Tetsu-to-Hagane
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Estimation Method of Whiteline Intensity of Platinum Compounds at L3 Edge XANES and the Oxidation Number Using a Laboratory-type Spectrometer
Takashi Yamamoto Kazunori Miyamoto
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2024 Volume 110 Issue 12 Pages 973-980

Details
Abstract

Pt L3 edge XANES spectra of various kinds of platinum compounds were recorded using a laboratory-type X-ray absorption spectrometer. In order to investigate precision and the accuracy for oxidation state analysis of platinum species with a simple method, the white line intensity was evaluated by least squares fitting using four kinds of profile functions (Gaussian, Lorentzian and two types of pseudo-Voigt functions) and one arctangent function for continuum state. Differences in estimated values and the deviations depending on the type of profile function adopted were discussed. White line intensity could be determined easily and reproducibly using pseudo-Voigt function where a fraction of Lorentzian function is variable. The relationship between oxidation number of Pt compounds and white line area obtained by pseudo-Voigt method are the most preferable. The height of the white line for divalent compounds varies greatly in some cases, and then it is inappropriate to apply the height to estimation of the oxidation number of unknown samples. The changes in platinum species of silica supported Pt(NH3)4Cl2 of a catalyst precursor during air calcination was examined by in-situ XANES. The platinum species exist as divalent species up to 473 K, and changed to zero-valent between 473 and 573 K. The present in-situ laboratory XAFS experiment and the oxidation state analysis is consistent with SR XAFS studies by other research group.

1. 緒言

白金の化合物のPt L3吸収端X線吸収端近傍構造(XANES)スペクトルにはホワイトラインとよばれる吸収端に重畳した一本の鋭いピークが存在する。この特徴的なピークは金属状態より酸化物の方が大きく,2p電子の5d軌道への電子遷移に帰属されている。一連のL3吸収端XANESのホワイトライン強度は最外殻d軌道の占有状態と密接に関連しており1,2,3,4,5),わずかな変化の確認も容易である。Pt L3吸収端の測定・利用例は特に多く,さまざまな担持触媒,電極触媒,助触媒,合金,コロイドなどの酸化状態の評価に加え,反応場でのその場観察,近年では空間-時間分解測定,生理活性物質として開発された検体の評価も行われている。L3吸収端XANESのホワイトライン強度はプロファイル関数と連続状態への遷移に対応するarctangent関数のデコンボリューションにより見積る手法6)が一般的であるが,簡単にホワイトライン高さが利用される場合もある。一方で二価ハロゲン塩のホワイトライン強度は同じ酸化数である他の化合物より小さいスペクトル形状を示しており7,8,9,10),ピーク高さは必ずしも酸化数と比例関係にあるわけではない。未知試料中の白金種の酸化状態をXANESスペクトルを利用して簡便に評価するためには,同一酸化数の化合物間および評価方法によるホワイトライン強度のばらつき,酸化数に対する相関性の理解が必要である。

X線吸収微細構造法(XAFS)はX線吸収スペクトルの吸収端のシフトや重畳するピーク,振動構造を解析することにより対象とする元素近傍の構造,酸化状態,電子構造を解析する元素選択的な分光分析法である。鉄鋼および関連材料に関してもさまざまな鉄鋼材料や原料,鋼中の析出物,めっき,皮膜,腐食生成物,スラグなどの分析に加え,反応雰囲気下での測定などに活用されている。1990年代以降のX線吸収スペクトル測定はシンクロトロン放射光の強力なX線を利用して行うことが一般的である。入射光が高強度であることから良質なスペクトルが短時間で計測可能でありppmレベルの低濃度試料測定,近年ではその場測定,時間分解,空間分解測定なども数多く行われている。実験室光源ではシンクロトロン放射光より光量が数桁以上低いために測定対象,試料数,時間および実験内容に制限があるものの,放射光施設とそん色ない結果が得られる場合も多い。実験室系装置の長所は研究開発現場に近いこと,時間,場所,測定環境などオンサイト分析に対する自由度が比較的大きいことである。また必要とする情報に対するエネルギー分解能,ノイズレベルの下限等を見極めて測定条件設定および解析を行うと稀薄試料11,12,13,14,15)や反応条件下でのその場測定16,17,18,19,20,21)も可能である。近年はX線検出器,小型X線源,光学系などの進歩により,実験室系装置の開発および利用研究がふたたび増加しつつある22,23,24,25,26,27)。X線強度が弱いことは必ずしも短所ではなく,測定対象によってはX線損傷の可能性が低いことが利点となることがある。

本研究では酸化数の異なる白金化合物のL3吸収端XANESスペクトルを実験室系装置で測定し,簡便かつ任意性の低い酸化数評価を行うためのホワイトライン強度見積に関する評価法の比較を行った。またシリカに担持した二価白金塩が空気気流下で熱分解する過程のその場観察を行い,酸化状態を推定するとともにその妥当性を検討した。

