Tetsu-to-Hagane
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Review
Coal Utilization Technologies for Improvement of Coke Strength Control
Takashi ArimaSadayoshi AizawaSeiji Nomura
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2014 Volume 100 Issue 2 Pages 110-117

Details
Synopsis:

Coking coal necessary for cokemaking process is exhausted in progress; increasing the ratio of non- or slightly-coking coal is required. However, non-or-slightly coking coal causes a lot of structural defects in the coke lump and decreases coke strength because of its low dilatation and high shrinkage.

For increasing the ratio of non- or slightly-coking coal, pre-treatment technology of coal such as the coal size control, increasing the coal bulk density and the rapid preheating reforming etc. have been developed and a new cokemaking process SCOPE21 that consists of those technologies have already started and high quality of coke is produced using over 50% of non- or slightly-coking coal. In addition, knowledge of coke structure formation mechanism and degradation mechanism of coke were remarkably developed.

This paper reviews the past research on coal utilization technologies, carbonization mechanism and coke structure and degradation behavior of coke, and describes future direction of research and development for increasing the ratio of non- or slightly-coking coal.

1. はじめに

コークス炉の変遷を見ると,原始的な野焼から,ビーハイブ炉を経て室炉式コークス炉が出現している。ビーハイブ炉はイギリスで興ったが,下村明によると,それがドイツに移植されたとき,ルールのビチューメンの少ない低揮発分粘結炭では高品質のコークスが得られなかったため,室炉が開発されたとされている1)

なぜビーハイブ炉でよいコークスが出来なかったかは明記されていないが,ビチューメンが少ない石炭という表現から,一般には,加熱速度が低いビーハイブ炉では,石炭粒子の粘結が十分でなかったと解釈されているようである。しかし,もうひとつの解釈として,ビーハイブ炉では石炭充填層の膨張が十分拘束されず,膨張圧の高い低揮発分粘結炭では石炭が自由膨張して石炭粒子がよく粘結しなかったことも考えられる。

いずれにしても,ドイツの石炭に適したコークス炉をということで室炉が開発されたが,初期の室炉は比較的薄い石炭層を炉底から加熱する方式であったので,できたコークスは脆弱で製鉄用としては使えなかったとされている。しかし,1860年頃以降,炉幅が狭く比較的炉高の高い炭化室を築き,その両側から加熱することが始められてから室炉は軌道に乗ったと下村は述べている1)。炉壁により石炭の膨張が拘束されたことが室炉の成功の一因であった可能性がある。

このように,コークス炉の発展過程では,その地域で産出する石炭を使用して必要な特性のコークスを製造できるプロセスが開発されてきたとされている。日本にコークス炉を導入するとき,日本炭に最も適した炉を得るためにドイツに試験を依頼したとも言われているが2),その結果が出ず,当時最新の室炉(およびビーハイブ炉)が導入された。しかし,日本炭では十分よいコークスが出来なかった。その結果,後には日本炭を原料とする成型コークス製造法等の新しいプロセスの開発も行われたが,我国においては,欧米と異なり,石炭配合技術が大いに発達することとなった。具体的には,中国炭などの低揮発分粘結炭の配合が行われ,またさらには,コーライト(石炭の低温乾留物)の配合なども試みられた。

Noroは,1915年に,「本邦の石炭は瓦斯分に富み,骸炭を製する際著しく収縮するを以て裂罅(ひびのこと,筆者注)を生じ,為にその質脆弱なるもの多し」とし,さらに,「之をして堅硬にして能く製鐵用に供し得べきものとするの法あり,即ち此の如き石炭に調合するに長崎縣,徳島縣等より産出する極餅質の特異なる石炭(高石炭化度粘結炭を指すか,筆者注)若くは天草等より出づる無煙炭を以てするにあり」と述べている3)。これは石炭配合技術の本質を看破している。

