2025 Volume 111 Issue 12 Pages 781-792
REMO-tec, developed by Nippon Steel, is the sintering technique of re-igniting sintering packed bed at certain intervals after first ignition. This method improves sinter yield while maintaining high reducibility, thereby making REMO-tec a technology that contributes to reduce CO2 emissions in both sintering and blast furnace operations. This study aims to investigate the effects of re-ignition and coke breeze reduction on the mineral phase and pore structure of sintered ore through pot tests, providing a comprehensive evaluation linked to sintering operational parameters. Sinter pot tests were conducted with a 130 mm layer of raw materials, focusing on the upper part of the sintering layer. Experimental conditions included a base condition with single ignition and REMO-tec with re-ignition under three levels of coke breeze blending ratios (4.1, 3.3, and 2.9%). Microstructure observation and pore structure analysis were conducted using an optical microscope and image processing, respectively. REMO-tec extended the high-temperature holding time while maintaining the maximum bed temperature, leading to the formation of an acicular calcium ferrite under low coke conditions (3.3 and 2.9%) with a peak temperature of approximately 1250°C. Additionally, pore structure analysis revealed that the reducibility of sintered ore correlates with the volume of pores smaller than 200 µm. Consequently, producing high-FeO sintered ore with an acicular calcium ferrite matrix and a large volume of pores smaller than 200 µm through REMO-tec under low bonding agent conditions is the most desirable approach for balancing sintering operational parameters and reducing CO2 emissions in the ironmaking process.
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて,製銑プロセスからの温室効果ガス排出削減が重要な課題となっている。現行の製銑プロセスにおけるCO2削減には,焼結工程における粉コークス等の凝結材削減および高炉における還元材削減が必須である。特に焼結工程での凝結材削減は,焼結鉱の被還元性向上を通じて高炉の還元材比低減に寄与するが,一方で焼結歩留低下による生産性の低下を招くため,これを克服するための対策が求められる。従来,焼結ベッド上層は中下層に比べ低歩留状態であることが知られており,脆弱な上層の歩留改善のためコークス偏析制御や原料圧密,風量分布制御,燃料ガス吹き込み技術などが検討されてきた1,2,3)。しかし,CO2削減と両立可能な技術開発は限られる。そこで,Matsumuraら4)は焼結ベッド上層に未燃カーボンが多量に残存する点に着目し,Fig.1に示す未燃カーボン低減に効果的なREMO-tec:(Re-ignition Method for Optimization of Total Energy Consumption)を開発した。REMO-tecは初点火後に一定時間を置いて再点火する二段点火技術であり,実機において凝結材一定における成品歩留向上および凝結材低減による被還元性向上効果が確認されている。ゆえにREMO-tecは焼結および高炉双方からのCO2削減を期待できる。
Process image of REMO-tec.
一方で,REMO-tecにおける再点火が焼結鉱の組織に与える影響についての詳細な調査は行われていない。従来,強度や被還元性,耐還元粉化性といった焼結品質は,その構成鉱物と気孔構造に密接に関係するため5,6),組織評価は大きな意義をもつ。焼結鉱は主にヘマタイト,マグネタイト,カルシウムフェライト(CF),シリケートスラグ,気孔から構成される6)。カルシウムフェライトはその外形から,周囲に微細気孔を有する針状CFと多量のシリケートスラグに包まれた柱状CFに大別され,その被還元性は異なる6)。焼結鉱中のCFは結晶構造学的視点においては,Silico-Ferrite of Calcium and Aluminum(SFCA)という,脈石成分を固溶する多成分系の連続固溶体であることがHancartら7)によって報告された。さらに多成分系カルシウムフェライトにはSFCA8),SFCA-I9),SFCA-II10)やSFCA-III11)といった化学組成,結晶構造が異なる同族体の存在が報告されている。このように複雑な結晶形態および構造を示すSFCAは焼結鉱の結合相として作用し,焼結品質を大きく作用する重要なファクターであるため,顕微鏡や結晶構造解析による詳細な調査が必要である。また,気孔構造の解析により,鉱物相および気孔の相互の分布状態を明らかにすることも重要である。そこで本研究では,REMO-tecによる再点火および凝結材削減が焼結鉱の鉱物組織や気孔構造に与える影響を調査し,焼結操業諸元と結びつけた包括的な評価を行い,カーボンニュートラルに向けた技術開発に貢献する知見を提供することを目的とする。
再点火の影響が顕著である焼結層上層に特化した鍋試験(内径300 mm)を実施した。使用した焼結鍋の模式図をFig.2に示す。底を治具で嵩上げし,層厚の調整を可能としている。焼結鉱組織に対する再点火および凝結材配合率の影響を検討するため,点火条件と粉コークス率を変化させた。試験条件および原料配合比をそれぞれTable 1,Table 2に示す。一段点火をBaseとし,粉コークス率は3水準(4.1, 3.3, 2.9%)とした。原料への点火は初点火,再点火ともに,LPGガスを4.25 Nm3/h,空気を120 Nm3/hの流量のもと1分間実施した。原料には粉コークス未配合の実機配合原料,石灰石(−3 mm),粉コークス(−5 mm)を使用した。これらの原料約20 kgをドラムミキサーによって混合2分,造粒5分で,造粒後水分を7.0%とし調整した。焼結鍋へ,床敷鉱として粒径 10~15 mm の焼結鉱を層厚20 mm敷設してから,造粒後原料を落下装入し層厚130 mmとなるように調整した。本実験では通気性の影響を排除するために排ガス風量は初点火,再点火期間を含め,1.3 Nm3/min一定で焼成した。温度ピーク到達後3分間でブロアーを停止した。層内温度は,表層から100 mmの高さを測定した。
Schematic diagram of the sintering pot.
