Tetsu-to-Hagane
Online ISSN : 1883-2954
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Microstructure Development during Creep Deformation of 9Cr–1Mo–V–Nb Steel with Excess Nitrogen Introduced by Solution Nitriding – Multidimensional Scatter Diagram Analysis of STEM-EDS Maps by Machine Learning –
Tomotaka Hatakeyama Shuntaro IdaKota SawadaKyosuke Yoshimi
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2025 Volume 111 Issue 9 Pages 536-549

Details
Abstract

Creep deformation and precipitation behavior of 9Cr–1Mo–V–Nb steel with excess nitrogen introduced by solution nitriding were investigated. Precipitation of Cr2N phase was confirmed in addition to M23C6 and MX phases in the tempered microstructure. The creep strength of the steel was significantly reduced by solution nitriding, while the creep rupture elongation was increased. To characterize the complex precipitation behavior of the nitrogen-added steel, a machine learning-based clustering method of the multidimensional scatter diagram of the X-ray intensity of the alloying elements in each pixel of a STEM-EDS map was developed. Reduced number density of precipitates and enhanced coarsening kinetics of both Cr2N and MX were proposed as the mechanism of weakening caused by excess nitrogen.

1. 緒言

9Cr–1Mo–V–Nb鋼(火STPA28, ASME SA335M P91)は,高効率石炭火力発電プラントの配管等で広く用いられるフェライト耐熱鋼である1)。火力発電分野では,2050年のカーボンニュートラル達成に向けてアンモニア燃料の混焼・専焼技術の開発が推進されている2)。高温環境でアンモニアは水素と窒素に分解し,材料中に窒素が侵入する。これを活用したのがガス窒化であり,窒化物の生成等により表面近傍で高い硬度が得られる3)。一方で,ガス窒化が行われる温度は773–873 K程度3)と9Cr–1Mo–V–Nb鋼の使用温度範囲と合致しており,アンモニア雰囲気で鉄鋼材料を数十年間使用した場合,材料特性が変化する可能性がある。

ASME SA335M P914)では,9Cr–1Mo–V–Nb鋼の窒素量は0.030–0.070 mass%と規定されている。Tsuchidaらは,真空溶解により窒素を0.01–0.06 mass%まで変化させた9Cr–1Mo–V–Nb鋼を作製し,クリープ破断強度に及ぼす窒素量の影響を調査した5)。窒素量が少ないほどMXn(n≦1)が微細かつ高密度に析出するため,1,000 h程度の短時間側のクリープ強度は高い。一方で,窒素量とともにnが増加しMXnの熱力学的安定性が向上するため,20,000 h以上の長時間側のクリープ強度は窒素量が0.03 mass%以上の方が優れている可能性が指摘されている5)。この窒素量は,規格の下限値に相当する。

フェライト耐熱鋼により多く窒素を添加して特性向上を目指す研究も行われている。フェライト中の窒素の固溶限は最大で0.1 mass%程度であるため溶解時に窒素を多量に添加することは困難であるが,Yamasakiらは,加圧溶解法を用いることで9Cr鋼に対して窒素を0.3 mass%添加することに成功した6,7)。ただし,溶解時に粒子径が数µmの粗大なVN粒子が晶出する6,7)。窒素を0.3 mass%添加した9Cr鋼のクリープ強度は923 Kでは500 hより短時間側で9Cr–1Mo–V–Nb鋼より高いものの,高温・長時間側で強度低下する6)。一方でMatsubaraらは,加圧溶解法により窒素を0.3 mass%添加すると9Cr鋼の耐酸化性が著しく向上することを報告している8)

そこで本研究は,9Cr–1Mo–V–Nb鋼に窒素を多量に添加した場合のクリープ変形挙動や析出挙動を調査することを目的とする。窒素の添加には,窒素固溶量の大きなオーステナイト単相域にて窒素雰囲気中で熱処理を行い,表面から窒素を内部に拡散させる固相窒素吸収法を用いた9,10,11)。これは,固相プロセスであるため,粗大なVN粒子の晶出を避けることができる利点がある。また,冷却時のマルテンサイト変態により過飽和にマルテンサイトに固溶した窒素が,焼戻しによって窒化物として析出することも期待される。