2. 石炭配合技術

戦前,日本炭から高強度のコークスを製造することが技術者の課題であった。日本には強粘結炭の産出はほとんどなく,石炭化度の低い,いわゆる弱粘結炭が多い。これらは,膨張性の高いものでも乾留により生成するコークスのドラム強度指数4) DI3015あるいはDI15015は低い5)。これはコークスに亀裂が多いからであり,もし強度指数として亀裂の影響の小さいマイカム強度指数6) M10などを用いていたら,強度指数はやや低い程度であるが,コークス粒度が小さいという評価になっていた可能性もあるが,DI3015指数を用いていたため,強度が低いと認識された。

この低強度指数の原因を究明するため,弱粘結炭ならびに強粘結炭をピリジン抽出して粘結成分を除いた残渣に同一のピッチを加えて急速乾留したコークスの圧縮強度を比較したところ,弱粘結炭からのコークスは強粘結炭からのコークスよりも強度が低いという結果が得られた7)。この結果から,弱粘結炭からのコークスは基質の強度が低いと結論された。また,その対策として,弱粘結炭に0.3mm以下の粉コークスを添加して乾留すると,ドラム強度指数が向上することが見出され,粉コークスにより弱粘結炭の強度が補強されるとされた7,8)

弱粘結炭抽出残渣からのコークスの強度が低かったのは,亀裂が多かったか,あるいは,気孔率が高かったのが原因で,粉コークス添加は亀裂や気孔の減少に寄与したのではないかと推察されるが,以降,軟化することに加えて,石炭化度が高いことが高強度コークスの製造に必要であると考えられるようになった。

この考えから,石炭化度と流動性によるMOFダイヤグラムが考案され,コークス強度推定や原料炭の評価に活用された9,10)。また,その前に,アメリカで,タンブラー試験11)の体積破壊の影響の大きい指数Stability factor(25mm以上の歩留)を推定するために考案された石炭組織分析によるSIとCBIのパラメーター12)も,石炭化度と熱軟化性を表すもののひとつと解釈されて導入された。

石炭が流動性や膨張性を示す温度域は炭種により異なっているため,異なる石炭を配合した場合,流動度や膨張率に加成性がない。この現象を炭種間の相互作用として定量評価し,配合炭のコークス強度推定の精度を向上させることも試みられた13)

これらの技術は,石炭粒子は軟化しさえすれば必要な程度の接着強度が得られることを暗黙のうちに前提としている。これに対し,軟化するだけでは不十分であり,膨張することが石炭粒子の接着に必要であるという考えがしばしば提起された14)

このような考えから,乾留モデルにより気孔率と基質強度を推定し,さらに多孔材料の引張強度式を応用するとともに,石炭粒子の膨張による粒子間空隙の充填率を評価してコークス強度を推定するコークス強度指数推定法(Fig.1)が開発された15)。また,コークス強度試験における粉化を表面破壊によるものと体積破壊によるものに分離し,表面破壊については,石炭粒子の膨張による空隙充填度が低いと連結気孔などの欠陥が生成しやすく強度指数が低下するという考えに基づいた推定法も提案された16)

Fig. 1.

 Flow of coke strength estimation.

3. コークスの粉化機構と石炭の乾留機構

3・1 コークスの粉化機構

回転強度試験でのコークス粒度分布の変化については,古くより研究されており,例えば,体積破壊速度は初期に大きいが回転数の増加とともに次第に低下し,回転数の多い領域では表面破壊が主になること17),微粉を除いたものの粒度分布がRosinRammler分布になること18)などが報告されている。また,イギリスのBCRA(The British Carbonization Research Association)において,回転強度試験による粒度分布の変化などについて詳細な実験的検討が行われているが19,20,21),体積破壊生成物と表面破壊生成物とが混在しているものを一括して取扱っているため複雑である。

コークスの粉化において,体積破壊と表面破壊とが並行して起っている(Fig.2)ことは古くから認識されてきたが,このことを明確に述べたのは,コークス粒度分布の二成分性を指摘したWallach and Sichel22)が最初であると思われる。高炉用コークスの粒度分布は,コークス粒度50mm前後にピークを持つ粗粒成分と10mm程度以下の微粒成分とからなっており,これらは,粉砕の分野でいう遷移成分と固有成分に対応し,それぞれ,体積破壊と表面破壊で生成したものと考えられる23)

Fig. 2.