2. 実験

担持白金触媒前駆体はジクロロテトラアンミン白金水溶液を非晶質シリカ(JRC-SIO-9A。305 m2/g)に353 Kで含浸,蒸発乾固後,383 Kで一晩乾燥することにより調製した(Pt担持量:2 wt%)。触媒試料は加圧成形した直径20 mmのディスクを石英ガラス製セル内に設置し,30 ml/minの空気気流下5 K/minで所定温度まで昇温,1 h保持後,同温でスペクトル測定に供した。

Pt L3吸収端X線吸収スペクトルは実験室系X線吸収分光装置R-XAS Looper(リガク)28)を用い,透過法で測定した。X線源としてMoターゲットおよびLaB6カソード,分光結晶としてSi(620),試料前および試料後検出器としてアルゴンガス封入比例計数管およびシンチレーション検出器をそれぞれ用いた。開放型X線管の印加電圧および管電流はそれぞれ26 kV,50 mAとした。低濃度触媒試料のその場測定にて現実的な時間で評価可能であるスペクトルを得るため,発散,受光,サンプルスリット幅はそれぞれ4.0,0.2,10 mmとした29)。スペクトル測定時間はおよそ1 hである。

XANESスペクトルの抽出および規格化はTanakaらの手法30)に基づき,Igor Proにて作成したプログラム31)で行った。L3吸収端 XANESのホワイトライン(WL)強度はスペクトルをプロファイル関数f(eV)WLと連続状態への遷移に対応するarctangent関数f(eV)contの和である下式をIgor Pro. 6.3で作成したプログラムを用い,11520-11650 eVの範囲でフィッティングすることにより求めた。ホワイトラインのプロファイル関数としてGauss関数とLorentz関数,およびその和であるpseudo-Voigt関数32,33)を用いた。

  
X A N E S = A f ( e V ) W L + f ( e V ) c o n t (1)
  
f ( eV ) WL = η 2 Γ WL π [ 1+4 ( eV E WL Γ WL ) 2 ] 1 + ( 1η ) 2 Γ WL ln2 π exp[ 4ln2 ( eV E WL Γ WL ) 2 ] (2)
  
f ( e V ) c o n t = 1 π tan 1 ( e V E 0 Γ c o n t ) + 1 2 (3)

A, η, ΓWL,Γcont,EWL,Eoはそれぞれホワイトライン面積,Lorentz関数の割合,ホワイトラインの半値全幅(FWHM),初期状態のエネルギー幅,ホワイトラインピーク位置およびフェルミエネルギーである。ここでηが0,1であるプロファイル関数がそれぞれGauss関数,Lorentz関数であり,pseudo-Voigt関数についてηが0.5固定および可変とした4通りの解析を行った。フィッティングに際してη以外のパラメーターはすべて可変とし,制限は加えなかった。

3. 結果と考察

3・1 白金化合物

Fig.1に価数の異なる白金化合物のPt L3吸収端XANESスペクトルを示す。また図中にはホワイトライン高さを酸化数の関数としてまとめている。周知のとおり酸化数とともにホワイトライン強度は大きくなる。二価化合物では化合物間の偏差が大きい。特にPtCl2のホワイトラインは小さく,ピーク位置および高さはゼロ価白金(白金箔)に近かった。隣接する元素種および配位環境が異なる可能性がある未知試料,特に第一配位圏に酸素と塩素が共存する可能性のある系では酸化数をホワイトライン高さで定量的に評価することが困難であることは明らかである。

Fig. 1.

Pt L3-edge XANES spectra of (a) platinum compounds, (b) the white line region and (c) the height plotted as a function of oxidation number. (Online version in color.)

次にホワイトライン強度を種々のプロファイル関数でフィッティングすることにより求めた。代表的なフィッティング結果をFig.2に示す。用いた関数によるスペクトル再現性の違いはホワイトライン低エネルギー側の領域が顕著であり,pseudo-Voigt関数を用いた時のフィッティング残差が最も少なかった。すべての物質についてさまざまな初期値でフィッティングを実行したところ,pseudo-Voigt関数,Gauss関数を用いた場合は各々同一の解に収束した。一方Lorentz関数を用いた解析では複数の二価化合物について初期値により収束値が異なり,arctangent関数のEoがピーク関数のエネルギーEWLより数eV低い値となる場合があった。このとき見積もられたホワイトライン面積はpseudo-Voigt関数を用いた時の1/3程度と小さい。ホワイトラインは2p3/2電子の5d空軌道への遷移であり,フェルミエネルギーより高エネルギー側である収束値は不適切であると考えた。このような場合は初期値をEWL<Eoとして収束した極小値を採用したが,エネルギーおよびホワイトライン面積の誤差範囲は他より1–2桁大きく見積もられた。

Fig. 2.

