Tetsu-to-Hagane
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Theoretical Model on Heterocoagulation of Inclusion in Molten Steel and its Experimental Verification: Part I. The Theoretical Model
Hirotada AraiYuki NakamuraShin-ichi ShimasakiShoji Taniguchi
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2015 Volume 101 Issue 2 Pages 129-138

Details
Synopsis:

A coagulation phenomenon is one of important inclusion behaviors in molten steel. It is widely recognized that alumina inclusions aggregate each other, which result in harmful defects in final products. In addition, alumina inclusions often collide with different type inclusions such as slag droplets generated from the slag-metal interface or other oxide particles formed by the complex deoxidation. These types of coagulation, “hetero-coagulation”, are closely related to the means for removal and control of inclusions. Therefore, it is valuable to establish a kinetic model of hetero-coagulation, which is not well developed until now.

In the present study, the hetero-coagulation model based on the Smoluchowski’s population balance equation has been developed. Particularly, the present work has focused on a turbulent hetero-coagulation behavior considering the practical steelmaking processes. A new method, called Particle-Size-Grouping for Hetero-coagulation (PSGH) method, has been established, which enables a considerable reduction of a calculation load for the hetero-coagulation with complete conservation in total particle volume. This method has been verified by the comparison with the exact solution of the population balance equation for hetero-coagulation. The change in particle number density with time calculated by PSGH method agreed with that of the exact solution.

1. 緒言

溶鋼中の非金属介在物が鉄鋼製品に悪影響を与えることは良く知られている。特に問題となる酸化物系介在物の生成起源としては,脱酸生成物,2次精錬スラグの巻き込み,耐火物の剥離・脱落などによると報告されている。これらの介在物が最終製品に残留すると強度や耐疲労性などの材料特性の低下を引き起こすため,介在物除去による溶鋼清浄化が求められ続けている。

高清浄化への要望を実現するために溶鋼の脱酸,ガス吹き込みや装置内溶鋼流動の適正化など,様々な介在物低減対策がとられている1)。しかしながら,製品中の介在物レベルの要求水準はますます厳しくなり,非常に微小な介在物まで除去対象となっている。概してこのような微小介在物の除去は困難であるが,微小な介在物同士を凝集・肥大化させ,浮上速度を増大させて分離を促進することが有効な手段となるであろう。ただし,凝集した巨大介在物が製品中に残留するとその製品の品質に多大な悪影響を与えるため,凝集・除去の操業条件は精確に制御されなければならない。

一方,介在物を除去するのではなく,鋼中に微細な酸化物粒子を分散させ,結晶粒の成長抑制,粒内フェライトの核生成サイトとして積極的に利用するオキサイドメタラジーも展開されている2)。この場合には介在物粒子の凝集を抑制する必要がある。

このように,溶鋼中の介在物挙動の検討において介在物凝集は主要な現象であり,その特性を解明し,積極的に制御することが重要となる。溶鋼中の非金属介在物の凝集挙動については,種々のコールドモデル実験や溶融金属系での実験,あるいは計算モデルによる解析がなされており3,4,5,6,7,8,9,10),かなり詳細な知見が得られている。しかし,これらはいずれも単一種の介在物粒子挙動を想定しており,溶鋼系ではAl2O3系介在物のみを対象とした研究がほとんどである。実際には,スラグ巻き込みに起因した液状介在物との凝集や複合脱酸による異種介在物間の凝集も介在物挙動に大きく関係すると考えられる。また,スラグ粒子と介在物粒子との凝集は,取鍋精錬時の介在物組成制御による無害化処理にも関係すると考えられる11)

異種粒子間の凝集・合体挙動を取り扱った先行研究として,Fuchigamiらの二種粒子の凝集を考慮した介在物モデルがある12)。Fuchigamiらは,脱酸生成物であるAl2O3介在物の凝集体に加え,球形介在物,不定形介在物が観察されることから,巻き込みスラグに起因する介在物が脱酸生成物であるAl2O3の凝集,浮上分離挙動に大きな影響を及ぼすと考え,取鍋精錬時におけるAl2O3系およびスラグ系介在物の二種粒子の凝集モデルを構築した。そのモデルと流動解析を組み合わせて,装置内の介在物分布を計算している。ただし,このモデルでは,Al2O3系介在物とスラグ系介在物が凝集したものはスラグ粒子になると近似している。また,凝集係数は介在物の凝集速度に大きく影響する因子であるが,これを一定値として取り扱っている。凝集係数は衝突する粒子種や粒径比によって変化するパラメータであり,特に,介在物−スラグ粒子間においては粒径比の影響は顕著であると考えられる。

厳密な異種粒子間の凝集モデルに関する研究はこれまでほとんどなされておらず,異種凝集現象を詳細に予測できる解析モデルは提案されていない。したがって,介在物とスラグ粒子の合体挙動や複合脱酸によって生じる異種介在物間の凝集挙動を明らかにすることは,介在物粒子の挙動予測や組成制御に有用である。そこで本報では,溶鋼中介在物の異種凝集過程に着目し,その理論モデルの構築を行った。理論モデルの構築に当たり,ほとんどの実プロセスの流動状態が乱流であることを考慮し,本研究では特に異種介在物間の乱流凝集に着目した。また,本モデルに対して,衝突する粒子間の粒径比を考慮した凝集係数を適用した。さらに,異種凝集モデルに対して,計算負荷を低減する手法を新たに開発した。