 Schematic diagram of coke degradation.

粗大亀裂を除いたコークスの構造は,基本的には,1~0.1mmオーダーの寸法の気孔とそれを囲む気孔壁とからなっている。さらに,その気孔壁の中に,0.1mmあるいはそれ以下の寸法の気孔が生成しており,一種のフラクタル的な構造になっている。従って,粉化後のコークスの粒度分布は非常に複雑である24)

コークスは脆性材料と考えられ,破壊は欠陥を起点として起り,破壊強度は材料の物性と欠陥寸法により支配されると考えられる。破壊の原因となる欠陥の特定がまず重要である。

塊コークスは,表面には必ずしも現れていないが,内部には縦亀裂(炉壁に垂直な亀裂)が通常存在している。また,横亀裂(炉壁に平行な亀裂)も見られる。これらはいずれも10mm程度以上の長さを持っている。コークスが衝撃によりこれらの亀裂から体積破壊を起すことは容易に観察される。

表面破壊の原因となる小亀裂として,顕微鏡などで観察して認められるのは,イナート粒子に起因するものである。石炭は再固化してセミコークスとなった後も熱分解を続けるため収縮するが,イナートは他の組織より水素含有量が少く炭素化が進んでいる25)ため,乾留過程においても熱分解量が少く,収縮率が小さいと考えられる。このため,周囲の組織に歪を生じて亀裂が発生する。あるいは,イナート粒子内の亀裂やイナート粒子と周囲の接着面での剥離による亀裂が発生する。この亀裂の影響を減少させるため,石炭の粒度調整が有効である26)

また,石炭軟化過程で生成する非接着粒界や連結気孔も欠陥となりうると考えられる27)

3・2 石炭の乾留機構

3・2・1 石炭の軟化挙動

冶金用コークスはコークス炉で粘結炭(乾留すると粉でなく塊になる石炭,caking coal)を乾留して製造される。粘結炭を乾留すると,石炭有機物の熱分解反応が起るが,それに伴って様々な物理現象が起る。400°C前後から石炭が軟化し,気泡ができて膨張する。500°C前後で再固化し,多孔質の塊が形成される。ここまでの過程でコークスの気孔構造が決定される。それ以降も引続いて起る熱分解によりコークスは収縮してより緻密な構造になる。

石炭乾留過程で,粘結炭粒子は,発生ガスの粒子外への拡散が発生に追いつかず,ガス濃度が限界を超えると気泡が生成し膨張する。石炭を自由膨張させた場合,石炭特性と加熱条件によって決るある一定の膨張率まで膨張する。この膨張率は,それ以上膨張すると気泡膜がその延性の限界に達して破裂して膨張率が低下することにより決っていると考えられ,石炭を自由膨張させると,気泡が破裂して連結気孔が生成する28)

コークス炉のような一定容積での乾留においては,石炭粒子充填層は全体としては膨張できず,膨張粒子は粒子間空隙を充填する29,30)。これにより石炭粒子は相互に全表面で接触し,接着する。膨張率が低く,粒子間空隙が完全に充填できない場合は,非接着粒界が残る。このような場合,石炭粒子は,その周囲に空間が残っており,膨張を拘束されず,自由膨張状態となる。このため気泡が破裂し,粒子内に連結気孔が生成(Fig.3)する27)

Fig. 3.

 Process of coke pore formation.