ところで我が国では,データ駆動型の材料開発が強く推進されている12)。構造材料におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の第一歩は,ミクロ組織の定量化である。耐熱鋼のクリープ特性を考える場合,析出物の種類,サイズ,数密度等は,ミクロ組織を記述する重要な特徴量である。グレースケールのミクロ組織画像から機械学習を用いて特徴量を抽出する取り組みが進められているが13,14,15,16),コントラストのみでマルテンサイト中の複数種類の微細な析出物を区別して特徴量を抽出するのは困難である。一方で,ミクロ組織画像の各ピクセルに化学組成など他の記述子が格納されていれば,析出物の抽出が容易になると考えられる。そこで本研究では,窒素の添加により複雑な析出挙動を示した9Cr–1Mo–V–Nb鋼の元素マップを基に,微細な析出物を効率的に抽出し定量評価する手法を検討し,その手法を用いてクリープ中の組織変化を評価した。

2. 実験方法

供試鋼は9Cr–1Mo–V–Nb鋼のPipe材である。受け入れまま材の化学組成をTable 1に示す。Pipeの長手方向と応力方向が一致するように平行部径6 mm,標点間距離30 mmのツバ付きクリープ試験片を採取した。組織観察用の試験片およびクリープ試験片に対して,固相窒素吸収熱処理を1473 K,1気圧の窒素雰囲気中で48 h行った17)。この熱処理により粗大化した旧オーステナイト粒径を調整する目的で,1033 K/1 hの焼戻し,1323 K/1 hの再焼ならし,1053 K/1 hの焼戻しをそれぞれ1気圧の窒素雰囲気中で行った18)。熱処理終了後は炉冷した。以降,Fig.1に示す4段階の熱処理を行った試料を窒素吸収材と呼ぶ。

Table 1. Chemical composition of an as-received 9Cr–1Mo–V–Nb steel (mass%).

CCrMoVNbMnNSPSiNi
0.098.580.940.210.070.350.04<0.010.010.220.04
Fig. 1.

Thermal history of the solution-nitriding treated sample.

窒素吸収材のクリープ試験を923 Kの大気雰囲気中,一定荷重で実施した。公称応力は100, 80, 70 MPaとした。窒素吸収材のクリープ試験前およびクリープ破断材平行部の組織を走査型電子顕微鏡(SEM),電子線後方散乱回折法(SEM-EBSD),走査透過型電子顕微鏡(STEM)およびエネルギー分散型X線分光分析(STEM-EDS)により評価した。SEM観察用の試料は,コロイダルシリカを使用したバフ研磨により仕上げた。STEM観察用の薄膜は,10%過塩素酸–10%エタノール–80%氷酢酸溶液を用いて,ツインジェット電解研磨により作製した。SEM-EBSDにより得たデータは,OIM-Analysis 8.6(EDAX製)により解析した。STEM-EDSにより得た256×256点(=65,536点)のC,N,Si,V,Cr,Mn,Fe,Nb,Moの9元素の特性X線強度データをOrange Data Mining19)を用いて解析した。ミクロ組織画像はFijiを用いて解析した20)。SEM観察用の試料を用いてVickers硬さを5 kgfで測定した。各試料に対して5点の測定を行い,最大値と最小値を除いた3点の平均値をVickers硬さとした。

3. 結果

3・1 窒素吸収材のクリープ特性

Fig.2(a)に,窒素吸収材を923 Kでクリープ試験して得られた応力-破断時間線図を示す。比較のため,NIMSクリープデータシート21)で報告されている9Cr–1Mo–V–Nb鋼のTube材(T91)と,Pipe材(P91)の結果も示す。窒素吸収材のクリープ強度は,NIMSクリープデータシート材の下限値より低い値を示した。Fig.2(b)と(c)は,窒素吸収材の923 Kのクリープ試験で得られた(b)破断伸び,(c)破断絞りと破断時間の関係である。Fig.2(a)と同様に,NIMSクリープデータシート材の結果を比較のため示した21)。短時間側,すなわち高応力域で窒素吸収材の破断伸びが優れていたが,破断絞りはNIMSクリープデータシート材と同程度であった。

Fig. 2.

(a) Stress, (b) elongation and (c) reduction of area vs time to rupture diagram of the solution-nitriding treated sample and conventional modified 9Cr–1Mo steels21).