Typical results of XANES analysis of platinum compounds using (a) Gaussian, (b) Lorentzian and (c) pseudo-Voigt functions as the profile function. (Online version in color.)

解析したホワイトライン面積を酸化数の関数としてFig.3にまとめた。Gauss関数,Lorentz関数で解析した場合は同一酸化数の化合物間でも面積の隔たりは大きく,酸化数とホワイトライン面積の関係が逆転する場合もあった。pseudo-Voigt関数を用いると化合物間の偏差は小さくなり,同一酸化数間の面積のばらつきおよび酸化数と面積の相関性はηパラメーター(Lorentz関数の割合)を変数した解析のとき最高となった。このときE0とEWLは酸化数とともに高エネルギー側へシフトしていた(Fig.S1(Supporting Information))。ここでE0のシフトと比較してEWLの変化量は小さい。この傾向は選択律により5d軌道への遷移が禁制でありホワイトラインが存在しないPt L1吸収端XANESの見かけ上の吸収端シフトが酸化数あたり0.9 eVであること,L3吸収端XANESでは見かけ上の吸収端シフトが0.1 eVと極めて小さいことを確認した先行研究7)とも矛盾がなく,解析の妥当性を示している。また二価と四価化合物でもホワイトライン位置の標準偏差は0.6 eVであり,その半価幅(7.9±0.6 eV)よりはるかに小さい。したがって第一配位圏に酸素と塩素が共存するような系でも一本のプロファイル関数で近似可能であると判断した。

Fig. 3.

Estimated whit line peak area plotted as a function of oxidation number of platinum compounds estimated using various profile functions. η represents a fraction of Lorentzian function. (Online version in color.)

XANESスペクトルのホワイトラインに限らず,近年ではスペクトルの波形分離やピーク解析にはLorentz関数とGauss関数を組み合わせた関数を用いる33,34,35)ことが増加しており,現在利用可能な商用およびフリーソフトウエアにも回帰分析機能にpseudo-Voigt関数をはじめとする複数の関数が選択可能であるものが多く存在する。L3吸収端XANESに存在する強いホワイトラインのプロファイル関数は1990年代まではLorentz関数を利用することが多かった。先に述べた通り低強度のホワイトラインの解析にLorentz関数を適用すると解析誤差が大きくなる場合があり,その妥当性は慎重に評価する必要がある。

以上,L3吸収端XANESスペクトルを未知試料の酸化数評価に利用する場合,プロファイル関数としてpseudo-Voigt関数を用い,ηパラメーターを変数として求めたホワイトライン強度は任意性が低く,かつ確度,精度ともに適していることが確認された。

3・2 シリカ担持白金塩の熱分解過程

Fig.4に非晶質シリカにPt(NH3)4Cl2を含侵担持した触媒前駆体を空気気流下,所定温度で測定したPt L3吸収端XANESスペクトルを示す。ホワイトライン高さは373 Kまでは変化しなかったが,473から773 Kにかけて徐々に低下した。エネルギー領域11570–11640 eVのスペクトル形状は測定温度473 Kまでは前駆体,573–773 Kでは白金箔と類似した。プロファイル関数としてpseudo-Voigt関数を用いて求めたホワイトライン面積をFig.5にまとめた。ホワイトライン面積は測定温度473 Kまでは二価に相当し,573–773 Kでは白金箔と同等となった。ホワイトライン高さが白金箔より高い773 K処理後触媒試料の解析結果が同等である要因は線幅(FWHM)が狭いためである。また本触媒前駆体の空気気流下での熱重量プロファイルには,500–550 Kの範囲で重量減少が確認された(Fig.6)。担持白金種は担持操作および空気気流下473 Kまでは前駆体と同じ二価のままであり,473–573 Kの温度領域で担持白金塩が熱分解し,ゼロ価へ変化したと考えられる。実際に773 K焼成後試料は薄灰色を呈しており,XRDパターンには金属白金の回折線が確認されている。

Fig. 4.

In-situ Pt L3-edge XANES spectra of Pt(NH3)4Cl2/SiO2 under air stream. (Online version in color.)

Fig. 5.

Results of Pt L3 edge XANES analysis of Pt(NH3)4Cl2/SiO2 recorded at various temperature under air stream. The pseudo-Voigt function was used as the profile function. Dotted line represents the value for Pt foil. (Online version in color.)

Fig. 6.

Thermogravimetric analysis (a) Pt(NH3)4Cl2/SiO2, (b) SiO2 and (c) Pt(NH3)4Cl2·H2O under 50 ml/min of air flow. (Online version in color.)