Coke breeze blending ratio (%) |
Burning condition | |
---|---|---|
Base4.1 | 4.1 | Ignition 1 min→ Air suction |
REMO-tec4.1 | 4.1 | Ignition 1 min→ Air suction 1min→ Re-ignition 1min |
Base3.3 | 3.3 | Ignition 1 min→ Air suction |
REMO-tec3.3 | 3.3 | Ignition 1 min→ Air suction 1min→ Re-ignition 1min |
Base2.9 | 2.9 | Ignition 1 min→ Air suction |
REMO-tec2.9 | 2.9 | Ignition 1 min→ Air suction 1min→ Re-ignition 1min |
Raw materials for commercial sintering plant |
Lime stone (−3 mm) |
Coke breeze (−5 mm) |
Total | |
---|---|---|---|---|
(%) | ||||
Base4.1 REMO-tec4.1 |
93.4 | 2.5 | 4.1 | 100 |
Base3.3 REMO-tec3.3 |
94.2 | 2.5 | 3.3 | 100 |
Base2.9 REMO-tec2.9 |
94.6 | 2.5 | 2.9 | 100 |
代表的な焼結品質として,歩留,被還元性および還元粉化性を評価した。歩留は,焼成後のシンターケーキを2 mの高さから4回落下させた後の5 mm以上の重量割合で評価した。還元試験はJIS M8713規格に準拠し,20±1 mmの焼結鉱500 gを900°Cで180 min還元したときの酸素除去率(JIS-RI)とした。低温還元粉化試験は,15–19 mmの焼結鉱500 gを550°Cで30 min還元後,所定の回転ドラムで常温にて900回転させたのちの2.8 mm以下の粉率を還元粉化指数(RDI)とした。
2・3 鉱物組織および気孔構造評価方法破砕後の15–19 mm成品焼結鉱を樹脂埋込みし,その切断研磨面から,焼結鉱組織を光学顕微鏡により観察した。マクロ組織および気孔構造の評価には,各条件1~3枚の試料全断面画像に対し,Python(ver.3.11.7)およびOpenCV(ver.4.9.0)による画像解析を実施した。使用画像は256階調のグレースケール,画素サイズは0.69 µm/pixelで固定し,画像サイズは(10000–35000)×(10000–35000)pxの範囲で解析した。実寸法に直すと,4.7×107~5.8×108 µm2となる。Fig.3に画像処理に関するフローチャートを示す。本解析では,光学顕微鏡写真を輝度閾値に基づき4つの鉱物相と空孔に分類し5値化画像を生成することで,マクロ組織の評価を行った。さらに鉱物相と空孔の二値画像から気孔の検出を行い,各気孔の面積および等面積円相当径を算出し気孔径分布を評価した。ここで,Fig.4に試料の輝度分布の一例を示す。Fig.4で示したように,焼結鉱を光学顕微鏡により撮影した場合,各相の輝度は高輝度側から,ヘマタイト,マグネタイト,SFCA,シリケートスラグ,空孔部の順に並ぶ。この輝度分布からは,各相に対応したピークが存在する。本論文では,これらのピーク間に現れる輝度の極小値を基準に多値化処理を行った。処理結果の一例をFig.5に示すが,Fig.3(1)の5値化による相識別およびFig.3(2)の空孔検出処理が明瞭に行われていることが,Fig.5(b),(c)より確認できる。
Flowchart of image processing. The entries in parentheses correspond to the OpenCV function names used in the process.
Brightness distribution of the optical microscope images. The dashed lines in the figure correspond to the brightness values of the multi-leveling thresholds.
Comparison of images before and after image processing. (a) Original image, (b) 5-level image, (c) Binary image.