Fig.3に,窒素吸収材の923 Kのクリープ試験で得られた各応力の(a)–(c)ひずみ–時間曲線,(d)–(f)クリープ速度–時間曲線,(g)–(l)クリープ速度–ひずみ曲線を示す。(g)–(i)の横軸は線形であり,(j)–(l)の横軸は対数である。Fig.2にプロットしたNIMSクリープデータシート材の中で,破断時間が最も短いT91(MGDヒート)の同じ試験条件で得られたデータも比較のため示す。MGDヒートと比較して,窒素吸収材はまず遷移域でのクリープ速度が速かった。MGDヒートはひずみ1%程度で最小クリープ速度に到達したのに対し,窒素吸収材はひずみ3%程度で最小クリープ速度に到達した。すなわち,加速域開始時のひずみ量が大きかった。一方で,加速域でのクリープ速度のひずみに対する増加率は,MGDヒートよりやや小さかった。

Fig. 3.

(a)–(c) Strain vs time curves, (d)–(f) creep rate vs time curves, (g)–(i) creep rate vs strain (linear) curves and (j)–(l) creep rate vs strain (logarithmic) curves of the solution-nitriding treated samples and T91 steel (MGD heat) under (a)(d)(g)(j) 100, (b)(e)(h)(k) 80, and (c)(f)(i)(l) 70 MPa at 923 K.

Fig.4に,窒素吸収材およびNIMSクリープデータシート材の923 Kにおけるクリープ破断時間と最小クリープ速度の関係(Monkman–Grant則22))を示す。窒素吸収材のプロットは,灰色の実線で示したNIMSクリープデータシート材21)の近似直線とは一致せず,破断時間と最小クリープ速度の積が大きくなる側に平行移動した。破断時間(tr)と最小クリープ速度(ε˙min)の積は,クリープ速度(ε˙)–ひずみ(ε)線図の遷移域と加速域の接線の傾き(dlnε˙/dε)をそれぞれ-1/A,1/Bとしたとき,trε˙min=A+B2で表される23)。窒素吸収材のMonkman–Grant則の平行移動は,Fig.3(g)–(i)で示したε˙ε線図の傾きが,遷移域および加速域で小さい(A,Bが大きい)ことと一致する。

Fig. 4.

Relationship between minimum creep rate and time to rupture at 923 K21).

Fig.5(a)–(c)に,クリープ破断材の外観写真を示す。画像に投影された試験片平行部の幅を1 mm間隔で測定し,平行部が真円であると仮定し換算した各地点の断面減少率と破面からの距離の関係をFig.5(d)に示す。NIMSクリープデータシートに掲載されている923 K,70 MPaで破断したMGDヒート(破断時間(tr)=5,058.5 h,破断伸び(El)=37%,破断絞り(RA)=87%),MGFヒート(tr=6,123.6 h, El=30%, RA=82%),MGGヒート(tr=6,920.3 h, El=34%,RA=86%)の外観写真から求めたプロットも示す21)。NIMSクリープデータシート材は破面近傍のみ断面減少率が大きく,10 mmより離れた個所の断面減少率は,15%程度かそれ以下であった。それに対して窒素吸収材は断面減少率が大きな領域が,破面から離れた平行部にも広く分布しており,Fig.5(a)–(c)に矢印で示すように,破壊した箇所以外でもネッキングが生じていた。

Fig. 5.

Appearance of the creep-ruptured specimens ruptured after crept for (a) 200.3 h under 100 MPa, (b) 1027.9 h under 80 MPa, and (c) 2092.3 h under 70 MPa at 923 K. (d) Relationship between reduction of area and distance from fracture surface of the creep ruptured specimens. (e) Creep rupture elongation of solution-nitriding treated samples and T91 steels; length of the grey and white color in the bars indicate the contribution of the elongation estimated from the reduction of area at >10 mm and ≦10 mm from fracture surface, respectively. (Online version in color.)