2. 異種凝集理論

Fuchigamiらのモデル12)では,Al2O3系介在物と巻き込まれたスラグ粒子の衝突・合体に関して,以下のようにモデル化されている。

・Al2O3粒子 + Al2O3粒子 → Al2O3粒子

・スラグ粒子 + スラグ粒子 → スラグ粒子

・Al2O3粒子 + スラグ粒子 → スラグ粒子

このモデルでは,Al2O3粒子とスラグ粒子の凝集体はスラグ粒子になると近似しており,厳密な異種凝集までは考慮されていない。

一方,コロイド工学の分野に目を移すと,古くから異種凝集現象の研究13)がなされており,その大半は粒子間の静電力や分子間力にもとづく安定性に関する議論が中心である。速度論的に異種凝集現象を調査した研究はなされていないが,近年ではRolliéら14)が,ポリスチレン粒子とメラミンホルムアルデヒド粒子の異種ブラウン凝集の速度論的挙動について報告している。また,Multi-QMOMモデルを使用した溶鋼中介在物の凝集挙動の解析もなされている15)。しかしながら,乱流下における異種凝集に関する研究は依然として少ない。

そこで,Rolliéらの研究14)を参考に,異種(二種)ポピュレーションバランス式 (Population Balance Equation,以下PBE)を導出する。

2・1 異種凝集に関するポピュレーションバランス式

離散的PBEはSmoluchowskiによって初めて導出された16)。いま,凝集体を構成する最小粒子(以下,単位粒子)がk個集まった凝集体(個数濃度nk)を考えたとき,その個数濃度変化は以下の2式で与えられる*1。   

d n k d t = 1 2 i = 1 , i + j = k k 1 ( 1 + δ i j ) N i j i = 1 ( 1 + δ i k ) N i k (1)
  
N i j = 1 1 + δ i j β ( i , j ) n i n j (2)

*1 式表記はSmoluchowskiによって与えられたものとは異なる。これは,同一径の粒子間の衝突頻度を考慮し,表記を改めたためである。詳細については,著者らの論文17)を参照されたい。

ここでNiji個の単位粒子から構成される凝集体粒子とj個の単位粒子から構成される凝集体の単位時間・単位体積当たりの衝突回数を示しており,衝突する2粒子間の衝突頻度関数β(i, j)と各々の粒子の個数濃度の積で与えられる。式(2)を式(1)に代入すると   

d n k d t = 1 2 i = 1 , i + j = k k 1 β ( i , j ) n i n j i = 1 β ( i , k ) n i n k (3)

となる。しかしながら,上式で扱える粒子は1種類に限られており,2種類以上の粒子が混在する系には適用できない。

式(3)を拡張し,異種凝集モデルを構築するにあたり,以下の仮定をおく。

・粒子は球形であり,その直径には体積相当径を用いる。

・合体した粒子の体積は合体前の粒子体積の和と等しい。

・合体した粒子は分裂しない。

・衝突は常に2つの粒子対でのみ起こるものとする。

なおNakaokaらの研究6)において,2粒子間の衝突・合体時に3つ目の粒子が合体を阻害することが考慮されているが,本モデルではこの影響は無視する。

ここではまず,粒子間の衝突メカニズムについては触れずにPBEのみを考える。いま,第1種と第2種の2種類の粒子が存在する系を考える。この系において,衝突パターンは以下の6通りが考えられる。

(i) 第1種−第1種

(ii) 第1種−第2種

(iii) 第2種−第2種

(iv) 第1種−異種凝集体

(v) 第2種−異種凝集体

(vi) 異種凝集体−異種凝集体

ここに異種凝集体とは,第1種−第2種間の衝突で生成した凝集体を意味する。上記のそれぞれにおける衝突頻度関数を以下のように表記する。   

β ( [ i , l ] , [ j , m ] )

[i, l]はi個の第1種単位粒子とl個の第2種単位粒子からなる凝集体を示し,このような凝集体を[i, l]凝集体と呼ぶことにする。したがってβ([i, l],[j, m])は,i個の第1種単位粒子とl個の第2種単位粒子からなる凝集体と,j個の第1種単位粒子とm個の第2種単位粒子からなる凝集体との間の衝突頻度関数を表す。この表記法で上記の(i)~(vi)の衝突頻度関数を列挙すれば以下のようになる。   

β ( [ i , l ] , [ j , m ] ) = { β ( [ i , 0 ] , [ j , 0 ] ) l = 0 , m = 0 ( 1 - 1 ) β ( [ 0 , l ] , [ 0 , m ] ) i = 0 , j = 0 ( 2 - 2 ) β ( [ i , 0 ] , [ 0 , m ] ) l = 0 , j = 0 ( 1 - 2 ) β ( [ i , 0 ] , [ j , m ] ) l = 0 ( 1 - ) β ( [ 0 , l ] , [ j , m ] ) i = 0 ( 2 - ) β ( [ i , l ] , [ j , m ] ) ( - ) (4)

また,凝集体の個数濃度をnk,nと表記する。添え字のknは凝集体を構成する第1種および第2種の単位粒子の個数をそれぞれ表し,n=0のとき第1種粒子,k=0のとき第2種粒子に対応する。Fig.1にこれらの凝集体の模式図を示す*2

Fig. 1.