また,破砕後焼結鉱の表面に多く存在する粗大な入り江状開気孔も含めた全気孔率を評価するため,画像解析ソフト(Avizo Inspect version2023, 2)による解析を実施した。本解析ではOpenCVによる処理と同様に,輝度閾値に基づき鉱物相と空孔を二値化し,得られた二値化画像に対してAvizo Inspectに搭載されているAmbient Occlusion機能を用いて全気孔率を評価した12)。Ambient Occlusionによる処理では,全方位360°のあらゆる角度から物体に光を当てた際に生じる影の強弱を利用し,焼結鉱表面に存在する入り江状開気孔を含めた空孔領域を抽出する。処理結果の一例をFig.6に示す。輝度閾値のみでは判別が困難であった焼結鉱表面の入り江状開気孔が,空孔領域として抽出されていることが確認できる。全気孔率は,Fig.6中における白と赤の領域面積に対する赤領域の面積割合とした。
Example of processed image for total porosity evaluation using Avizo Inspect.
本研究では面積率を体積率とみなし,考察を行った。
2・4 結晶構造解析法Takayamaら13)は鍋試験にて製造された焼結鉱試料のXRD測定およびリートベルト解析を実施し,高い精度での主要鉱物相分率の定量が可能であることを実証しており,本研究ではこれと同様の手法により焼結鉱中の鉱物相を定量した。15–19 mm成品焼結鉱を破砕し,供試料とした。XRDはCuKα線を用いて,2θ範囲は10–140°で測定した。リートベルト解析で定量した焼結鉱の主成分相は,Fe2O3,Fe3O4,多成分カルシウムフェライトであるSFCA相およびSFCA-I相,シリケートスラグの一種であるダイカルシウムシリケート(Ca2SiO4)とした。
Fig.7に表面から深さ100 mmの温度プロファイルを示し,Table 3に最高温度および1200°C以上の高温保持時間をまとめた。BaseとREMO-tec間では最高温度に大きな差は見られなかったが,粉コークス4.1%および3.3%の条件では,再点火によって高温保持時間が延長した。一方で,粉コークス2.9%のBaseではREMO-tecよりも最高温度と高温保持時間が上回ったが,これはBase2.9(ベース条件の粉コークス配合比2.9%,以降も同様の表記)において熱電対付近に粉コークスが偏析したためと考えられた。発生熱量と高温保持時間の対応関係から,Base2.9の層内温度データは信頼性が担保できないと判断し,考察には使用しない。
Temperature profile during sintering.
Maximum temperature (°C) |
High-temperature (>1200°C) holding time (s) | |
---|---|---|
Base4.1 | 1305 | 187 |
REMO-tec4.1 | 1331 | 253 |
Base3.3 | 1254 | 91 |
REMO-tec3.3 | 1254 | 217 |
Base2.9 | 1274 | 162 |
REMO-tec2.9 | 1251 | 134 |
排ガス分析から計算した未燃コークス率をFig.8に示す。未燃コークス率は再点火および粉コークス削減に伴って減少し,Base4.1では17.6%であったのに対し,REMO-tec2.9では1.5%にまで低下した。また,粉コークスが少ないほどBaseおよびREMO-tec間の未燃コークス差は大きくなった。再点火による粉コークスの燃焼率向上とそれに伴う高温保持時間の延長は既報4)でも報告済であるが,凝結材比がヒートパターンに与える影響は未検討であった。本結果からはREMO-tecの,最高温度を維持しつつヒートパターンをブロード化させる効果が,特に低凝結材比では再点火熱そのものの熱量による影響が大きくなるため,より顕著となることが示唆される。このREMO-tec特有の温度履歴は,再点火熱と未燃コークス燃焼にともなう燃焼帯拡大に起因する。
Effect of re-ignition on unburnt coke ratio.
Fig.9に再点火および粉コークス配合率が,成品歩留,被還元性(JIS-RI),還元粉化指数(RDI)に及ぼす影響について示す。粉コークスの減少に伴い,成品歩留は低下するが,REMO-tecではBaseに比べ歩留低下が抑制される傾向が確認された。具体的には,Baseでは粉コークス配合率を4.1%から2.9%へ1.2%削減した場合,成品歩留が14.4%低下した。それに対し,REMO-tecではこの低下幅が4.8%に抑えられていた。これは,再点火によって未燃コークスの燃焼が促進されることに加え,低コークス下では再点火熱そのものの熱量が歩留向上により大きな影響を与えるためと考えられる。
Effect of re-ignition on product yield, JIS-RI and RDI.
