2018 Volume 11 Issue 2 Pages 55-68
明治15年(1882年)の設立以降、地質調査所は日本国内の地質図幅の整備を行ってきた。現在、この業務は産総研地質調査総合センターに引き継がれている。この論文では地質調査総合センター(地質調査所)における地質図幅整備の歴史を振り返り、全体計画の変遷を概観する。全体計画は図幅整備の全体シナリオと見ることができる。さらに、地質図幅作成の実例を紹介し、地質図幅の作成における個別シナリオについて述べる。個別シナリオに従い研究要素は統合され、地質図が作成される。個別シナリオは地域地質に強く依存する。5万分の1地質図幅は地質調査総合センターで整備する最も基本的な地質図である。全体シナリオと個別シナリオの視点から5万分の1地質図幅整備を論じた。