 Schematic diagram of hetero-coagulation.

*2 図中の凝集体は単位粒子が元々の形を保持しているが,仮定にあるように,モデル中では等体積の真球として扱っている。

まず[k, n]凝集体の生成について考える。第1種の単位粒子数がk,第2種の単位粒子数がnになる組合せを全て考えればよい。   

β ( [ 0 , 0 ] , [ k , n ] ) n 0 , 0 n k , n _ + β ( [ k , 0 ] , [ 0 , n ] ) n k , 0 n 0 , n + β ( [ 0 , 1 ] , [ k , ( n 1 ) ] ) n 0 , 1 n k , ( n 1 ) + β ( [ k , 1 ] , [ 0 , ( n 1 ) ] ) n k , 0 n 0 , ( n 1 ) + + + β ( [ 0 , n ] , [ k , 0 ] ) n 0 , n n k , 0 + β ( [ k , n ] , [ 0 , 0 ] ) n k , n n 0 , 0 _

2重カウントを排除し,かつ同一凝集体の衝突組合せ数が1/2になることに注意して整理すると,生成項は次のように表される。なお,下線を引いた項は実際には存在しない凝集体の衝突であるので,計算ではゼロとする。   

1 2 l = 0 l + m = n n i = 0 i + j = k k β ( [ i , l ] , [ j , m ] ) n i , l n j , m (5)

消失項については,[k, n]凝集体と他の全ての凝集体粒子との衝突を考慮すればよいので,次式となる。   

l = 0 i = 0 β ( [ i , l ] , [ k , n ] ) n i , l n k , n (6)

以上より,異種(二種)凝集を考慮した離散的PBEは以下のように表される。   

d n k , n d t = 1 2 l = 0 l + m = n n i = 0 i + j = k k β ( [ i , l ] , [ j , m ] ) n i , l n j , m l = 0 i = 0 β ( [ i , l ] , [ k , n ] ) n i , l n k , n (7)

2・2 異種乱流凝集

本研究では乱流凝集を対象とするので,衝突頻度関数としてSaffman and Turnerの式18)を用いる。異種凝集体粒子に適用するために添え字を書き換え,   

β ( [ i , l ] , [ j , m ] ) = 1.3 α [ i , l ] , [ j , m ] ( a i , l + a j , m ) 3 ( ε ν ) 1 / 2 (8)

と表す。ここでai,lは[i, l]凝集体の半径(m),νは動粘性係数(m2·s−1),εは乱流エネルギー消散速度(m2·s−3)である。また,α[i,l],[j,m]は[i, l]凝集体と[j, m]凝集体間の凝集係数を表す。

式(8)を式(7)に代入することにより,異種乱流凝集のPBEが得られる。この式を無次元粒子個数濃度n+i,lおよび無次元時間t+を用いて無次元化する。   

d n k , n + d t + = 1 2 l = 0 l + m = n n i = 0 i + j = k k α [ i , l ] , [ j , m ] ( a i , l a 1 , 0 + a j , m a 1 , 0 ) 3 n i , l + n j , m + l = 0 i = 0 α [ i , l ] , [ j , m ] ( a i , l a 1 , 0 + a k , n a 1 , 0 ) 3 n i , l + n k , n + (9)
  
n i , l + = n i , l / N t 0 , t + = 1.3 a 1 , 0 3 ( ε ν ) 1 / 2 N t 0 t (10)

ここでNt0は第1種と第2種粒子を合わせた初期総粒子個数濃度(m−3),a1,0は第1種単位粒子の半径(m)である。

異種凝集体の体積はそれを構成する第1種粒子,第2種粒子の全体積の和と等しい。また仮定より,凝集・合体後の粒子体積は合体前の粒子体積の和と等しいので,以下の関係式が得られる。   

a i , l 3 = a i , 0 3 + a 0 , l 3 a i , l 3 = i a 1 , 0 3 + l a 0 , 1 3 (11)

第1種と第2種の単位粒子同士の粒径比をλ0=a0,1/a1,0(a0,1a1,0)とおくと,無次元異種凝集体半径a+i,lは以下のように表される。   

a i , l + = a i , l a 1 , 0 = ( i + l λ 0 3 ) 1 / 3 (12)

上式を式(9)に代入すると,最終的に無次元化した異種乱流凝集のPBEは以下の式となる。   

d n k , n + d t + = 1 2 l = 0 l + m = n n i = 0 i + j = k k α [ i , l ] , [ j , m ] { ( i + l λ 0 3 ) 1 / 3 + ( j + m λ 0 3 ) 1 / 3 } 3 n i , l + n j , m + l = 0 i = 0 α [ i , l ] , [ k , n ] { ( i + l λ 0 3 ) 1 / 3 + ( k + n λ 0 3 ) 1 / 3 } 3 n i , l + n k , n + (13)