一方で,JIS-RIは粉コークスの減少にともなって上昇し,再点火により低下する。成品歩留とは負の相関関係にあり,REMO-tec2.9(□)とBase4.1(●)で歩留およびJIS-RIが同等となる粉コークス配合率を示した。これは歩留・被還元性のみに着目すれば,再点火を行うことで焼結層上層では1.2%もの粉コークス削減が可能であることを示唆している。
また,RDIに関しては,粉コークス削減により悪化し,再点火により改善する,歩留と同様の変化を示した。これは焼結鉱中のFe2O3量が主要因子となっており,4・2節にて詳細な検討を行う。
3・3 マクロ組織への影響Fig.10に15–19 mm成品焼結鉱のマクロ組織を示す。Base4.1では,緻密化した元鉱や珪石が残存する不均一なマクロ組織が観察された。REMO-tec4.1では,マグネタイトやCF組織が全体に拡がり,粗大な気孔が多数生成した。残留元鉱がほとんど見られなかったことからも,十分に焼成が進行した組織であると考えられる。低凝結材条件のBase3.3およびBase2.9においては,大部分を核鉱石由来の一次ヘマタイトが占めており,CF融液の生成が少ないため周囲との融着が不十分である領域(Fig.10白枠点線内)が観察され,焼結体の結合強度の低さがマクロ組織から理解できる。一方,REMO-tec3.3およびREMO-tec2.9では,組織全体に拡がったCFにより,核鉱石由来の一次ヘマタイト部が周囲原料と十分に融着している組織(Fig.10赤枠点線内)が認められた。
Macrostructure images of 15–19 mm sintered ore (magnification X300).
以上より,REMO-tecではBaseに比べ,融液生成量の増大により同化および塊成化が進行しているものと考えられる。また,凝結材の削減により組織はヘマタイト主体へと変化する傾向を示した。さらに,再点火によりマグネタイト相が増加する傾向が認められ,これはTable 4に示す化学分析による成品FeOからも明らかである。再点火による成品FeO上昇は,再点火燃焼ガス吸引による層内酸素分圧の低下に起因していると考えられる。
T. Fe | FeO | CaO | SiO2 | Al2O3 | MgO | |
---|---|---|---|---|---|---|
Base4.1 | 56.49 | 10.13 | 10.48 | 5.33 | 1.71 | 1.83 |
REMO-tec4.1 | 56.45 | 11.39 | 10.56 | 5.40 | 1.54 | 2.07 |
Base3.3 | 57.20 | 6.38 | 9.44 | 5.11 | 1.61 | 2.01 |
REMO-tec3.3 | 56.48 | 8.81 | 10.33 | 5.53 | 1.69 | 2.20 |
Base2.9 | 57.75 | 5.90 | 8.41 | 5.32 | 1.60 | 2.11 |
REMO-tec2.9 | 57.16 | 7.45 | 9.37 | 5.28 | 1.60 | 2.08 |
Base焼結鉱には融液生成にむらが見られたが,これは未燃コークス残存による不均一な熱量供給が主な要因と考えられる。Fig.8の未燃コークス率推移から,BaseはREMO-tecに比べ未燃コークスが多いことを前述したが,未燃コークスの残存は発生熱量の局所的な偏りを大きくし,形成組織にむらを生じさせる。一方,REMO-tecでは未燃コークスが減少することで組織のむらが抑えられ,均一な融液生成と結合相形成が進行した結果,CFが全体に拡がり,マトリックス強度が向上したことで歩留改善が達成された。
3・4 ミクロ組織への影響Fig.11に代表的な同化部組織を示す。Base4.1およびREMO-tec4.1では両者ともにシリケートスラグを間隙に有する柱状CFおよびマグネタイト組織が主体であり,これは最高温度が1300°Cを超える温度履歴ともよく対応している。一方,Base3.3およびBase2.9では,1次ヘマタイトとその結晶粒子間に浸透したCF共存組織を示した。このCFは微細型で針状へと発達する前段階のものとみられ,高温保持時間の短さゆえに融液への核鉱石の溶融がさほど進行しなかった結果と考えられる。REMO-tec3.3では,マグネタイトと共存する針状CFが認められ,このCFは幅が1~10 µmの針状でその間隙には気孔とシリケートスラグがほぼ均等に分布していた。このような特異な組織は,再点火によるマグネタイト増加に加え,最高温度が1254°Cと比較的低温なヒートパターンのもとでCFが針状を維持したことで形成されたものと考えられる。そして,REMO-tec2.9では微細な斑状ヘマタイトと周囲に空隙を有する針状SFCAの共存組織を示した。ヘマタイト粒は同コークス水準のBase焼結鉱に比べ,微細であり溶融がより進んだ組織と考えられる。
Microstructure images of 15–19 mm sintered ore. (Online version in color.)