非接着粒界や連結気孔は欠陥とし作用してコークスの粉化の原因になると考えられる。非接着粒界を生成させないためには,石炭は,軟化するだけでなく,粒子間空隙を埋めて粒子が相互に接触し接着するために膨張することが必要であり,さらに,連結気孔を生成させないためには,石炭が自由膨張できず膨張を拘束される条件で乾留されることが必要であると考えられる。なお,石炭が膨張を拘束されると,ガス圧が上昇し,いわゆる膨張圧をコークス炉の炉壁におよぼすことになる。

コークスの基質強度は,1mm程度に粉砕して亀裂の影響を除いた粒子で測定されるマイクロ強度指数31)で評価されているが,石炭化度が高い石炭からのコークスの方が高いとされてきた。しかし,それは測定に使用される粒子の気孔率が異なることや粒子内に非接着粒界が存在している場合があるためであり,石炭化度による差は本質的には少ないことが示された27)。また,微小硬度計により測定したコークスの弾性係数は,活性成分由来組織については原料の石炭に依存しないという結果が得られている32)。一方,イナート由来組織の弾性係数は,同じ石炭の活性成分由来組織より5~20%高く,また,石炭化度の上昇により弾性係数が20%程度上昇すると報告がされている32)

原料石炭配合によりコークスの表面破壊による粉化の制御を行う場合,コークスの基質強度の原料石炭炭種への依存度は低いので,コークス中の欠陥を制御すればよく,そのためには配合炭の膨張性を調整すればよいと考えられる。

石炭の膨張性はディラトメーター試験により評価されている33,34)。ディラトメーターで測定される膨張性は所定の粒度,加熱条件,石炭層厚でのものであるので,コークス炉の条件での値を推定する必要がある35)

さらに重要な問題は,配合炭の場合の現象である。石炭が軟化・膨張する温度は石炭化度が高いほど高い。従って,石炭化度の異なる石炭を配合して膨張率を測定すると,石炭化度の低い石炭が再固化した時点でセミコークスのネットワークが出来ると,以降は全体としては膨張しなくなる。高石炭化度炭は低石炭化度炭セミコークスのネットワークの中の空隙に膨張しているが,低石炭化度炭のセミコークスと接触しているため,ガスが拡散しやすくなり,膨張率は単独の場合より低下する。この膨張率低下傾向を推定する必要がある28)

3・2・2 再固化と收縮

一旦軟化した石炭は450~500°Cになると再固化してセミコークスになる。その後も加熱を続けると,さらに熱分解が続き,セミコークスは収縮する。再固化から1000°Cまでの収縮率は粘結炭の場合で12~18%程度になる。石炭化度の低い石炭は再固化温度が低く,その時点では熱分解速度が大きいため収縮が大きく,1000°Cまでの全収縮率も大きくなる。

コークス炉炭化室内では,石炭は炉壁側からの伝熱により逐次コークスになっていく。生成したコークス層内には炭化室幅方向温度分布があるため,収縮の歪により熱応力を生じ,炉壁に垂直な亀裂が生成する。石炭化度の低い石炭からのコークスは,亀裂が多く体積破壊を起しやすくなり,粒度や強度指数が低くなる。

再固化温度の異なる石炭を配合した場合,個々の石炭は,その特性に応じて再固化するが,配合炭全体としての再固化は大勢を占める石炭の挙動に支配されるため,再固化温度には加成性がない。すなわち,再固化した石炭のネットワークが出来て連続相を形成すると,その中に再固化していない石炭が島状に分散していても,全体としては再固化してしまう。逆に,一部は再固化していても,まだ再固化していない石炭の方が連続相になっていると,全体としては再固化しない36)。ただし,微粉部分については粒子間の相溶の影響が大きく,再固化温度に加成性が成立するため,完全に上述のとおりにはならない36)

これが冒頭に引用した野呂の石炭配合の原理である。この現象を利用して,再固化温度が低く,単独では亀裂の多いコークスになる低石炭化度炭,すなわち非微粘結炭を使用して亀裂の少ないコークスの製造が可能となっている。低石炭化度炭は膨張性の低いものが多いので,これらの石炭を多量使用するには,装入炭事前処理により嵩密度を向上させることが必要である。嵩密度向上を含む非微粘結炭の増使用技術について,次項に述べる。