Fig.5(e)に,Fig.5(d)に断面減少率を示した6つの試験片の破断伸びを示す。棒グラフの灰色および白色の領域の長さは,破面からの距離が10 mm以内および10 mmより離れた領域での変形量の破断伸びに対する寄与をそれぞれ示している。破面からの距離が10 mmより離れた領域での変形量は,次の手順で求めた:①クリープ破断材の外観写真から,長手方向に1 mm間隔で平行部の幅Dを測定する。②破面からの距離が10 mmからツバまでの幅1 mmの各区間が,直径D×高さ1 mmの円柱であるとみなす。③その円柱と体積が等しい直径D0=6 mm(試験前の試験片の直径)の円柱の高さh[mm]を求める。④円柱のクリープによる変形量を1-h[mm]とし,ツバまでの幅1 mmの各区間の変形量の和が,長さ30 mmの試験片平行部の伸びに占める寄与を計算した。また,破面からの距離が10 mm以内の領域の寄与は,試験片から直接測定した伸びと,先に求めた10 mmより離れた領域の伸びの差を計算することで求めた。このグラフから,窒素吸収材は,灰色で示した破面から離れた領域での伸びが大きいことが分かる。また,破断伸びは顕著にネッキングした破面近傍でその大部分が担われていることも確認できる。

3・2 窒素吸収材のミクロ組織

1473 KにおけるFe中の窒素の拡散係数(D=9.18×10−11[m2/s]24))を用いてt=48 hでの拡散距離xx2Dtとして計算すると約5.6 mmとなる。また,先行研究により,1473 K/48 hの固相窒素吸収熱処理によって,直径6 mmのクリープ試験片平行部の半径に相当する3 mm以上の深さまで窒素が拡散することが確認されている17)。先行研究における窒素吸収材の表面近傍の窒素濃度は0.17 mass%17)であり,抽出残渣を用いて分析した析出物中の窒素量(0.12 mass%)との差分から,母相に固溶している窒素量は0.05 mass%程度と見積もられた17)

Fig.6(a)に,窒素吸収材のSEM像を示す。組織は焼戻しマルテンサイトで析出物が微細に分散しており,数µmを超えるような粗大な窒化物は観察されなかった。Fig.6(b)は,SEM-EBSDで得られたImage quality(IQ)マップとInverse pole figure(IPF)マップを重ねたもので,この図からもマルテンサイト組織であることが確認される。このIPFマップの方位情報を基に,Kurdjumov–Sachs(K–S)の関係を用いて旧オーステナイト粒を再構築したIPFマップをFig.6(c)に示す。図中の黒線は方位差15°以上の高角粒界であり,これより窒素吸収材の旧オーステナイト粒径は約20.9 µmと求められた。旧オーステナイト粒径が約15 µm25)であった受け入れまま材から1473 K/48 hの固相窒素吸収熱処理によって数百µmまで粗大化した旧オーステナイト粒径17)は,Fig.1に示す4段階の熱処理中に再焼ならしをすることで,通常材と同程度に調整できたことが確認できた。

Fig. 6.

(a) SEM image, (b) image quality (IQ) overlaid on inverse pole figure (IPF) map, and (c) reconstructed orientation map by K–S orientation relationship overlaid on grain boundary with misorientation of >15 degrees obtained from the solution-nitriding treated sample. (Online version in color.)

Fig.7(a)に,窒素吸収材のSTEM明視野像を示す。焼戻しマルテンサイト組織中にも,大量の析出物が確認できる。この視野から取得したSTEM-EDSマップをFig.7(b)–(j)に示す。元素マップの上部のカラーバーは,各元素の特性X線強度を示している。Fig.7(d),(g),(h)では母相の特性X線強度が画像左下で低くなっているが,これは膜厚の違いに起因するものと考えられる。Fig.7(b)および(c)より,炭化物および窒化物が高密度に析出していることが分かる。

Fig. 7.

(a) Bright field STEM image and STEM-EDS mapping for (b) C–K, (c) N–K, (d) Si–K, (e) V–K, (f) Cr–K, (g) Mn–K, (h) Fe–K, (i) Nb–L, and (j) Mo–L of the solution-nitriding treated sample. (Online version in color.)

窒素吸収材の抽出残渣のX線回折により,M23C6(Mは主にCr)とCr2N(V, Nb, Moを含む)の析出が確認されている17)。M23C6は通常の9Cr–1Mo–V–Nb鋼でも析出するが26,27),Cr2Nは窒素量の増加により析出したものである。Thermo-Calcによる計算でも,9Cr–1Mo–0.2V–0.06Nb–0.001C鋼に窒素を0.05 mass%以上添加するとCr2Nが析出することが示されている28)。いずれも主にCrを含むため,Fig.7(f)に示したCrマップから2種類の析出物を区別することは困難である。しかし,Fig.7(j)に示したMoの分布は必ずしもCrとは一致しなかったことから,複数のマップを組み合わせることで析出物を区別することが可能と考えられた。MnマップはCrマップと類似しているが,それぞれのK線のエネルギー値が近い影響と考えられた。