以上のように,低凝結材下のREMO-tecは,粉コークス増配のように単にマグネタイトの増加およびCFの柱状化を助長するのではなく,被還元性に優れた針状CFを維持しながらも同化を促進させる効果を示した。これは最高温度の上昇を抑えつつ,高温保持時間を延長させる再点火のヒートパターンによるもので,強度を維持しつつ被還元性向上を目指した焼結組織形成にとっては理想的な低温焼結が可能であることを示唆している。
3・5 結晶構造への影響XRDリートベルト解析による15–19 mm成品焼結鉱の鉱物組成をFig.12に示す。再点火により,マグネタイトおよびカルシウムフェライトの増加傾向が確認された。ただし,粉コークス4.1%の条件では再点火によるカルシウムフェライトの増加が認められなかった。これは,1300°C以上の高温に長時間保持されたことで,CFからマグネタイトとシリケートスラグへの分解が促進したためと考えられる。CFの結晶構造に着目すると,Base4.1ではSFCA割合が特に高く,他の条件ではSFCA/SFCA-Iに大きな差は見られなかった。Base4.1でのみSFCA-Iが著しく低下した要因として,Fig.10に示す未同化元鉱の多量残存によりCF中のFe濃度が他条件に比べ低位となった可能性が考えられるが,詳細は不明である。Base4.1以外ではSFCA / SFCA-Iに大きな違いは生じなかったため,再点火および凝結材比がCFの結晶構造に与える影響は小さいものと考えられる。また,前節での微細組織観察では,凝結材削減に伴いCFが柱状から針状や微細型に変化することを確認したが,これらのCF形態と結晶構造との間には明確な対応関係が認められなかった。特に,柱状CFが大部分を占めるREMO-tec4.1と,針状CFが広域に形成されたREMO-tec2.9のSFCA/SFCA-I比に目立った差異が生じないことからも,この点は明らかである。Hayashiら14)は,CFが針状を呈していても,必ずしもSFCA-I結晶構造を取るとは限らず,SFCA結晶構造を示す場合があることを報告しており,本研究の結果もまた,CFの形態と結晶構造が一対一で対応しない可能性を支持するものである。
Mineral phase ratios in 15–19 mm sintered ore.
焼結鉱の全気孔率に対する粉コークス率および再点火の影響をFig.13に示す。Base2.9を除き,全気孔率は再点火および粉コークス増配によって低下傾向にあった。一般に気孔率の高さは塊成化具合と反比例するため,再点火および粉コークス増配による歩留向上と全気孔率の低下は対応していると考えられる。なお,Base2.9はFig.10に示されるように,他条件に比べ凹凸の少ない外形状の焼結鉱断面であったため,Avizo Inspectによる画像処理の都合上,焼結鉱表面に存在する入り江状開気孔が極めて少なくなり,小さな値となった。
Effect of re-ignition on total porosity.
Fig.14に各コークス水準における気孔径分布を示すが,グラフ縦軸は全気孔面積を100%とした存在比として表示している。1000–10000 µmの範囲で値が離散しているのは,1000 µm以上の粗大気孔の数が少なく,連続的なデータが得られなかったためである。粉コークス4.1%および3.3%では,REMO-tecの気孔径分布がBaseに比べて大粒径側にシフトしていることが確認された。さらに,REMO-tecの気孔径分布は20–30 µmの範囲で極小値を示し,これは2種類の気孔が存在することを示唆する。一つは残留元鉱中や針状CFの間隙に形成される20 µm以下の不定形微細気孔であり,もう一つは融液生成により同化組織中に形成される30 µm以上の球形気孔である。REMO-tecはBaseに比べ高温保持時間すなわち融液生成時間が長いため,融液流動に伴う気孔統合が促進され,後者の平均気孔径が大きくなることが推測される。したがってREMO-tecの気孔径分布には2種類の気孔の境界となる谷がBaseよりも明確に形成されたものと考えられる。粉コークス2.9%では1000 µm以下の気孔径分布に大きな差異は見られなかったものの,REMO-tecではミリメートルオーダーの粗大気孔がいくつか形成されており,塊成化がより進行した分布であるといえる。
Pore size distribution in 15–19 mm sintered ore.