4. 非微粘結炭増使用技術

2010年度の統計より,全世界における石炭生産量のうち,コークス製造に使用可能である原料炭の割合は約13%にしか過ぎない37)。その原料炭の中でも良質なコークスを製造するのに不可欠な粘結炭は枯渇が進行していることから,非微粘結炭を多量に使用可能なコークス製造技術の開発は,石炭資源有効利用および資源対応力向上の観点から非常に重要な意味を持つが,非微粘結炭は高揮発分ゆえにセミコークス収縮率が大きいこと,また軟化溶融時における石炭粒子の膨張性が低いことから,そのままでは高強度なコークスを造り得ないことは先述のとおりである。ここでは,主に石炭の事前処理に着眼した,非微粘結炭増使用技術の概要について述べる。

4・1 原料炭の粉砕調整

3・1項にて,コークスの破壊・粉化に対してはコークス塊内の大小亀裂が影響していることを述べた。このような構造的欠陥が生ずる理由のひとつとして,石炭の不均質性が挙げられる。このデメリットを減少させるために,原料炭を粉砕して均一性を向上させる事前処理が不可欠となる。

石炭の不均質性とは,組織学的にはJISにて規定されている石炭組織成分および微細組織成分(マセラル)に分類されるということであり,最も大きな括りではマセラルの中で性質が類似したものをまとめた3つの微細組織(マセラルグループ)に分けられている。その中で,加熱して軟化溶融するものはビトリニットおよびエクジニットとよばれるグループであり,イナーチニットとよばれるグループは,軟化溶融性を示さない。軟化溶融性の有無は,熱的に活性/不活性であるとも表現できる。

イナーチニットは加熱時の収縮率が低く,周囲との収縮率差に起因する亀裂の発生がコークス強度低下の要因となる。イナート成分は細粒化することで亀裂のサイズが低減し,コークス強度への悪影響が低減されることが示されている26)ため,極力細かく粉砕することが望ましいと考えられる。その一方で,熱的に活性な成分は粉砕しすぎると粘結性が低下するため好ましくないことから,不活性成分は粉砕されにくく,活性成分は粉砕されやすいという特性差を利用し,活性成分に富む部分を篩下として不活性成分に富む篩上のみを粉砕し,その操作を繰り返すというSOVACO法に代表される分級粉砕法38)が開発され,実用化の例もある反面,篩の目詰まり管理という問題点もある。

粉砕粒度調整方法の課題としては,粉砕強化による装入炭粒度低下が装入嵩密度の低下を誘発し,それがコークス強度の低下に繋がることなどが挙げられる。装入嵩密度の課題に対しては,次節にて後述する微粉塊成化技術の併用により解消される方向にある。

4・2 装入炭充填密度の向上

先述したように,非微粘結炭は石炭粒子の膨張性が低いため石炭粒子間空隙の充填不足に伴うコークス構造内の欠陥生成がコークス強度低下を誘発する。また,高揮発分炭はセミコークス収縮率が高く,コークス塊内に多くの亀裂を生じる。これらの要因によりコークス強度が低下する。これらの現象を緩和するには,充填密度を上げることにより石炭粒子間空隙を減少・石炭粒子同士を近接させ,なおかつセミコークス収縮率を低下させるのが簡便かつ効果的であると考えられる。充填密度の向上は,石炭の塊成化によるものと,石炭水分を低減させるものの二つに大別される。

4・2・1 成形炭配合法39)

原料石炭の最大で約30%を成型炭(ブリケット)とし,それを粉炭と混合してコークス炉に装入する手法である。成型炭の密度は約1100kg/m3であり,湿炭のみの嵩密度680~700kg/m3から約740~750kg/m3まで嵩密度が向上する。成型炭内の石炭配合としては,まず配合炭の一部をそのまま成型する手法が開発40)され,この効果によりコークスDIは約2~4ポイント増加し,強粘結炭10%の節減が可能との報告がある41)。その後,非微粘結炭の膨張性不足を補うために成型炭内に集中的に配合し,さらに成型炭内に粘結材であるアスファルトピッチ(ASP)を添加するスミコール法42)が開発された。