3. 異種粒子間の凝集係数

溶融金属中では,粒子間に粘性抵抗力とLondon-van der Waals力(以下,LvdW力)が主として作用すると考えられる(Fig.2)。粘性抵抗力は,粒子同士が衝突・接触する際,その間の流体を排除するために生じる。その粘性抵抗は粒子が接近するほど大きく作用し,衝突を阻害する。一方,液中の粒子間にはLvdW力が作用し,粒子間引力として衝突を促進する。Higashitaniら19)は,単純剪断流中においてこれらの粒子間相互作用力を考慮した2粒子間の軌道計算を行い,凝集係数を求めた。さらに,粒子が乱流渦よりも小さい場合は剪断凝集と同様に扱うことができることに着目し,Saffman and Turnerの式(乱流凝集)にも同様の凝集係数を適用している20)。Higashitaniの凝集係数は近似的に次式で与えられている5)。   

α = 0.727 [ μ a 1 3 ( ε / ν ) 1 / 2 A 131 ] 0.242 (14)

Fig. 2.

 Schematic view of particle interaction.

ここでμは液の粘性係数(Pa·s),a1は単位粒子の半径(m),A131は粒子を1,媒質を3としたときの実効Hamaker定数(J)である。実効Hamaker定数は,粒子間および液体間それぞれのHamaker定数から次式で計算することができる3)。   

A 131 = ( A 11 A 33 ) 2 (15)

A11およびA33はそれぞれ真空中における粒子1(物質1)および媒質(物質3)のHamaker定数(J)である。

脱酸生成物とスラグ粒子の異種凝集に着目した場合,その大きさはそれぞれ数μmおよび数十~数百μmであり,粒子径に大きな差があることが特徴の一つに挙げられる。式(14)は単位粒子間の凝集係数に関する近似式であり,厳密には異なる粒子径をもつ粒子同士の場合には適用できない。また,異種粒子間ではLvdW力(Hamaker定数)も粒子対の種類によって異なる。本モデルでは,凝集体構造の詳細には立ち入らず,凝集体間の粒径比および凝集体組成(LvdW力)の影響を凝集係数で考慮する。

3・1 凝集係数の計算

Higashitaniら19)は,既往の研究にて粒子径の異なる粒子同士についても凝集係数を求めている。しかしながら,Higashitaniらが求めた凝集係数は粒径比の範囲が狭く,介在物やスラグ滴との凝集に適用するためには不十分である。そこで本研究では,まずHigashitaniらの研究を再現し,凝集係数に関する数値テーブルを予め用意した。Higashitaniらは,二粒子が衝突可能し得る領域の面積と衝突断面積の比として凝集係数を定義しており,本報でもそれに倣っている。計算方法の詳細についてはHigashitaniらの論文を参照されたい。

i粒子とj粒子間の凝集係数αijに関する計算結果をFig.3に示す。Higashitaniらと本報の計算値には若干の差異が見られるが,これは計算手法や数値補間の違いによるものと考える。本報では,粒子の軌道はRunge-Kutta-Fehlberg法により計算し,数値補間方法に双3次スプライン補間を用いている。図の横軸は,剪断速度 γ ˙ と実効Hamaker定数A131を含む無次元パラメータであり,   

N s = 6 π μ a ¯ i j 3 γ ˙ A 131 , a ¯ i j = a i + a j 2 (16)

Fig. 3.

 Coagulation coefficient as a function of λ and Ns.

と表される。aiは粒子iの半径(m)である。また,図中のλは2粒子間の粒径比(aj/ai)である。図より,無次元パラメータNsが大であるほど,また粒径比λが大であるほど凝集係数は小さくなることがわかる。

λおよびNsの計算範囲は,それぞれ1≤λ≤50,0.1≤Ns≤1010であり,Higashitaniらの計算条件よりもかなり広範囲にわたり計算を行い,数値テーブルとした。後述の凝集計算では,この数値テーブルより,任意のNsおよびλから数値補間で凝集係数を求めている。

ここで異種粒子間の分子間力について考える。上式中のA131は同種粒子間のHamaker定数を表しているが,異種粒子間の場合,粒子1と粒子2間のHamaker定数A132は次式で求められる。   

A 132 = ( A 11 A 33 ) ( A 22 A 33 ) (17)

ここにA22は真空中における粒子2(物質2)のHamaker定数(J)である。Nsは無次元パラメータであるので,A131A132に置き換えるのみで,凝集係数に異種凝集体間のHamaker定数(LvdW力)を考慮することができる。さらには,粒子1あるいは粒子2が異種凝集体のような異なる物質の混合体である場合,その組成によってHamaker定数は変化し,A11もしくはA22が凝集体の組成によって変化することになる。元々,Hamaker定数は物質(粒子)を構成する分子間のポテンシャル場に加成性が成り立つとして導出されるものであるので,このような場合は,凝集体組成に対して加成則が成り立つとしてHamaker定数を推算することが1つの手段と考えられる。異種凝集体のHamaker定数の推算方法については詳細な検討が必要と考えるが,どのような手段であれ,衝突する凝集体間の実効Hamaker定数が求められれば,式(16)のA131と置き換えればよい。