Fig.9より,REMO-tecはBaseに比べ歩留を向上させ,特に低コークスほどその効果が顕著であることが確認された。しかし,課題となるのは被還元性の悪化である。焼結工程で凝結材を削減できたとしても高炉で還元材比が増加すれば製銑プロセス全体のCO2排出削減にはつながらない。ここでは焼結鉱の被還元性を左右する因子を検討し,REMO-tecに焦点を向けた被還元性制御について考察する。
Fig.15に,今回の調査でJIS-RIに最も大きな差異がみられたBase2.9およびREMO-tec4.1における還元後組織の一例を示す。Base2.9では直径数µmから200 µmまでの気孔を多く含み,微細なCF組織が均一還元されている様子を確認できた。一方,REMO-tec4.1では還元前主要組織であるマグネタイトおよびCFの還元途中である組織がみられた。また,REMO-tec4.1では,直径数µmから数十µmの微細気孔が少なく,還元が直径100から200 µmの気孔表面から進行している様子が確認された。Sakamotoら15)は,微細型CFおよび針状CFの被還元性が柱状CFに比べ優位であることを明らかにし,この理由について微細型CFに含まれる多数の微細気孔が還元ガスの組織中への拡散を阻害しないためと指摘している。本調査でも,Base2.9に含まれる微細気孔が均一な還元を助長していることが確認され,JIS-RIには直径数µmから200 µm程度の微細気孔が大きな影響を及ぼすと考えられた。そこで,画像解析により測定された200 µm以下の気孔が焼結体面積に占める面積率を,<200 µm気孔量としてJIS-RIへの影響を示したのがFig.16である。JIS-RIはBaseおよびREMO-tecともに<200 µm気孔量に強く依存する結果を得た。またJIS-RIはFig.17に示すように概ねFeOにも相関を示したが,Base4.1(FeO=10.13%)とREMO-tec2.9(FeO=7.45%)が同等のRIを示した点については以下の要因が考えられる。3・4節のFig.11に示したようにBase4.1およびREMO-tec2.9は同化部の微細組織が異なり,前者はマグネタイトおよびシリケートスラグを含んだ柱状SFCAであるのに対し,後者は斑状ヘマタイトおよび針状SFCAであった。そのため,還元速度に着目するとREMO-tec2.9はBase4.1よりも早く還元が進行したものと考えられる。しかし両者は同等の<200 µm気孔量を示し,Base4.1では難還元性を示すマグネタイトやシリケートスラグ組織内に<200 µm気孔が適切に分散していたことで,180 minという還元時間内で十分なガス拡散が行われ,還元が進行した結果,両者の最終到達還元率が同等になったと推察される。したがって,JIS-RIには焼結鉱中への還元ガス拡散を促進させる<200 µm気孔量が有効であり,BaseおよびREMO-tec焼結鉱両者における被還元性指標に適している。従来焼結鉱の被還元性に及ぼす気孔の重要性に関する報告は多く,さらに被還元性に有効とされる気孔サイズは報告によって異なる16,17)。Higuchiら16)は,残留元鉱および同化後試料の900°C還元率が<400 µm気孔量で整理されることを報告している。さらに,Maedaら17)は焼結鉱本来の被還元性はそれを構成する鉱物組織と各組織に含まれるミクロ気孔によって決定されるが,各組織に還元ガスを供給する直径50 µm以上のマクロ気孔の割合と構造が焼結鉱全体としての被還元性を決定するうえで重要な役割を果たすと述べている。本研究ではこれらの知見と同様,直径数百µmの気孔に着目し,<200 µm気孔量が被還元性制御において最も重要な因子であると結論付けた。
Microstructure images of sintered ore after reduction test. (Online version in color.)
Effect of <200 µm pore volume on JIS-RI.
Effect of FeO content on JIS-RI.
耐低温還元粉化性は,今後予想される高炉における水素系ガス吹き込みにともない,低温域の拡大を考慮するとその重要性が一層増すと考えられる。本節では,RDI制御に向けて焼結鉱の還元粉化機構を若干考察する。RDIの主要因子には主に(1)FeO含有量,(2)ヘマタイトの結晶形態,(3)焼結鉱強度があげられる。FeOは低量であるほどヘマタイト量が増え還元膨張箇所が増加することでRDIの悪化につながる。ヘマタイトの結晶形態は,骸晶状菱形ヘマタイトが通常のヘマタイトに比べ著しく還元粉化を起こすことが報告されている18)。焼結鉱強度は,低位であるほどき裂伝播が容易となり粉率が増加する。還元粉化現象はこれら因子の複雑な相互作用のもと引き起こされる。