4・2・2 スタンプチャージ

スタンピングボックス内の石炭を上部から突き固めて製造した石炭ケーキを押出機側から炭化室内に装入する手法である。石炭ケーキの密度は成型炭並みの1100kg/m3にもなる43)

世界で最初のスタンプチャージ式大型コークス炉は,高揮発分のザール炭を多配合すべくドイツにて稼働したと43)あり,その後中国やインドでもみられるようになった。日本においても,基礎検討の報告が散見されるものの44),石炭ケーキのバインダーは水分であるため乾燥炭の成型ができないことや,挿入時のケーキ崩れやガス漏れなどの問題に加え,スタンピング設備の新設や押出機との取り合いも考慮せねばならないことから,実機化には至っていない。

4・2・3 調湿炭装入法(CMC)45)

湿炭操業における装入炭水分は天候などにもより9%~12%程度の範囲内で日々変動するが,これを調湿炭設備にて水分6%近傍一定に調湿してコークス炉に装入することにより,石炭粒子に付着している水分同士の架橋力が低下して滑りが良くなり,湿炭のみの嵩密度680~700kg/m3から約740~750kg/m3まで嵩密度が向上する。その結果,コークス品質向上およびそのバラつき低減に伴う非微粘結炭増配が可能となる。

その一方で,水分量の低下は微粉石炭の飛散を容易にすることから,石炭搬送時の発塵や装炭時の炭化室内ガス圧増加に伴う炉蓋からのガス漏れといった環境の悪化が懸念される。それらを考慮した結果が上記の水分6%近傍での操業が調湿炭法における水分の下限値ということになる。調湿炭法は1983年(昭和58年)に新日本製鐵(株)大分製鐵所での導入を皮切りに各社で導入され,現在でも多数のコークス炉で稼働している。

4・2・4 予熱炭装入法

湿炭を1段目の乾燥塔で約100°Cに昇温後,2段目の予熱塔で200°C近くまで昇温させた後にサイクロンで回収し,予熱炭槽に受けた後にコークス炉上に搬送し,装炭する。欧州にて開発された技術であり,一時期は欧州および米国,また日本では室蘭製鉄所に導入された46)が,その後欧米での操業は停止されていった。

4・2・5 微粉炭塊成化法

微粉炭塊成化法(DAPS:Dry-cleaned and Agglomerated Pre-compaction system)は,先述の調湿炭装入法を高度に発展させたプロセスである47)

高水分時の微粉は水をバインダーとして疑似粒子化し粗粒炭に付着しているため発塵性は低いが,水分量の低下に伴って疑似粒子が崩壊し,発塵強度が高くなる48)。発塵強度は,湿炭(9%~10%)から調湿炭(5%~6%)レベルへの水分低下では非常に緩やかであるが,水分量がそれ以下に低下すると急激に上昇する47)。そこで,流動層乾燥機により微粉と粗粉を分離し,微粉を塊成化することで発塵に伴う各種課題を克服可能としたのがDAPSプロセスであり(Fig.4),これにより水分量を2%にまで低減させ,嵩密度を800kg/m3近くにまで増加させることができる。なお,微粉炭とは0.3~0.5mm以下の粒径を有するものであり,通常の粉砕粒度である3mm篩下80%において全石炭量の約30%を占める。

Fig. 4.

 Process flow of DAPS.

