機能を付加したものである.自動運転時の最高速度を12㎞/hとする低速の車両となるが,GPSやカメラ等による位置認識と地図による自動運転が困難な山間部や積雪地域などでの活用に耐えうるもので,実績による実用性の高さから採用している.

自動運転小型バスは,地図とGPSの位置情報を基に決められた経路を自動運転するもので,実証では最高速度40㎞/h程度の走行を行っている.本事業の正式な名称が長いため,実地域での実証評価については,「ラストマイル自動走行の実証評価」としている.

図7 端末交通システムのイメージ図
図8 左:自動運転電動カート(スマートEカート)と右:自動運転小型バス(先進モビリティ㈱)

4.2.2 実地域での実証評価

プロジェクトでは,2016年に実証を行う地域を公募し,33の応募の中から,以下の4つを選定し,これまで地域での実証評価を行ってきている(加藤 2018a, 2018b).

自動運転電動カートを用いる地域には,過疎地モデルとして福井県永平寺町(応募:永平寺町,福井県:廃線跡地利用),市街地モデルとして,石川県輪島市(応募:輪島商工会議所:電動カート実績あり),観光地モデルとして沖縄県北谷町(応募:北谷町役場:電動カート実績あり)の3カ所を選定している.自動運転小型バスを用いる地域は,コミュニティバスモデルとして,茨城県日立市(応募:日立市役所:廃線跡BRT路線の活用(BRT: bus rapid transit, バス高速輸送システム))の1か所を選定している.

2018年度における実証評価の主な内容と成果を以下にあげる.図9図10に実証の様子を示す.

  • ●   1か月程度の長期実証:永平寺町(10/29~11/30)と北谷町(1/15~2/12)において,地域事業者が運行して実証を実施.
  • ●   地域事業者による実証:輪島市(2/12~2/17)において地域イベント(地域活性)に合わせたサービス実証を実施.
  • ●   将来の自動運転バスの運用を見据えたサービス技術やインフラ側センサーとの連携を含めた総合的な実証:日立市(10/19~10/28)において地域バス事業者が運行して実証を実施.
  • ●   遠隔ドライバー1名が2台の車両を運用する遠隔型自動運転の公道実証:永平寺町(11/19から開始)において,世界初の実証を実施.2台約200㎞試行.

特に,ドライバー不足解消やコスト削減に資する少人数で複数台の運用に先駆けた実証は重要と考える.

これらの地域実証で,多くの方が関心を持って試乗していただき,約8割の方が安全性,実現性に高い期待感を持たれていた.また,車両と周辺技術等の有効性を確認し,運用試行により改善すべき課題を把握している.2019年度は,実用化見込みや持続可能な地域を厳選し,6か月程度の長期の移動サービス実証を6月末から順次行っている.さらにレベル4での運用に向けた開発と実証,また,乗員数を増やした中型自動運転バスの開発と実証を進めている.

図9 地域実証の様子(左上:永平寺町,右上:北谷町,左下:輪島市,右下:日立市)
図10 遠隔ドライバー1名が2台の車両を運用の様子

5. おわりに

本稿では,日本の交通社会の課題解決に資すると考えられる自動運転技術を活用した移動サービスの期待や実現へのシナリオ,社会実装に向けた実証評価のプロジェクトなどを紹介した.2019年6月には,自動運転移動サービスにおける事業者の安全確保などのガイドライン(国土交通省自動車局 2019)が出され,事業化に向けた整備が進んでいる.事業化に対しては,採算性が重要である.移動に付随するサービスとして,例えば,観光や飲食の案内や予約,決済などをMaaSにより追加することや,移動手段としての利用にとどまらず,警備や広報手段も含めるなど,付加価値を如何に合せ込んで運用するかが,社会実装へのカギとなると考えている.

著者紹介

  • 加藤 晋

国立研究開発法人 産業技術総合研究所,首席研究員.1994年3月 明治大学大学院博士後期課程修了 博士(工学).科学技術特別研究員を経て,通産省工技院機械技術研究所入所,2001年に組織改編により,産業技術総合研究所,主任研究員,研究グループ長を経て,2018年より現職.フィールドロボットや自動車の運転支援,自動運転の研究開発に従事.

参考文献
  •   加藤晋 (2018a).安心・安全に移る-交通弱者への移動手段の確保-,自動車技術会関東支部報:高翔.
  •   加藤晋 (2018b).自動運転による端末交通システムの社会実装に向けて~ラストマイル自動走行の地域実証評価~,第36回日本ロボット学会学術講演会予稿集.
  •   警察庁交通局 (2019).平成30年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について,44.
  •   国土交通省 (2019).限定地域での無人自動運転移動サービスにおいて旅客自動車運送事業者が安全性・利便性を確保するためのガイドライン.
  •   露木伸宏 (2018).MaaS (モビリティ・アズ・ア・サービス) について,国土交通政策研究所報第69 号2018 年夏季,2-7.
  •   内閣官房IT総合戦略本部 (2018).官民ITS構想・ロードマップ2018.
  •   内閣官房IT総合戦略本部 (2019).官民ITS構想・ロードマップ2019.
  •   内閣府SIP (2018). 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第二期 自動運転(システムとサービスの拡張)の研究開発計画.
  •   日本バス協会 (2017).バス事業の現状について,国土幹線道路部会資料.
  •   八山幸二 (2018).政府による自動走行への取組み.「自動走行の民事上の責任及び社会受容性に関する研究」シンポジウム資料.
 
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