2019 Volume 105 Issue 9 Pages 900-909
Formation behaviors of aluminides at 450ºC in the interfacial region between M sheets (M=Au, Cu, Fe, Mn, and Ni) and molten 0.2 wt.%Al-Zn were investigated by simple dipping method of M sheets into molten Al-Zn bath. In the Fe and Ni sheets dipped for 60 s, aluminides were formed in the diffusion zone, while not observed in the Au, Cu and Mn sheets. These results were discussed in the view points of the chemical interactions between M and Al, the up-hill diffusion of Al induced by concentration gradient of M element in liquid Zn, and the relative stability of M-Al intermetallic compounds to M-Zn based intermetallic compounds.
溶融亜鉛めっきは,約450°Cの亜鉛合金浴に鋼板を浸漬する簡便な方法を用いて鉄鋼材の耐食性を飛躍的に向上させることができることから,構造用材又は自動車用のボーディに広く利用されている。自動車用鋼板では,0.2 wt%程度のAlを添加したAl-Zn浴に浸漬することで,η-Fe2Al5相から成る薄いFe-Al化合物層(Inhibition layer:IL)を反応初期において優先的に形成させる。η相は,ZnとFe間の直接的な反応を防止してFe-Zn系金属間化合物(Intermetallic compounds:IMCs)の形成を抑制し,純Feと純Znの反応で容易に形成される軟質なζ-FeZn13相の形成を抑える働きをする1)。しかし,η相は一定時間を経ると部分的に消失し,Out-burst(OB)と呼ばれる急激な反応によりδ相を中心としたFe-Zn系IMCが生成されることが知られている。めっき材の加工性は金属間化合物の種類および積層形態によって大きく変わり2–4),特にめっき後の加工工程により主要な欠陥となるPowderingやFlakingは,積層されている各IMCの靭性や硬さに依存するとされている。Fe-Zn系における2元系IMCの機械特性は,最近Okamotoら5)やHanら6)により系統的に調査されており,存在する多くのFe-Zn系IMCの中ではΓ1-Fe21.2Zn80.8やδ1k-FeZn7が著しく脆い相として報告されている。450°Cに保持したAl-Zn浴にFeを浸漬した場合に形成されるδ相にもδ1k相が含まれる可能性が高いことから7),今後めっき材の加工性改善のためにはOB 前後のFe-Zn系IMCの形成挙動を制御することが重要である。しかし,実際ILについては,その消滅ばかりか形成機構すら不明な点が多い。
ILの形成機構について過去の多くの論文では,Fe-Al系アルミ化合物の強い熱力学的安定性,実際のプロセスにおける熱流束の影響,3元系状態図におけるFe/Al-Zn間の拡散経路といった現象論的な説明にとどまっている1,8–16)。しかし,たった0.2 wt%の微量なAlが,浸漬直後に瞬間的にFe界面に集まり全体を覆いつくしてしまうILの形成機構を理解するためには,液相中におけるAlの拡散挙動に注目しなければならないことは自明である。そのような中で,著者らは0.2 wt.%Al-Zn浴に純Feを浸漬し,反応時間に伴う液相界面のFeとAlの組成変化を詳細に調査した結果11),反応初期ではFeは約3%以上の高濃度で溶融Zn中に溶解し,Fe表面から20-30 μm程度まで緩やかな勾配をもつ濃度プロファイルを形成すること,またAlもFeと類似した濃度プロファイルを形成することを見出した。浸漬前Zn浴中においてAlは濃度一定であることから,この様なAl濃度分布の形成は,Alが自らの濃度勾配に逆らう方向に拡散する逆拡散が生じていることを意味している。著者らは,この様なAlの逆拡散が主溶質であるFeの濃度勾配に誘起された現象であることを示唆した16)。また,安定なILが存在し続ける必要条件として,安定なアルミ化合物の形成だけでなく,AlをFe界面に常に供給し続ける上でAlの逆拡散も重要であることを示した。