DAPS法の利点は,水分低下に伴う嵩密度増加のみではない。採掘された時点で微粉となっている石炭粒子は,空気との接触面積が大きいため酸化されやすく,加熱時の粘結性が低い。また,粉砕の工程において生成した微粉はその粒子径が小さいために加熱時の膨張性が低下する。一方,石炭の粉砕性の観点からは,ハードグローブ指数が低い粘結炭は粉砕されやすく,微粉が生成しやすい。したがって,分級された微粉は膨張性が高いものが凝縮されたものとなり,かつ塊成化され密度が上昇することで,粘結性を回復させることが可能となる。これらの効果により,DAPSプロセスにて製造したコークスは,調湿炭装入法(CMC)に比較してDIが1.5ポイント増加し,非粘結炭が20%増配可能となる47,49)

4・3 成型コークス

日本炭あるいは安価な石炭を原料として,高品質コークスを造るという目的で,新しいコークス製造プロセスの開発も進められてきた。その代表が成型コークスである。

コークス炉の生産性は,石炭の伝熱により律せられており,成型コークスにおいては,100mm程度の成型炭を加熱することから伝熱距離が短縮され,生産性も向上する50)。また,伝熱距離の短縮により,表層から中心までの平均の加熱速度も向上し,石炭の熱軟化性が向上するので,軟化しにくい石炭が使用しやすくなる50)。しかし,石炭再固化後の收縮の影響が緩和されるわけではないので,その対策として,成型コークスにおいても,石炭配合技術が非常に重要である。

また,成型コークスの場合,成型炭の膨張を拘束するのは,成型炭表面から生成していくコークス層だけであるので,乾留中の成型炭の膨れ割れを防止するための石炭配合技術および加熱制御技術も重要な課題である。一方,石炭軟化時に外部から圧縮するようなプロセスが開発できれば石炭配合の自由度は飛躍的に向上すると考えられる。

4・4 SCOPE21プロセス

従来,石炭の予熱は熱分解反応に伴う粘結性低下を回避するため,上限が250°C程度と考えられていた。その一方で,石炭は軟化溶融温度域での昇温速度上昇に伴い加熱時の粘結性が増加するという事実は良く知られていた。したがって,石炭の軟化開始温度前である350~400°Cでの急速昇温処理では粘結性増加効果は享受できないと考えられるが,本プロセス開発の過程で,熱分解反応を抑制しつつ粘結性の改善を享受することが可能であることが見出された。

2°C/minの低速加熱炭と104°C/minの急速加熱炭において,後者のDIが明らかに向上しており,急速加熱炭では揮発分の減少が抑制され軟化開始温度でも保持されている一方,低速加熱炭では200°C付近の低温から揮発分が減少していることが明らかとなった。その反面,FT-IRスペクトル解析から原炭と急速加熱炭の化学構造に変化が見られないことから,急速加熱による先述のコークスDI増加を化学反応の面から説明することは困難と考えられた51)

そこで,この結果を解釈するために固体NMRによる構造解析による検討が行われ,急速加熱炭は分子間相互作用の低下による構造緩和,具体的には縦緩和時間が短い運動性の高い成分(mobile成分)の増加が明らかになった52)。また,NMRマイクロイメージング法により,この結果を視覚的に捉えることが可能となり53),石炭の急速加熱処理による粘結性の向上効果が確認された。

SCOPE21(Super Coke Oven for Productivity and Environmental enhancement toward the 21st century)プロセスは,乾燥分級機にて微粉と粗粉に分級,先述の結果をもとに石炭を350°C~400°Cまで急速昇温させた後に微粉は熱間成形され,粗粉と混合し炭化室内に装炭される(Fig.5)。この結果,装入嵩密度は約850kg/m3まで増加し,先述の急速加熱による石炭改質効果と併せて非微粘結炭の配合率を50%にまで増加することが可能となる。SCOPE21型の実コークス炉1号機は,新日本製鐵(株)大分製鉄所内に建設され,2008年2月から稼働を開始し現在でも非微粘結炭配合率50%以上の条件下,安定した操業を継続している54)

Fig. 5.

 Process flow of SCOPE21.