本調査においては,リートベルト解析により得られたFe2O3量がFeO含有量よりもRDIと直接的な対応を示すと考えられたため,Fe2O3量とRDIの関係をFig.18に示す。両者は良好な対応関係を示し,RDIがFe2O3量に強く支配されることは明らかである。さらに詳細に考察すると,Base4.1(●)とREMO-tec3.3(△)の比較,さらにBase3.3(▲)とREMO-tec2.9(□)の比較においてFe2O3量にほとんど差がないにもかかわらず,REMO-tec焼結鉱は若干RDIが悪化している。これはヘマタイトの結晶形態差の影響と考えられ,多くのヘマタイトが残留元鉱や1次ヘマタイトとして存在するBase焼結鉱に比べ,REMO-tec焼結鉱では融液から晶出した骸晶状ヘマタイトが一定量観察されたため,この違いがわずかに差を生じさせたと推察される。一方,ヘマタイトの大部分が骸晶状であるREMO-tec4.1ではFe2O3量に対するRDI値が他条件から想定されるそれよりも低いものとなっており,これは骸晶状菱形ヘマタイトが著しい還元粉化性を示すという従来の報告18)と矛盾するものである。この原因を検討するため,Fig.19にREMO-tec4.1および本調査で最も高RDIであったBase2.9の還元粉化試験後組織を比較する。還元によるき裂発生領域とき裂未発生還元領域をそれぞれ観察した。Fig.19(a)はREMO-tec4.1においてき裂の発生が認められた領域であり,外周部に形成された骸晶状ヘマタイトを起点として内部へと続くき裂が発生していた。それに対しFig.19(b)は気孔の周辺に形成した骸晶状ヘマタイトの還元後組織であるが,ヘマタイト自身およびその付近に目立ったき裂は認められなかった。これは,骸晶状ヘマタイトが還元時に必ずしも割れを生じるとは限らず,き裂の生成が周囲の鉱物組織や気孔構造に影響されることを示唆する。REMO-tec4.1におけるヘマタイトはその大部分が骸晶状であったものの絶対量が少なく,周囲をマグネタイトおよび柱状CF,シリケートスラグの共存組織に囲まれているうえ,き裂の伝播を促進させるような微細気孔が少ない。ゆえに還元膨張時に発生する歪みは大き裂を発生するにいたらず,結果として低RDIになったと考えられる。Fig.19(c)はBase2.9において,元鉱表層部に形成された粒成長ヘマタイトの結晶群に還元き裂が生じている様子である。これは還元粉化がREMO-tec4.1のような高温型焼結鉱に多くみられる骸晶状菱形ヘマタイトだけでなく,Base2.9のような低温型焼結鉱にみられる1次ヘマタイト由来の粒成長ヘマタイトにも同様に発生することを意味する。Inazumiら18)は骸晶状菱形ヘマタイトの著しい還元粉化性について,結晶が並行連晶状に繋がっていること,およびヘマタイトの結晶内包物との還元速度の違いにより生じる膨張差が原因と指摘している。また,Shigakiら19)は骸晶状ヘマタイトの粉化性について,円形異物質をもつ無限平板モデルを用いて考察し,内包物があればどの場合も応力集中が起こることを報告している。さらに,骸晶状ヘマタイトは還元時に発生した応力が内包物との境界で集中するため,種々の方向に割れやすく,このことは内包物含有多結晶ヘマタイトにも適用し得るものと述べている。以上を踏まえSasaki and Hida6)は,残留元鉱の周りで粒成長し,スラグを内部に残したヘマタイトの大結晶も粉化を引き起こすことになると指摘し,これはまさにFig.19(c)のような粒成長ヘマタイト還元によるき裂生成にあたる。一方Fig.19(d)にはBase2.9において針状CFと共存する斑状ヘマタイトの還元領域を示しており,き裂は発生していない。Inazumiら18)は斑状ヘマタイトが低温還元粉化に対して安定した結晶形態であることを報告しており,本研究はこれに矛盾しない。また,本調査では低歩留を示す焼結鉱ほどヘマタイトおよび微細気孔を多く含む傾向にあり,低強度焼結鉱はその組織および気孔の両面から還元粉化が促進されたと解釈できる。
Relation between Fe2O3 content and RDI.
Microstructure images of sintered ore after reduction disintegration test. (Online version in color.)
以上より,低温還元粉化にはヘマタイト含有量が最も大きな支配因子であり,ヘマタイトの結晶形態差や気孔構造の影響は小さかった。さらに低温型焼結鉱であっても,き裂の起点となり還元粉化を助長する粒成長ヘマタイトが少なからず形成されることを確認し,ヘマタイトの結晶形態制御によるRDI改善は難しいことが予想された。よって,耐還元粉化性の向上には高FeOであることが最も直接的で現実的な対策といえる。しかし,例えば粒成長ヘマタイトの生成を抑えつつ,斑状ヘマタイトを均質に造り込むなどの高度な結晶形態制御が可能となれば,低FeOおよび低RDIを両立する焼結鉱製造の余地はあると考えられる。
4・3 CO2削減に向けた操業条件本節ではREMO-tec操業において焼結品質のバランスを維持しつつ,焼結および高炉双方からのCO2排出を最大限削減可能な操業条件を,焼結組織の観点から検討する。Table 5に粉コークス消費量を含めた各条件の操業諸元および焼結品質をまとめる。本調査では,REMO-tec2.9の歩留および被還元性がBase4.1よりもわずかに向上していることから,耐還元粉化性を犠牲にすれば粉コークス消費量を18.2 kg/t-s@upper layer削減できる。RDIの悪化を防ぎつつCO2削減を考える場合は,Base4.1に対してRIおよびRDIが1~2%悪化するものの,成品歩留が1.2%上昇したREMO-tec3.3が最適であり,粉コークス消費量を12.9 kg/t-s@upper layer削減できる。本試験は3水準の粉コークス配合率のもと実施したが,Fig.9に示すように,すべての焼結品質を同時に改善しながらCO2削減を達成できる操業条件は存在しない。これは,歩留と被還元性,被還元性と耐還元粉化性がトレードオフの関係にあるという従来の知見からも明らかであり,その同時改善は難しい。そこでRIおよびRDI制御に向け考察を行った4・1,4・2節を踏まえ,理想的な焼結組織について以下に考察を述べる。