Crを主に含む析出物に加えて,Fig.7(e)および(i)よりVやNbを含む析出物が確認された。これらは,9Cr–1Mo–V–Nb鋼で一般的に析出するMXと考えられた。Mは主にVとNb,XはCとNである26,27)。先行研究で行われた抽出残渣のX線回折からMXは検出されていないが17),後述の通りMXは析出物の中で最もサイズが小さい上に数密度が少ないため,残渣の回収に用いた200 nmのメッシュで拾われなかったことが原因と考えられた。

3・3 多次元散布図の解析による析出物のクラスタリング

Fig.7のように同一元素を含む複数の相が存在する場合のクラスタリングには,各ピクセルの特性X線強度の相関をプロットした散布図解析が有効である29)。EPMAによるバルク材の表面分析では電子線が試料中で散乱することで特性X線の発生領域が広がるため,界面の情報を含んだ散布図が得られる利点があるが,ナノサイズの析出物の分析は難しい。STEM-EDSによる薄膜の面分析結果を散布図解析した例は著者らの知る限り皆無であるが,特性X線の発生領域が狭いため空間分解能が高く,微細な析出物であってもクラスタリングが可能と考えられる。

Fig.8に,(a)Mo–Cr,(b)V–Cr,および(c)Nb–Crの特性X線強度の散布図を示す。各プロットは,Fig.7の元素マップの256×256点に対応する。特性X線強度は,最小値が0,最大値が1となるように規格化した。原点近傍の,Cr,Mo,V,Nbの特性X線強度が低い領域が母相に対応する。いずれの散布図でも三方向にプロットの分布が伸びていることから,それぞれM23C6,Cr2N,MXに対応すると考えられた。

Fig. 8.

Scatter diagrams of the X-ray intensity of (a) Mo–Cr, (b) V–Cr, (c) Nb–Cr obtained from STEM-EDS maps of the solution-nitriding treated sample and the progress of the k-means clustering performed in this study: (d)–(f) 1st step, (g)–(i) 2nd step, (j)–(l) 3rd step, and (m)–(o) results of the clustering.

共通の合金元素を含む三種類の析出物に対して,特性X線強度を記述子としてクラスタリングする場合,より多くの合金元素の相関を考慮した方が精度は高くなると考えられる。ただし,四次元以上の散布図は描画できないため,そのクラスタリングには機械学習を用いたデータ解析が必要となる。

教師なし学習によるクラスタリングのアルゴリズムの一つにk-means法がある30)。この手法では,クラスター中心としてk個の初期値を与え,全データ点を最も類似度の高いクラスター中心に割り当てる。割り当てられたデータ点の平均値を新たなクラスター中心とし,再び全データ点を新たなクラスター中心に割り当てる。この作業をクラスター中心が収束するまで繰り返すことで高次元のデータをk個のクラスターに分割することができる。

k-means法では,n次元のベクトルp=(p1 p2 p3pn)Tq=(q1 q2 q3qn)Tの類似度を表す関数として,式(1)で与えられるユークリッド距離(Ed)を用いるのが一般的である。Tは転置行列である。

  
Ed=inpiqi2(1)

ただし,STEM-EDSで得た特性X線強度の相関から析出物をクラスタリングする今回の目的では,膜厚にも左右される特性X線強度のユークリッド距離ではなく,元素の比率(n次元のベクトルの向き)を考慮できる類似度関数が適している。式(2)で与えられるコサイン距離(Cd)は,ベクトルの内積を各ベクトルの絶対値の積で規格化した項を含む。このとき,二つのベクトルpqのなす角θ=0°であればCd=0で類似度が高く,θ=90°の場合はCd=1で類似度が低くなるため,元素の比率を基に類似度を評価することができる31)

  
Cd=1inqipiinqi2inpi2(2)

そこで,コサイン距離を類似度関数としたk-means法により,Fig.7に示した256×256点の元素マップの各ピクセルに格納された各合金元素の特性X線強度を記述子として,全データ点を四つのクラスター(三種類の析出物と母相)に分類した。以下に,各Stepにおけるクラスタリングの詳細を述べる。各Stepでのクラスター数kは,シルエット係数が最も大きくなるものを選択した。