3・2 凝集係数を考慮した衝突頻度関数

Fig.4にSaffman and Turnerの式(式(8),凝集係数α=1)を用いた衝突頻度関数βおよび凝集係数αijの計算例を示した。前述の通り,異種凝集体間の場合は,式(16)にて実効Hamaker定数を異種凝集体間のそれに置き換えればよいので,計算例は粒径の異なる同一物質(Hamaker定数一定値)とした。

Fig. 4.

 Collision frequency function, β0, and coagulation coefficient, αij.

図は,衝突する1対の粒子の大きさ(半径a1a2)がそれぞれ変化した場合のβおよびαijの値を示している。βは1対の粒子間の衝突半径に対してその3乗で増加するので,それぞれの粒子径が大きくなるにしたがい急激に増加する。αijは粒径比λおよび無次元パラメータNsに依存し,λが1に近いほど,または衝突半径が小さいほど大となる。なお,Ns内には剪断速度勾配が含まれているが,乱流渦内では次式で求められる20,21)

  
γ ˙ = 4 ε 15 π ν (18)

Fig.5にはSaffman and Turnerの式(式(8))に凝集係数を適用して求めた衝突頻度関数の計算例を示した。同じ衝突半径(傾き−1の直線上に相当する)であっても,λが1より大きくなるとαijの値が小さくなるため,それに伴いβも減少する。したがって,粒子間衝突は粒子それぞれの大きさだけではなく,その比も重要なパラメータとなる。

Fig. 5.

 Collision frequency function obtained by Eq. (8).

以上より,異種凝集PBE中の凝集係数α[i,l],[j,m]には本節で求めた凝集係数を用いた。

4. Particle-Size-Grouping for Hetero-coagulation(PSGH)法

4・1 PSGH法の理論

異種凝集挙動を計算するためには式(13)を数値的に解く必要があるが,単位粒子から数千個以上の粒子からなる凝集体,さらにはそれらの異種凝集体すべての個数変化を追うには膨大な計算負荷がかかる。例えば,第1種および第2種の単位粒子1,000個からなる凝集体まで想定した場合,凝集体の存在形態は1,000×1,000=106通りになる。そのため,低い計算コストで異種凝集PBEを解くことができるモデルを構築する必要がある。

計算負荷を減らす方法は種々提案されており,求積モーメント法(QMOM)や粒子の粒径分布を既知の関数で表現する手法22),粒度分布を有限個の粒度区分に離散化する手法5,23)などがある。Nakaokaらが考案したPSG法は離散化区分モデルに分類される。PSGモデルの特徴として,質量を保存しながら単一粒子から数百個の単位粒子で構成される凝集体までを精度良く計算することができる。よって,異種凝集PBEに対してもPSGモデルと同様の手法を適用することで,計算負荷の低減を図る。ここでは本手法をParticle-Size-Grouping for Hetero-coagulation(PSGH)法と呼ぶ。

本法では2種類の粒子を扱うので,まず,それぞれの粒子からなる凝集体に対して区分を行う。その区分を異種凝集体内に含まれる第1種および第2種粒子にも適用し,同様にグループ分けを行う。この概念をFig.6に示す。図の太枠で囲まれた領域がグループに相当し,それぞれのグループをGroup(k, n)と表記する*3

Fig. 6.

 Schematic diagram of PSGH model (λ0 = 2).

*3 添え字は凝集体区分グループ番号に対応し,元々のPBEの添え字とは意味が異なるので注意されたい。

各グループの代表体積をvk,n,代表半径をak,nとし,(M×M)個のグループに区分する。異種凝集体の代表体積は,それを構成する第1種および第2種粒子の体積の和vk,n=vk,0+v0,nで与える。第1種および第2種のみからなる粒子グループは,代表体積の比Rv=v(k+1),0/vk,0=v0,(n+1)/v0,n=2となるように分割する*4。分割されたグループに対して,各グループ間の衝突を全て考慮し,異種凝集PBEを解く。

*4 後述のグループ移動条件はRvによって異なり,それに伴い式が変化する。本論文ではRv=2と固定している。

衝突により2つのグループは凝集・合体し,新たな粒子グループへと割り当てられる。割り当てられる凝集体グループは新たなグループの閾値を超えるか否かで判断される。PSGH法では2種類の粒子を扱うため,2つの閾値が用いられる。   

T h 1 , k = a k , 0 + a k + 1 , 0 2 = 3 4 π 3 ( v k , 0 3 + v k + 1 , 0 3 2 ) (19)
  
T h 2 , n = a 0 , n + a 0 , n + 1 2 = 3 4 π 3 ( v 0 , n 3 + v 0 , n + 1 3 2 ) (20)