同様なILの形成が,Fe以外のどの様な金属元素Mの場合に生じるかを明らかにすることは,ILの形成機構の理解を深めるばかりか,広く固液界面反応の制御にとって重要である。近年,Takakuらは純Niおよび純Cuを4 wt.%Al-Zn浴に浸漬し,時間に伴う化合物相の形成挙動を調査した17,18)。彼らによると,純NiをAl-Zn浴に5分間反応させた後に観察された化合物層はNi系ILとも言えるNi2Al3相であり,この化合物は−40°Cから250°Cの間で1000サイクルの熱応力試験を行っても,非常に安定であることが判明した。一方,純CuをAl-Zn浴に同時間浸漬してもβ`-CuZn,γ-Cu5Zn8,ε-CuZn4相といったCu-Znの化合物が観察されただけでCu-Al系ILは形成されなかった。しかし,このような結果となった理由としては,Alの逆拡散を持ち出さずともCu-Al間の化学的相互作用がFe-AlやNi-Al間と比較してさほど負に大きくないことで一応説明はできる。
本研究では,純金属Mが希薄Al-Zn浴内においてAlの逆拡散を誘起する可能性について正則溶体近似を用いた熱力学的計算によって検討し,その上でFeを含めた様々な母材を0.2 wt.%Al-Zn浴に浸漬し,ILやアルミ化合物の形成有無を確認した。
3元系における溶質の相互拡散は,その元素自体の濃度勾配以外に他の溶質元素の濃度勾配によっても誘起されることが知られている。このような現象は,構成元素の化学ポテンシャル勾配まで遡った現象論的拡散方程式をもちいて理解できる。今回のZn-M-Al 3元系に適用すると,溶質元素Alの相互拡散流束は,現象論の交差項を無視することにより,
(1) |
で近似的に与えられる16,19)。ここで,LAlAlは現象係数,μAlおよびμZnはそれぞれAlとZnの化学ポテンシャル,zは位置である。また,LAlAlはAl原子の易動度MAlとAl濃度cAlの積によって与えられ,ciおよびxiはi元素の濃度およびモル分率である。式(1)の第1項と第2項はそれぞれAl自体の濃度変化とM元素の濃度変化に誘起される化学ポテンシャルの変化を示す。正則溶体近似に基づけば,i-j間の液相2元相互作用エネルギー(Ωij)を用い式(1)の第1項
(2) |
ちなみに,ZnとAl間の相互作用は弱くΩZnAl≈0であることから
(3) |
により与えられるので,xZn≈1.0の液相Zn中の拡散を問題とするなら,式(3)は次式のように近似できる。
(4) |
式(4)より,主溶質Mの濃度勾配に誘起されるAlの拡散挙動は,Zn-M-Al3元系を構成する3つの2元相互作用パラメータを用いた簡単な関数で与えられることがわかる。ここで,
Schematic illustrations of composition profiles and interdiffusion flux of Al induced by composition gradient of element M, where (a)
次にM=Fe,Au,Cu,Mn,Niについて,Niessenら20)による半経験的理論に基づく液相の相互作用エネルギーを用いた
Elements (M) | Interaction energy20) (kJ/mol) | d(μAl-μZn)/dxM (kJ/mol) | ||
---|---|---|---|---|
ΩZnM | ΩMAl | ΩAlZn | ||
Fe | 14 | –48 | 2 | –58 |
Ni | –34 | –96 | 2 | –58 |
Mn | –24 | –83 | 2 | –55 |
Cu | –14 | –34 | 2 | –16 |
Au | –73 | –80 | 2 | –3 |
以上の解析結果や過去の報告から,Table 1中,M=Mn,NiではFeと類似したILが形成される可能性が高い。一方,ΩMAl≪0の条件は満たすが
純度99.9%のFe,Au,Cu,Mn,Niをそれぞれ5×10×0.5(mm3)のサイズに切り出した後,#600~#1500まで湿式研磨した。浸漬実験はFig.2に示したように0.48 at.%(0.2 wt.%)Al-Zn2元系合金とFe-Ni-Znワイヤで連結したサンプルを内径9 mm,長さ700 mmの石英管中に同時に入れ,Ar-5%H2雰囲気で封入した。封入した石英管を450°Cに設定した縦型電気炉に入れAl-Zn合金を溶かすために約30分保持した。ここで,サンプル表面の酸化を防止するため,Fig.2(a)に示す通り,浸漬用サンプルはAl-Zn合金の溶解の間磁石を用いて一旦電気炉の外側に保持し,合金が溶けた後に磁石を下方に移動することでサンプルを浴中に浸漬し(Fig.2(b)),60秒間反応させた。反応終了後,試料は石英管を割らずにそのまま水冷した(Fig.2(c))。
Experimental procedure of hot-dipping method.