同様の先行研究として,ShishidoらはPt(NH3)4(NO3)2をシリカに含侵担持した試料についてヘリウム気流下での熱分解過程の時分割in-situ XAFS実験をシンクロトロン放射光施設で行い,XANES/EXAFS解析および脱離ガスの質量分析計測により白金ナノ粒子形成過程に関する検討を行っている36)。このときホワイトライン強度は460–500 Kの範囲でわずかに上昇したのち560 Kにかけて急激に低下し,700 Kでは白金箔と同程度となっていた。またEXAFS解析では542 Kから金属種に起因するPt-Pt結合が観察されている。我々の実験とは前駆体アンミン錯体の対陰イオンおよびin-situ XAFS実験の測定雰囲気が異なるものの,担持白金種は500 K付近まで二価状態を保ち,より高温領域ではゼロ価へと還元される挙動は共通していた。我々は所定温度で1 h保持後にスペクトル測定を行っており,定常状態の化学種を観察している。Shishidoらの実験は3 K/minで昇温しながらの時分割測定であり,520から700 Kにかけてゼロ価種の割合が徐々に増加する動的挙動を観測している。したがって先行研究と本研究における化学種の変化挙動は本質的には相違はないと考えている。

我々は以前,本触媒前駆体の加熱下での白金種の酸化状態についてL2,L3吸収端XANESスペクトルをMansourらの手法37)で解析することによる5d空軌道密度の見積もりを試み,白金種は温度上昇とともに単調にゼロ価へと変化する挙動を報告していた29)。その傾向はFig.4のホワイトライン高さ変化と類似する反面,ホワイトライン面積を求めたFig.5の挙動とは異なっていた。参照試料白金箔のL2,L3吸収端XANESスペクトルとのピーク面積差を利用して解析するその手法は,ゼロ価に近い白金触媒試料についてわずかな電子状態の相違を定量的に評価するために活用されている38,39,40,41)。本件のように化学状態が著しく変化する系への適用は好ましくなく,我々の先の解析では酸化数変化が適切に反映されていなかった可能性が高いと考えている。本研究では空気気流下での昇温に伴うホワイトライン面積,XANESスペクトル形状および重量変化挙動が同期していることを確認しており,白金種は473–573 Kで二価からゼロ価への変化が実際の挙動であると判断した。

4. 結言

本研究ではさまざまな白金化合物のPt L3吸収端XANESスペクトルを測定し,吸収端に重畳して観察される特徴的なピーク・ホワイトライン特性と酸化数との関係について評価法,確度・精度およびその任意性に関する検討を行い,Lorentz関数の割合を変数としたpseudo-Voigt関数をプロファイル関数として求めたホワイトライン面積の利用が酸化数評価に適していることが確認された。白金種の酸化数評価はホワイトライン強度がその指標として広く利用されているが,高さは二価化合物間で化学種による偏差が大きい。ホワイトライン高さと酸化数の関係について塩化物系と酸化物系で傾きの異なる検量線を示した例もあるが,適用可能な系は限定的であろう。ホワイトライン面積を波形分離により求めた際,評価に用いたプロファイル関数(Gauss関数,Lorentz関数,二種類のpseudo-Voigt関数)のなかでGauss関数とLorentz関数の比率を変数としたpseudo-Voigt関数を用いると収束値の初期値依存性が低く,同一酸化数である化合物間の偏差が小さかった。このLorentz関数の割合を変数とした解析は面積と酸化数の相関性が最も高く,未知試料の酸化数評価に適していることが確認された。ホワイトラインが白金金属よりはるかに高強度であるChini型白金カルボニルクラスター42),および近年注目を集めている担持白金種を単一原子レベルまで小さくしたシングルアトム触媒43,44),または第一配位圏に酸素と塩素が共存しそれぞれの隣接原子数が変化するような系8,45,46)等の酸化状態評価にも有効であると思われる。

ホワイトライン強度変化をシリカに担持された白金アンミン錯体の空気気流下で昇温過程の挙動観察に適用したところ,白金種は473 Kまで二価で存在すること,473–573 Kでゼロ価種へ変化し,測定最終温度773 Kまで酸化状態に変化がない触媒調製時の変化が観察された。本研究は実験室光源を利用した低濃度試料を測定対象としており,光量を優先し,エネルギー分解能をやや抑制した設定でスペクトル測定が行われている。得られた結果はシンクロトロン放射光施設で実施された類似した先行研究結果36)と矛盾しておらず,実験室系装置の有効性および解析の妥当性が示された。

Supporting Information

Figure S1 shows the estimated fermi energy and the peak position of the white line of platinum compounds at Pt L3 edge XANES analyzed using one pseudo-Voigt and one arctangent functions.

These materials are available on the Website at https://doi.org/10.2355/tetsutohagane.TETSU-2024-015.

文献
 
© 2024 The Iron and Steel Institute of Japan

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