FeO | Product yield | JIS-RI | RDI | Coke breeze consumption | |
---|---|---|---|---|---|
(%) | (kg / t-s@upper layer) | ||||
Base4.1 | 10.13 | 66.8 | 72.4 | 24.9 | 61.4 |
REMO-tec4.1 | 11.39 | 71.9 | 67.9 | 20.1 | 57.0 |
Base3.3 | 6.38 | 56.0 | 77.1 | 29.1 | 58.9 |
REMO-tec3.3 | 8.81 | 68.0 | 71.2 | 26.7 | 48.5 |
Base2.9 | 5.90 | 52.4 | 79.6 | 34.1 | 55.3 |
REMO-tec2.9 | 7.45 | 67.1 | 72.8 | 30.7 | 43.2 |
第一に,成品歩留安定化にはFig.10に示す焼結鉱のマクロ組織の影響が大きいと考えられ,強度発現には主要鉱物相の中で最も基質強度の高いCF20)が結合相として組織全体に均一に分布していることが重要である。そのため,再点火によって未燃コークスおよび未同化領域を減少させ,融液生成を促進することで組織の均質性を向上させることが有効である。第二に,被還元性の向上に関しては,4・1節で<200 µm気孔量がJIS-RIに対して大きな寄与を示したことから,難還元性を示すマグネタイト主体の組織であっても,<200 µm気孔を多く含む多孔質組織を形成することができれば,JIS-RIを維持できると考えられる。これには,REMO-tec3.3やREMO-tec2.9のような空隙を有する針状CF形成および融液流動による気孔統合を適切なヒートパターンにより制御することが重要である。第三に,耐還元粉化性の改善には低ヘマタイトすなわち高FeOであることが最も望ましく,再点火による高FeO化が有効である。以上より,理想的な焼結組織とは,組織全体に均一に拡がる針状CFマトリックスを持ち,多量の<200 µm気孔を含有した高FeO多孔質焼結鉱であるといえる。このような焼結鉱を造り込むためには,再点火および凝結材削減によるヒートパターンの最適化,SiO2およびAl2O3源副原料の細粒化等が有効である。ここで最適なヒートパターンとは,REMO-tec3.3で示されたように,最高温度を1250°C前後に抑え針状CFの分解を防ぎつつ,再点火による高温保持時間の延長および冷却速度の低下により,CF生成量の増加および針状CF周囲の空隙形成を促進するような14)温度プロファイルを指す。さらにSiO2およびAl2O3源副原料の細粒化は,針状CF成長に必要な脈石成分の分布を均等化することで,針状CFマトリックス形成に有利となると考えられる。
以上がREMO-tecにおいて造り込むべき理想的な焼結組織であると結論付けたが,これら考察は焼結ベッド上層に特化した鍋試験による調査に基づいており,実層厚において懸念される通気異常やコークス勾配等の影響を考慮していないため,これらは今後の検討課題として残されている。
再点火および凝結材削減が焼結鉱組織に及ぼす影響について,焼結層上層に特化した層厚130 mmの鍋試験を実施し,焼成後試料の解析も含め,以下の知見を得た。
(1)再点火は粉コークス燃焼率を上昇させ,未塊成化部分を減少させることで焼結鉱強度を高め,歩留向上に寄与した。特に,この効果は低コークス条件下で顕著である。
(2)(1)の整理より層厚130 mmにおいては,再点火により粉コークス配合比を4.1%から2.9%へ低減しても成品歩留が維持可能である。
(3)再点火は層内高温保持時間を延長させるが最高温度は維持されるため,1250°C前後をピーク温度とする低粉コークス配合比(2.9, 3.3%)のREMO-tecでは,針状CFが形成された。
(4)再点火および凝結材削減が,CFの構成比(SFCAとSFCA-Iの存在比),すなわち結晶構造に及ぼす影響は小さい。
(5)焼結鉱の被還元性は,気孔径200 µm以下の気孔量と強い相関を示した。
(6)再点火は融液流動を促進させ,気孔径30 µm以上の球形気孔を粗大化させる。また,気孔径200 µm以下の気孔量は再点火により減少し,粉コークス減配によって増加する。その結果,上記(2)に示した再点火付与かつ粉コークス削減による,気孔径200 µm以下の気孔量と被還元性の変化は小さくなった。
本研究では以上の組織的観点からの調査を踏まえ,針状CFマトリックスを形成した,気孔径200 µm以下の気孔を多量に含有した高FeO多孔質焼結鉱を,低凝結材下のREMO-tecにより製造することが,焼結操業諸元のバランスおよび製銑プロセスからのCO2排出削減の両面から最も理想的であると結論付けた。
本論文に関して,開示すべき利益相反関連事項は存在しない。