Step 1では,C,N,Si,V,Cr,Mn,Fe,Nb,Moの特性X線強度からなる九次元のベクトルを,k=2でクラスタリングした。分類結果を二次元の散布図として,Fig.8(d)–(f)に示す。原点近傍とそれ以外の領域にクラスタリングされており,それぞれ母相と析出物に対応すると判断した。

Step 2では,Step 1で析出物と判断されたデータ点について,N,V,Cr,Nb,Moの特性X線強度の五次元のベクトルをk=2で更にクラスタリングした。C,Si,Mn,Feは,母相と析出物の間に強度差があったためStep 1では使用したが,析出物同士では差が小さいことや,膜厚の影響が顕著であることから,以降は除外した。クラスタリングの結果を,二次元の散布図としてFig.8(g)–(i)に示す。Crが少なくMo,V,Nbが多いベクトルとそれ以外のベクトルにクラスタリングされており,それぞれMXとその他の析出物に対応すると判断した。

Step 3では,Step 2でその他の析出物と判断されたデータ点について,Step 2と同じ五次元のベクトルでクラスタリングした。その結果,k=3のシルエット係数が最も大きくなった。Fig.8(j)–(l)に示すクラスタリング結果から,CrとMoが多くVが少ないベクトルをM23C6と判断した。その他二つのクラスターは,いずれもCr2Nと判断した。三段階のクラスタリングの結果を反映した散布図を,Fig.8(m)–(o)に示す。原点近傍,および三方向に伸びた散布図のクラスタリングに成功していることが確認できる。

クラスタリング結果を基に描いた析出物マップと,STEM明視野像に重ねた析出物マップを,Fig.9に示す。このように,STEM-EDSマップの各ピクセルに格納された各合金元素のX線強度を記述子として機械学習することで,析出物マップを得ることができた。この結果に対して画像処理を行うとM23C6,Cr2N,MXの平均サイズや数密度を求めることができる。ただし,今回用いた元素マップの1ピクセルは約54×54 nm2に相当するため,これより著しく小さい析出物については抽出できていない可能性がある。

Fig. 9.

(a) Clustering results of the precipitation behavior and (b) bright field STEM image overlaid on the clustering results.

3・4 窒素吸収材のクリープ中のミクロ組織変化

Fig.10に,923 K-70 MPa破断材平行部の(a)SEM像と,(b)IQ+IPFマップを示す。Fig.6と比較すると,析出物が顕著に粗大化し,マルテンサイト組織の回復・粗大化が進んでいることが確認できる。

Fig. 10.

(a) SEM image and (b) IQ+IPF map of the gauge portion of the creep-ruptured specimen ruptured after crept for 2,092.3 h at 923 K under 70 MPa.

Fig.11に,(a)–(e)100 MPa,(f)–(j)80 MPa,(k)–(o)70 MPa破断材平行部のSTEM明視野像とV,Cr,Nb,MoのSTEM-EDSマップを示す。STEM明視野像から,クリープに伴いラス組織の粗大化が進んでいることが分かる。各ピクセルの特性X線強度データをクラスタリングした結果を,Mo–Cr,V–Cr,Nb–Crの散布図としてFig.12に示す。Fig.8と同様に散布図のプロットが三方向に伸びており,各ベクトルの方向(元素の比率)が三条件のクリープ破断材で同じであることから,析出物の種類に変化は生じていないと考えられた。80 MPa破断材のデータは,Fig.8と同様に三段階でk-means法によるクラスタリングが完了したが,100 MPaおよび70 MPa破断材のデータは,Step 2でM23C6,Cr2N,MXをk=3でクラスタリングできたため,二段階でクラスタリングが完了した。

Fig. 11.

(a)(f)(k) Bright field STEM image and STEM-EDS mapping for (b)(g)(l) V–K, (c)(h)(m) Cr–K, (d)(i)(n) Nb–K, (e)(j)(o) Mo–K of the creep-ruptured specimen ruptured after (a)–(e) 200.3 h under 100 MPa, (f)–(j) 1,027.9 h under 80 MPa, and (k)–(o) 2,092.3 h under 70 MPa at 923 K. (Online version in color.)

Fig. 12.