1つ目の閾値は第1種粒子に,2つ目の閾値は第2種粒子に対するグループ間境界を表す。異種凝集体の場合は,その凝集体内に含まれる第1種粒子,第2種粒子それぞれに対して閾値判定を行う。[i, l]凝集体と[j, m]凝集体が衝突した場合(i<jl<m)には,体積(vi,l+vj,m)をもつ新たな凝集体が生成され,この凝集体の半径は   

a i + j , l + m = 3 4 π ( v i , l + v j , m ) 3 = a i , l 3 + a j , m 3 3 (21)

となる。また,この凝集体内の第1種粒子,第2種粒子の体積はそれぞれv(i+j),0v0,(l+m)となる。このとき,2つの閾値と凝集体を構成する第1種粒子および第2種粒子の体積相当半径ai+j,0(=(3vi+j,0/4π)1/3),a0,l+m(=(3v0,l+m/4π)1/3)の関係によって,グループ移動条件は次の4通りとなる。

(i)第1種粒子の閾値は超えるが,第2種粒子の閾値は超えない。   

a i + j , 0 T h 1 , j , a 0 , l + m < T h 2 , m

(ii)第1種粒子の閾値は超えないが,第2種粒子の閾値は超える。   

a i + j , 0 < T h 1 , j , a 0 , l + m T h 2 , m

(iii)第1種粒子,第2種粒子ともに閾値を超える。   

a i + j , 0 T h 1 , j , a 0 , l + m T h 2 , m

(iv)第1種粒子,第2種粒子ともに閾値を超えない。   

a i + j , 0 < T h 1 , j , a 0 , l + m < T h 2 , m

閾値を超える凝集の場合,新たな凝集体は上位グループに移動する。この移動において,元々のグループの体積(粒子個数)が減少し,上位グループの体積(粒子個数)を増加させる。このとき,2つのグループに属していた凝集体粒子の体積の和を移動先のグループの代表体積で除すことで,移動先の粒子個数に換算する。これを体積補正係数として表現する。一方,閾値を超えない場合は,新たな凝集体は上位グループへ移動せずに,現在のグループの体積を増加させる。このとき,現在のグループの体積が増加するので,同様に体積補正によって,見掛け上,現在のグループにおいて体積増加分の凝集体個数が増えたものとする。

上記の2つの補正係数の導入により,グループ移動によって粒子の総体積(質量)変化が生じることなく,粒子総体積が保存される。以下に2つの体積補正係数を示す。   

ξ [ i , l ] , [ k ' , n ' ] k , n = v i , l + v k ' , n ' v k , n , ζ [ i , l ] , [ k , n ] = v i , l v k , n (22)

前者は閾値を超える場合,後者は閾値を超えない場合に対応する。

以上の概念から,PSGH法を適用したPBEを次式で与える。   

d n k , n + d t + = G D (23)
  
G = G 1 + G 2 + G 3 + G 4 (24)
  
D = D 1 + D 2 + D 3 (25)

ここでGは生成項(m−3·s−1),Dは消失項(m−3·s−1)を表す。生成項は前述のグループ移動の条件に応じて4つの項からなる。消失項はグループ移動の条件に応じて3つの項に細分される。

以下,それぞれの項について示す*5

*5 式中の「∧」は「かつ」,「∨」は「または」を表す数学記号である。

4・1・1 生成項

G1:第1種粒子のみの閾値を超えてGroup(k, n)に移動する。

G2:第2種粒子のみの閾値を超えてGroup(k, n)に移動する。

G3:第1種粒子,第2種粒子の閾値を同時に越えてGroup(k, n)に移動する。

G4:閾値を超えない凝集の体積補正のため,見掛け上Group(k, n)の凝集体が生じる。   

G 1 = { i = i c , k 1 k 1 ξ [ i , 0 ] , [ k 1 , 0 ] k , 0 α [ i , 0 ] , [ k 1 , 0 ] 1 + δ i ( k 1 ) ( a i , 0 + + a k 1 , 0 + ) 3 n i , 0 + n k 1 , 0 + ( k 1 n = 0 ) 0 ( k 1 n 0 ) l = 0 l c , n 1 ξ [ k 1 , l ] , [ k 1 , n ] k , n α [ k 1 , l ] , [ k 1 , n ] ( a k 1 , l + + a k 1 , n + ) 3 n k 1 , l + n k 1 , n + ( k = 2 n 0 ) l = 0 l c , n 1 i = i c , k 1 k 1 ξ [ i , l ] , [ k 1 , n ] k , n α [ i , l ] , [ k 1 , n ] ( a i , l + + a k 1 , n + ) 3 n i , l + n k 1 , n + + l = 0 l c , n 1 ξ [ k 1 , l ] , [ k 2 , n ] k , n α [ k 1 , l ] , [ k 2 , n ] ( a k 1 , l + + a k 2 , n + ) 3 n k 1 , l + n k 2 , n + ( k 3 n 0 ) (26)
  