5. 近年の研究動向と今後の方向性

コークス強度指数制御のための石炭配合技術進展のためには,強度指数がコークスのいかなる構造や物性に支配されているかを明らかにし,それに基づいて,そのような構造や物性を得るには,原料石炭や乾留条件をいかに制御すればよいかを考えていく必要がある。

また,乾留反応機構の検討,特に,石炭の軟化や再固化の機構を解明することは非常に重要である。それとともに,コークスの粉化挙動を問題にするのであれば,コークス構造に着目する必要があるため,乾留反応に随伴する物理挙動を解明していくことが不可欠となる。ことに,コークス炉内の温度分布がある条件での複雑な現象の解明が今後重要である。

石炭のコークス化機構・コークス構造に関しては,加熱下における石炭粒子の膨張・収縮挙動や軟化溶融現象を中心に石炭の組織学的知見を組み合わせることで,これまで多くのことが解明されており,それに基づいて配合や粉砕などの事前処理技術も発達してきた。しかしながら,これらの知見は石炭性状や元素組成との関連性もある程度わかっているとはいえ,未だ現象論や経験的な部分に多く依っていることも否定できないと考える。

石炭粒子の軟化溶融機構およびコークス強度を支配する構造や物性をさらに詳細に解明するには,化学的手法すなわち分子レベルでの評価や物理学的手法に基づく検討が不可欠となる。この課題に関しては,日本鉄鋼協会高温プロセス部会研究会において,劣質炭対応型コークス化技術研究会(2002~2005)55),高強度・高反応性コークス製造技術研究会(2006~2009)56),そして現在活動中の劣質・未利用炭素資源コークス化技術研究会(2010~2013)57)において大学や独立行政法人研究機関を中心に,企業がサポートする形で研究活動が推進され,数多くの成果を挙げている。

今後,さらなる非微粘結炭増配に向けた検討の方向性としては,以下の事項が重要になると考えられる。

・粘結性を向上,あるいは補填させる手法

具体的には,改質処理および粘結性補填材の添加である。改質技術を発展させる際の鍵となるのは,非微粘結炭の構造および乾留過程の挙動に関する知見である。また,粘結材添加が単なる「糊」であるのか,石炭との間に化学的な相互作用をもたらすものであるのか,もし後者ならば一種の改質と言える。これらに関しては,「非粘結炭は何故軟化溶融性に乏しいのか」「軟化溶融時の石炭は他の物質と共存したときに,どのような化学作用を発現するのか」といった現象のメカニズムを理解することが不可欠であり,先述の研究会などにおける基礎的な乾留/軟化溶融機構の検討のさらなる進展が望まれる。

・事前処理の特徴を活かした石炭配合技術の開発

粉炭が炭化室内に装炭され乾留される場合は,炉幅方向の物質移動現象という複雑な問題58)はあるにせよ,系としては最もシンプルである。一方,前節にて述べたように,最近の事前処理技術は事前加熱・微粉分級・塊成などが入り交ざった複雑なものとなっている。炭化室内において粒度構成や配合,嵩密度条件が異なる複数の系が炭化室内に存在しているとも表現できる。

この複雑な状況を最も大きく支配するのは,事前処理の初期段階である粉砕と想定する。なぜなら,石炭銘柄あるいは性状毎に粉砕条件を変えることで最終的な系,たとえば粉炭と塊成物における石炭の分配すなわち石炭配合や,その系の中での粒度構成が変化するからである。したがって,これらの系の中で強度が発現する粒度構成や配合条件を理解することが,今後の石炭配合技術にとって重要になると考えられる。事前処理の特徴を石炭配合に活かした例としては,4・2・1項にて既述のスミコール法42)があり,成型物は高密度下での閉じられた系であることを活かし非微粘結炭の増配を可能とした。

今後,非微粘結炭の増配がさらに求められる中で,事前処理の更なる複雑化が予想される。そのような状況においても,事前処理の結果,各々の系において「石炭がどのように分配され」「どのような条件(例えば,粒度や嵩密度)で存在しているか」を把握すること,また各々の系における乾留機構・コークス強度発現メカニズムに立脚した強度支配因子の知見を組み合わせることで,事前処理の特徴を活かした石炭配合技術を確立することが可能であると考える。

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© 2014 The Iron and Steel Institute of Japan

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