Scatter diagrams of the X-ray intensity of (a)(d)(g) Mo–Cr, (b)(e)(h) V–Cr, and (c)(f)(i) Nb–Cr clustered by k-means clustering obtained from STEM-EDS maps of the gauge portion of the creep-ruptured specimen ruptured after (a)–(c) 200.3 h under 100 MPa, (d)–(f) 1,027.9 h under 80 MPa, and (g)–(i) 2,092.3 h under 70 MPa at 923 K.

Fig.12に示したクリープ破断材平行部のSTEM-EDSマップのX線強度のクラスタリング結果を基に描いた析出物マップを,STEM明視野像に重ねてFig.13に示す。抽出できていない微細な析出物は認められるが,STEM明視野像で認識できる大部分の析出物はクラスタリングに成功していることが認められる。また,析出物の粗大化が顕著に生じていることも分かった。

Fig. 13.

Bright field STEM images overlaid on the clustering results of the gauge portion of the creep-ruptured specimens ruptured after crept for (a) 200.3 h under 100 MPa, (b) 1,027.9 h under 80 MPa, and (c) 2,092.3 h at 923 K under 70 MPa at 923 K.

Fig.14に,クラスタリング結果から求めた(a)Matrix,(b)M23C6,(c)Cr2Nおよび(d)MXの平均組成を示す。STEM-EDSマップの各ピクセルの定量分析結果を,Fe,Cr,Mo,V,Nb濃度の和が100%になるように規格化して表示した。本研究では電解研磨で作製した薄膜を分析したため,各析出物とクラスタリングされたピクセルの平均組成は隣接する母相の影響を含むと考えられる。したがって,各析出物の平均組成の時間変化についてはここでは定量的に議論できない。一方で,平均組成が一定範囲内に収まっていることから,比較的精度良くクラスタリングが行われたものと考えられる。平均組成の時間変化について母相の影響を排除して精度良く評価するためには,抽出レプリカ法等で作製した試料の分析を実施する必要がある。

Fig. 14.

Changes in average chemical concentration (mass%) of clustered (a) matrix, (b) M23C6, (c) Cr2N, and (d) as a function of creep-exposure time.

クラスタリングされた析出物の平均粒子径と破断時間の関係を,Fig.15(a)に示す。粒子径は,同じ析出物としてクラスタリングされた連続するピクセルの面積の和に相当する円の直径とし,その平均値をプロットした。焼戻しまま材(0 h)のM23C6の平均粒子径は約130 nmで最も大きく,MXが約80 nmで最も小さかった。クリープ破断時間の増加に伴い析出物は粗大化し,破断時間が約2,092.3 hのときM23C6,Cr2N,MXの平均粒子径はそれぞれ約240 nm,160 nm,125 nmであった。

Fig. 15.

(a) Average diameter and (b) number density of the precipitates identified by the k-means clustering as a function of creep-exposure time. (Online version in color.)

クラスタリングされた析出物の数密度と破断時間の関係を,Fig.15(b)に示す。微細な析出物をクラスタリングできていない可能性を考慮する必要があるが,焼戻しまま材ではCr2Nの数密度が最も大きく,M23C6とMXの数密度は同程度であった。3種類の析出物の数密度の和は,焼戻しまま材で約5 µm−2であった。クリープ破断時間の増加に伴い,析出物の数密度は単調に減少した。Cr2Nの低下率が最も大きく,2,092.3 h破断材ではM23C6やMXと同程度まで数密度が低下した。

クリープ破断材の平行部のVickers硬さと破断時間の関係を,Fig.16に示す。平均値の測定に用いた3点の標準偏差をエラーバーとして示す。初期硬さはHV=212であり,通常の9Cr–1Mo–V–Nb鋼の硬さ(HV=230程度18))よりも小さかった。クリープにより硬さは低下し,破断時間が長いほど硬さが低くなった。初期硬さがHV=235の9Cr–1Mo–V–Nb鋼の923 Kのクリープ破断材の硬さは,破断時間が約200,1,000,5,000 h程度のとき,それぞれHV=185,180,175程度であると報告されおり32),本研究で得られた窒素吸収材の破断材の値とよく一致した。

Fig. 16.

Vickers hardness of the gauge portion of the samples as a function of creep-exposure time.