G 2 = { l = l c , n 1 n 1 ξ [ 0 , l ] , [ 0 , n 1 ] 0 , n α [ 0 , l ] , [ 0 , n 1 ] 1 + δ l ( n 1 ) ( a 0 , l + + a 0 , n 1 + ) 3 n 0 , l + n 0 , n 1 + ( k = 0 n 1 ) 0 ( k 0 n 1 ) i = 0 i c , k 1 ξ [ i , n 1 ] , [ k , n 1 ] k , n α [ i , n 1 ] , [ k , n 1 ] ( a i , n 1 + + a k , n 1 + ) 3 n i , n 1 + n k , n 1 + ( k 0 n = 2 ) l = l c , n 1 n 1 i = 0 i c , k 1 ξ [ i , l ] , [ k , n 1 ] k , n α [ i , l ] , [ k , n 1 ] ( a i , l + + a k , n 1 + ) 3 n i , l + n k , n 1 + + i = 0 i c , k 1 ξ [ i , n 1 ] , [ k , n 2 ] k , n α [ i , n 1 ] , [ k , n 2 ] ( a i , n 1 + + a k , n 2 + ) 3 n i , n 1 + n k , n 2 + ( k 0 n 3 ) (27)
(28)

  
G 4 = { 0 ( k 2 n 2 ) l = 0 l c , n 1 i = 0 i c , k 1 ζ [ i , l ] , [ k , n ] α [ i , l ] , [ k , n ] ( a i , l + + a k , n + ) 3 n i , l + n k , n + ( k 3 n 3 ) (29)

4・1・2 消失項

消失項は,グループ移動の条件に応じて以下の3つの項に区分される。

D1:第1種粒子のみの閾値を超えて消失する。

D2:第2種粒子のみの閾値を超えて消失する。

D3:第1種粒子と第2種粒子の閾値を同時に超えて消失する。   

D 1 = { 0 ( n 1 ) l = 0 l c , n 1 i = max ( i c , k , 1 ) M 1 α [ i , l ] , [ k , n ] ( a i , l + + a k , n + ) 3 n i , l + n k , n + ( n > 1 ) (30)
  
D 2 = { 0 ( k 1 ) l = max ( l c , n , 1 ) M 1 i = 0 i c , k 1 α [ i , l ] , [ k , n ] ( a i , l + + a k , n + ) 3 n i , l + n k , n + ( k > 1 ) (31)
  
D 3 = l = l c , n M 1 i = i c , k M 1 α [ i , l ] , [ k , n ] ( a i , l + + a k , n + ) 3 n i , l + n k , n + (32)

ここでic,klc,nはそれぞれ第1種,第2種の臨界凝集粒子グループである。上述のモデルでは,凝集が閾値を超えるか否かは臨界凝集粒子グループによって判断される。臨界凝集グループを定義することで,自動的に閾値判定が行われる。いま,Rv=2としているので,臨界凝集グループはそれぞれ以下のように定義される。   

i c , k = max ( k 1 , 0 ) , l c , n = max ( n 1 , 0 ) (33)

4・2 PSGHモデルの精度評価

PSGHモデルの精度を評価するために,異種凝集PBEの厳密計算との比較を行った。ここで,厳密計算とは式(13)をそのままの形で数値的に解くことを指す。無次元時間t+の刻みはΔt+=0.001,初期粒子径分布は第1種,第2種いずれも理想単分散とした。初期総粒子個数濃度はnt+(=nt/Nt0)=1.0,第1種および第2種の総粒子個数濃度はnt1,0+=nt2,0+=0.5(個数比RN=nt1,0+/nt2,0+=1)として与えた。

厳密計算においては,第1種および第2種の最大凝集体構成単位粒子個数はNM1=NM2=100とし,PSGHモデルにおいては第1種,第2種の最大凝集体グループ数Mを21(0~20)とした(グループ総数はM2=441)。計算条件はTable 1の通りであり,粒径比λ0を変えて行った。前述の通り,Hamaker定数はモデル上の本質的なパラメータではないので,計算例は粒径の異なる同一物質(Hamaker定数一定値)とし,本質的な考え方の部分の妥当性を検討した。いずれも計算手法にはRunge-Kutta-Gill法を用いた。

Table 1.  Calculation conditions of turbulent hetero-coagulation.
Viscosity of fluid (Pa·s) 1.0 × 10–3
Density of fluid (kg·m–3) 1000
Hamaker constant (J) 1.0 × 10–20
Turbulent energy dissipation rate (m2·s–3) 1.0 × 10–3
Diameter of particle 1 (m) 1.0 × 10–6
Diameter of particle 2 (m) (1.0, 2.0, 3.0) × 10–6

5. 結果

総粒子個数濃度nt+,第1種総粒子個数濃度nt1+,第2種総粒子個数濃度nt2+に関する厳密計算とPSGHモデルによる計算結果の比較をFig.7に示す。また,Figs.810にλ0を変えた場合における各グループの個数濃度変化を示す。厳密計算では,最大凝集体構成単位粒子個数に到達した時点で計算を終了した。また,PSGHモデルの各グループとの対応をとるため,厳密計算から求めた凝集体粒子の個数濃度を対応するグループ範囲内で和をとり,図中に表示した。

Fig. 7.