浸漬した試料は,厚さ2 mmのディスク状に切り出し,予め#1500まで湿式研磨したものを3~0.25 μm径のダイヤモンド粒子にて仕上げ鏡面研磨した。界面近傍のミクロ組織は,M=Feでは3%Nital,それ以外では5%NaOHを用いてエッチングし,Field Emission-Electron Probe Micro Analyzer(FE-EPMA)の後方散乱電子像(Backscattering Electron Image:BEI)で観察し,化学組成はWavelength Dispersive X-ray Spectroscopy(WDS)を用い20 kVの加速電圧と5nAの照射電流で分析を行なった。
Table 1に示した計算結果から考えると,ΩMAl≪0および
Feを0.48 at.%Al-Zn浴に浸漬した場合には,Fig.4(a)に示したように純Feと液相の界面でコントラストが異なる薄い界面層が観察された。Fig.4(d)に示した元素マップの結果より,その界面層はAlが濃縮したFe-Al系金属間化合物と考えられる。このような薄い皮膜はWDSで定量分析ができないため,明確な相同定は難しい。しかし,純Fe/Al-Znの固/液反応初期に形成される相は主にη-Fe2Al5という報告から1),本研究で観察されたAl濃縮相もFe2Al5相であると考えられる。Fig.5(a),(b)は60秒間反応させた後のFe/Al-Zn界面付近の濃度プロファイルを示す。ここで,赤色,青色,緑色はそれぞれAl,Fe,Znの濃度変化を示す。液相Zn中のFe溶解度は0.5 at.%であるが,Fig.5(a)と(b)に示すようにFe-Zn系金属間化合物が形成される前の界面付近におけるFe濃度は5 at.%以上であり,Al濃度も約2 at.%まで上昇している。本研究で得られたFe濃度の過飽和とそれに伴うAlの逆拡散挙動は,Kainumaらの報告とほぼ一致した16)。
(a) SEM composition image and element mapping images of (b) Zn, (c) Fe, (d) Al, and (e) O in Fe / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone formed after reaction for 60 s at 450ºC. (Online version in color.)
(a) Composition profiles of Al, Fe and Zn in the Fe / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone, where enlarged profiles are shown in (b). (Online version in color.)
一方,純Niを60秒間反応させた組織では,γ相およびδ相と呼ばれるNi-Zn系IMC層がNiと液相の界面に観察され,Ni-Al系ILは観察されなかった。しかし,Fig.6の(b),(c),(d)に示すように液相中にNi-Al化合物がバンド状に存在することが確認でき,WDSによる点分析では(Ni,Zn)2Al3相であると判明した。Fig.7(a)と(b)に示した濃度プロファイルを見ると,Niの場合には,液相中のAl組成が全体的に元の組成より低いことが確認できる。これは,液相中に存在する(Ni,Zn)2Al3化合物の形成にAlが消費されたためであると考えられる。Ni系においてFe系の様な層状のILが形成されなかった理由は明確ではない。Takakuらの4 wt.%Al-Zn浴を用いた実験では極めて安定なILが形成されたことから18),緻密で層状のアルミ化合物を形成されるためにAl濃度が不十分であったものと思われる。Fe系においても,所定の時間を越えて浸漬するとOB現象によりILが破壊され,Fe-Al化合物粒子が液相中に浮遊することから,今回のNi系の組織は初期において一旦出現したILが,短時間で破壊された可能性もある。あるいは,主溶質元素であるNiの濃度勾配
(a) SEM composition image and element mapping images of (b) Zn, (c) Ni, (d) Al, and (e) O in Ni / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone formed after reaction for 60 s at 450ºC, where the chemical compositions of aluminide particles dispersed in the interface region are listed in (f). (Online version in color.)
(a) Composition profiles of Al, Ni and Zn in the Ni / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone, where enlarged profiles are shown in (b). (Online version in color.)
純Mnは計算上,Mn-Zn系よりMn-Al系の金属間化合物を先に形成すると考えられるが,Fig.8(a)のように60秒の反応後には全面的にδとεのMn-Zn系化合物層が観察された。Fig.9(a)に示した純Mnの濃度プロファイルでは,Alの溶解度が非常に高いMn-Zn系化合物のδ相が層像に存在し,Alをほとんど固溶しないε2相が存在する。Table 1によると,純Mnは
(a) SEM composition image and element mapping images of (b) Zn, (c) Mn, (d) Al, and (e) O in Mn / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone formed after reaction for 60 s at 450ºC. (Online version in color.)
(a) Composition profiles of Al, Mn and Zn in the Mn / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone, where enlarged profiles are shown in (b). (Online version in color.)
純Cuの場合,Fig.10に示すようにγ-CuZnおよびε-CuZnと呼ばれるCu-Zn系IMCが界面全体に層状に形成し,Cu-Al系化合物はどの領域にも確認されなかった。ε相は各粒のごとによってコントラストが異なるが,これは方位差によるチャネリングコントラストによるものである。Fig.11(a),(b)に,純Cuの60秒間反応後の濃度プロファイルを示す。液相界面のCu組成は,報告された2元系の平衡組成と非常に近く3.6 at.%Cu程度である。また,液相中のAl組成も界面近傍は多少Al濃度が低いが,ほとんど均一である。Cu系では,Cuの濃度勾配が存在しても,液相Zn中のAlの拡散に殆ど影響を与えないと考えられる。この結果は,式(4)およびTable 1において予想した結果とよく合い,過去の報告とも一致する17,18)。
(a) SEM composition image and element mapping images of (b) Zn, (c) Cu, (d) Al, and (e) O in Cu / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone formed after reaction for 60 s at 450ºC. (Online version in color.)
