Shukugawa Gakuin College bulletin of college educational research
Online ISSN : 2433-7552
Print ISSN : 1883-5996
:Love: and :truth: in the Bible
Susumu Higuchi
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RESEARCH REPORT / TECHNICAL REPORT OPEN ACCESS

2019 Volume 2019 Issue 13 Pages 3-8

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 夙川学院に短期大学が設置されたのは、1965 (昭和40)年1月25日であり、同年4月20日に開学式を挙行して、教育が開始された。このとき、短大の教育理念は特には定められなかったが、戦後夙川学院が教育理念とした「キリスト教精神」は前提であったようである。しかし、礼拝とかキリスト教の授業科目を配置するということはなかった。ただ、入学式や卒業式が礼拝形式で行われ、またクリスマス行事などもあり、ここにわずかに「キリスト教精神」が生きていたと言うことができる。『九十年史』には、二代目学長の高木俊蔵の文として次のように記されている。「夙川学院は古くから宗教的情操教育を重視し、短大も創設以来この伝統を守ってきた1。」そして、短大の「教育理念」としては、1980 (昭和55)年に次のように定められた。すなわち、「愛と誠実」「清新な学識」「清楚にして優雅」である。これは、短期大学 教授の増谷くらの提案をもとにして専門委員会、教授会で検討したものということである2。『百年史』には、次のようにある3。「第一項では女性といわず、人間として基本的に求められる項目が述べられ、第二項では、教養豊かにして、専門とする学識に秀で、技能に熟達した女性が、社会の発展に寄与することを願い、短期大学が教授するものは、諸学•技術の基礎から、現代におけるその展開•応用に至ることを示唆している。そして学生が、自発的に研鑽し、探究心 を深めてくれるように願っているのである。第三項では、本学の学生が歴史と伝統に育まれた夙川学院の構成員としての自覚と誇りを持って、しかも学生らしく清楚であって、言動優雅であることを希求しているのである。」この中で、第一項の「愛と誠実」に関しては、夙川学院が戦後教育理念としたキリスト教思想を反映したものと思われる。イエス•キリストは、最も重要なこととして、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」ということと、「隣人を自分のように愛しなさい」ということを教えた(マタイによる福音書22:37-39、マルコによる福音書12:29-31)。また、イエス•キリストは、「正義、慈悲、誠実を最も重要なこととして行うべきだ」と教えている(マタイによる福音書23:23)。以下、聖書において「愛」と「誠実」がどのように言われているかについて検討したい。

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