 Comparison of hetero-coagulation curves calculated by PSGH model with exact solutions for particle number density of total, Particle 1 and Particle 2.

Fig. 8.

 Comparison of coagulation curves of Group (k, n) calculated by PSGH model with exact solutions for λ0 = 1.

Fig. 9.

 Comparison of coagulation curves of Group (k, n) calculated by PSGH model with exact solutions for λ0 = 2.

Fig. 10.

 Comparison of coagulation curves of Group (k, n) calculated by PSGH model with exact solutions for λ0 = 3.

図より,PSGHモデルの計算値は総粒子個数濃度,グループ個数濃度ともに厳密計算の値と大略一致していることがわかる。

グループ個数濃度で比較した場合,グループ番号knが離れているほど厳密計算とのずれが大きくなるが,その個数濃度は他のグループ個数濃度と比べて非常に小さいので,実用上は問題ないと考える。

以上の結果より,PSGHモデルは,異種凝集挙動を十分な精度を確保しながら低計算負荷で表せることが明らかになった。

6. 結言

本報では,溶鋼中における異種介在物同士の凝集やスラグ滴と介在物の合体挙動に着目し,新たに異種凝集モデルを構築した。本研究により得られた結果を以下に示す。

(1)従来のPBEを拡張し,異種(二種)凝集を考慮したPBEを導出した。

(2)粒子径が異なる粒子対にも適用可能な凝集係数を導入し,異種凝集PBEに組み込んだ。

(3)異種凝集PBEそのままでは計算負荷が非常に大きい。そこで,少ない計算量で粒子の質量を保存したまま凝集の進行を精度良く表現可能なPSGHモデルを新たに開発した。

(4)PSGHモデルによる計算値は,総粒子個数濃度,グループ個数濃度ともに異種凝集PBEを元に計算した場合と大略一致し,異種凝集挙動を十分な精度を確保しながら低計算負荷で表すことができた。

使用記号

A11A22A33(J) 真空中における物質1間,2間,3間のHamaker定数

A131(J) 媒質3中における物質1間の実効Hamaker定数

ai(m) 粒子iの半径

ai,l(m) [i, l]凝集体の半径

aij(m) 粒子ijの半径の平均(=(ai+aj)/2)

D(m−3·s−1) 異種凝集体粒子グループGroup(k, n)の消失項

G(m−3·s−1) 異種凝集体粒子グループGroup(k, n)の生成項

ic,k(−) 第1種粒子に対する臨界凝集粒子グループ

ic,n(−) 第2種粒子に対する臨界凝集粒子グループ

M(−) PSGHグループの最大グループ数

Nij(m−3·s−1) 粒子iと粒子j間の衝突頻度

NM1(−) 最大凝集体を構成する第1種粒子の単位粒子個数

NM2(−) 最大凝集体を構成する第2種粒子の単位粒子個数

Ns(−) 剪断速度とvan der Waals力に関する無次元数(=6πμaij γ ˙ /A131)

Nt0(m−3) 第1種粒子と第2種粒子を合わせた初期総粒子個数濃度

ni(m−3) 粒子iの個数濃度

ni,l(m−3) [i, l]凝集体の個数濃度

nt0(m−3) 初期総粒子個数濃度

nt1(m−3) 第1種粒子の総粒子個数濃度

nt2(m−3) 第2種粒子の総粒子個数濃度

nt1,0(m−3) 第1種粒子の初期総粒子個数濃度

nt2,0(m−3) 第2種粒子の初期総粒子個数濃度

RN(−) 第1種粒子と第2種粒子の個数比(=nt1,0/nt2,0)

Rv(−) 隣接グループ間の体積比

t(s) 時間

Th1,k(m) PSGHモデルにおける第1種粒子のグループ間の閾値

Th2,n(m) PSGHモデルにおける第2種粒子のグループ間の閾値

vi,l(m3) [i, l]凝集体の体積

αij(−) 粒子ij間の凝集係数

α[i,l],[j,m](−) [i, l]凝集体と[j, m]凝集体間の凝集係数

β(i, j)(m3·s−1) 粒子i,j間の衝突頻度関数

β([i, l],[j, m])(m3·s−1) 異種凝集体[i, l],[j, m]間の衝突頻度関数

δij(−) クロネッカーのデルタ関数

ε(m2·s−3) 乱流エネルギー消散速度

γ ˙ (s−1) 剪断速度

λ(−) 粒径比

λ0(−) 第1種粒子および第2種粒子の単位粒子間の粒径比

μ(Pa·s) 粘性係数

ν(m2·s−1) 動粘性係数

ρ(kg·m−3) 密度

ξk,n[i,l],[k',n'](−) PSGHモデルの体積補正係数(=(vi,l+vk',n')/vk,n)

ζ[i,l],[k,n](−) PSGHモデルの体積補正係数(=vi,l/vk,n)

上付き記号

+ 無次元量

謝辞

本研究は(独)日本学術振興会製鋼第19委員会のテーマ応募式研究助成(平成20,21年度)によって行われたものであることを記して謝意を表する。

文献
 
© 2015 The Iron and Steel Institute of Japan

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https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/
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