(a) Composition profiles of Al, Cu and Zn in the Cu / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone, where enlarged profiles are shown in (b). (Online version in color.)
Fig.12は純Auを0.2 wt.%Al-Zn浴に60秒間浸漬した後のミクロ組織と濃度マップを示す。Fig.12(a)に表すIMC層においては,WDSで組成分析出来る厚さのIMC(約5 μm)はγ相であり,Auとγ層の間に存在する薄い層はFig.4の(f)に示した状態図からβ`相と考えられる。しかし,Fig.12(d)に示すように,どの領域にもAlが濃縮されたAu-Al化合物は観察されなかった。Fig.12(e)の酸素マップに見える薄いレイヤーは,冷却中に生じた界面の亀裂に湿式研磨の時に使った水が入り酸化したものであると考えられる。純Auの固/液反応後に得られた界面組成はFig.13(b)に示したように母材Au中にZnが非常に深く拡散しているが,液相Zn中のAu濃度は約0.4 at.%から0.2 at.%までに徐々に下がることが判明した。Al濃度の場合は,Feのように固液界面でのAlの逆拡散は見えず,逆に固液界面から液相側へのAl濃度が徐々に上昇する傾向が確認できた。Auの濃度勾配は非常に小さいものの,このようなAlの拡散挙動は,
(a) SEM composition image and element mapping images of (b) Zn, (c) Au, (d) Al, and (e) O in Au / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone formed after reaction for 60 s at 450ºC. (Online version in color.)
(a) Composition profiles of Al, Au and Zn in the Au / L (0.2 wt.%Al-Zn) diffusion zone, where enlarged profiles are shown in (b). (Online version in color.)
M/Zn界面反応における強力なILとなるM-Al化合物相の形成条件は,Zn浴内における①M-Al間相互作用ΩMAlと②主溶質Mの濃度勾配に逆らうAlの逆拡散に起因するとの仮説を立てて実験を行った。M=Fe,NiではM-Al化合物相が形成され,M=Cu,Auでは形成されないことが確認でき,おおむね予想通りの結果が得られた。しかし,Fe以上に形成能が高いと予想されたM=MnではM-Al系IMC層の形成はみられず,Alを濃縮するMn-Zn化合物が出現した。以上の結果から,本研究で着眼した①M-Al間相互作用ΩMAlおよび②Alの逆拡散は,M-Al系IMC層形成の必要条件ではあるが十分条件ではないと言える。Mn-Zn-Al3元系状態図が存在しないので明確に言えないが,Mn-Al化合物とZnの間に安定なMn-Zn(-Al)化合物相が存在することでMn-Al化合物相の形成に至らなかったと考えられる。従って,自明ではあるが,M-Al系IMC相が形成されるためのさらなる要件としては,M-Al化合物相の晶出を阻むより安定なM-Zn(-Al)系化合物が存在しないことが挙げられる。
本研究では純金属M/Zn-Al浴界面におけるM-Al化合物相の出現の有無について,M元素の濃度勾配に誘起されるAlの逆拡散挙動に着目し,現象論的拡散方程式および正則溶体近似に基づきAlの化学ポテンシャル変化を計算した。その結果が,M-Al化合物相の出現の有無に合致するか検証するため,既にILを形成することが報告されている純Feを含む5つの元素を選び,それぞれの元素について,Zn-0.2 wt%Al浴への浸漬実験後の組織観察および濃度プロファイルの調査を行った。その結果は以下の通りである。
(1)Alの逆拡散が予想された純Feでは,予想通りに60秒間の反応後にも薄いレイヤー像のFe2Al5 IMC層が存在し,液相界面にはAlの逆拡散が確認された。
(2)同じくAlの逆拡散が予想された純Niでは,純FeのようなAlの逆拡散やILの形成は見られなかったが,液相中に(Ni,Zn)2Al3化合物が確認できた。これは,一旦生成したILが短時間のうちにアウトバーストにより破壊された残骸であると推測される。
(3)純MnではFe,Ni同様にAlの逆拡散とILの形成が予想されたが,Alを濃縮したMn-Zn化合物相が形成されたものの,Mn-Al化合物相は観察できなかった。
(4)Alの逆拡散が起こらないと予想されたAuとCuの場合は,ミクロ組織と濃度プロファイルの両方でM-Al化合物やAl濃度が高いM-Zn化合物が見られなかった。
(5)以上の結果から,M-Al化合物相の形成条件として,M/Al間の相互作用の強さ以外に,液相Zn中Mの濃度勾配により誘起されるAlの逆拡散挙動や液相Znとの直接的な相平衡を阻害する安定なM-Zn(-Al)化合物の有無が重要であることが示唆された。
本研究は,日本鉄鋼協会による鉄鋼研究振興助成金の支援により行われた。