Shinzo
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
Metabolic syndrome and risk of atrial fibrillation: The Niigata Preventive Medicine Study
Hiroshi Watanabe
Author information
JOURNAL FREE ACCESS

2011 Volume 43 Issue 2 Pages 241-246

Details
Abstract

心房細動は日常臨床において最も頻繁に遭遇する不整脈である. 心房細動は脳梗塞や心不全をきたす. 心房細動は進行性であり, いったん発症すると次第に頻度と持続時間が増加して最終的に持続化する. 心房細動の再発予防は困難であり, 心房細動の新規発症を抑制することが望ましいため, リスクファクターの同定とそのコントロールは, 非常に重要である. 現在までに報告されている高齢, 男性, 高血圧, 肥満, 糖尿病といった多くの心房細動のリスクファクターは, 動脈硬化性疾患のリスクファクターとしてよく知られており, 炎症や酸化ストレスといった共通した病因の存在が推察される. そこで, われわれは新潟県の健診データを解析し, メタボリックシンドロームが心房細動の新規発症のリスクファクターであることを同定した. また, この検討でHDLコレステロールの低値が心房細動のリスクファクターであることが初めて明らかとなった. 心房細動発症の予防のためには, さまざまな生活習慣病のマネージメントの重要性が示唆された. メタボリックシンドロームの改善は動脈硬化性疾患の予防に加えて心房細動の発症予防においても重要である可能性がある.

Content from these authors
© 2011 Japan Heart Foundation
Previous article Next article
feedback
Top