4. 考察

窒素吸収材のSTEM-EDSマッピングで得た特性X線強度の多次元の散布図を,機械学習の手法で解析してクラスタリングすることで,窒素吸収およびクリープに伴う析出挙動の変化を明らかにした。参考のため,Fig.S1(Supporting Information)にMGDヒートの受け入れまま材のSTEM明視野像とSTEM-EDSマップ(注:Fig.7, 11とは取得倍率が異なる)を,Fig.S2(Supporting Information)に特性X線強度の散布図とクラスタリング結果を示す。窒素吸収していない通常の9Cr–1Mo–V–Nb鋼の場合,散布図のプロットの分布は二方向に伸びており,それぞれM23C6およびMXに対応する。Cr2Nが析出し,プロットの分布が三方向に伸びた窒素吸収材の散布図(Fig.8, 12)とは異なっていることから,窒素吸収によって析出挙動が変化したことは明らかである。Fig.S3(Supporting Information)はクラスタリング結果から求めた析出物マップである。ここから求めたMXおよびM23C6の平均粒子径はそれぞれ53および120 nmであり,Fig.15に示した窒素吸収材と比較してMXは微細であったがM23C6は同程度であった。

通常の9Cr–1Mo–V–Nb鋼の焼戻しまま材のMXの数密度は約10 µm−2であり,その数密度は923 Kでは破断時間が5,000 h程度まで維持されると報告されている33)。また,通常の9Cr–1Mo–V–Nb鋼の焼戻しまま材のM23C6の数密度は1.5–2 µm−2程度であるが,923 Kで数千時間の破断寿命だったクリープ破断材では,0.5 µm−2まで低下すると報告されている18)。Fig.S3(Supporting Information)を含む3視野のSTEM-EDSマップの散布図のクラスタリングによって求めたMGDヒートの受け入れまま材のMXおよびM23C6の数密度はそれぞれ5.4および4.2 µm−2であり,文献値33)と倍半分の精度で一致した。MXの数密度の過小評価は散布図のクラスタリングでは微小な析出物を抽出できなかったこと,M23C6の数密度の過大評価はM23C6の析出量の多い旧オーステナイト粒界を中心とした比較的狭い視野(4.5×4.5 µm2)から取得したマップを解析したことがそれぞれ原因と考えられた。一方で,窒素吸収材の析出物の数密度は,微細な析出物をクラスタリングできておらず過小評価されている可能性はあるが,それでも焼戻しままでMXおよびM23C6がそれぞれ約1 µm−2,Cr2Nを含めた全析出物の数密度でも約5 µm−2と通常材よりは明らかに少なく,このため初期硬さが低かったと考えられた(Fig.16)。この析出挙動の変化は,窒素添加量の増加によってCr2Nが析出しCrやNが消費された結果,M23C6およびMXの数密度が低下したためと考えられた。

窒素吸収材で析出したM23C6のクリープに伴う成長挙動は,9Cr–1Mo–V–Nb鋼の報告33)とよく一致したものの,MXの粗大化は報告33)より早かった(Fig.15(a))。このことから,窒素量の増加がMXの粗大化を促進したと考えられた34)。また,全析出物の数密度は2,092.3 h破断材で約1 µm−2まで低下した。これは,同程度の破断時間の通常材のM23C618)およびMX33)の数密度の和よりも一桁小さな値である。したがって,窒素吸収材の遷移域のクリープ速度および最小クリープ速度が大きくなり破断時間が低下したのは,窒素吸収に伴い析出挙動が変化した結果,析出強化の寄与が通常材と比較して小さくなったことが原因と考えられた。Yamasakiらは,Cr2Nのクリープ強度への寄与はMXより小さいと推察しているが6),これは,Cr2Nのクリープ中の組織安定性が低く,粗大化が速いためと考えられた。したがって,長時間側でより顕著にクリープ強度低下が生じると考えられた。以上の結果から,アンモニア雰囲気で9Cr–1Mo–V–Nb鋼を長時間使用し窒素が多量に固溶した場合にはクリープ強度に影響を及ぼす可能性があると考えられた。

9Cr–1Mo–V–Nb鋼に固相窒素吸収法を用いて窒素を添加した結果,NIMSクリープデータシート材と比較してクリープ強度が低下したものの破断伸びは増加した(Fig.2)。また,加速クリープ開始時点でのひずみ量が大きく,加速域におけるクリープ速度のひずみに対する増加率はNIMSクリープデータシート材より小さくなった(Fig.3)。

Kushimaらは,9Cr–1Mo–V–Nb鋼の低応力・長時間域のクリープ破断材では,旧オーステナイト粒界近傍で優先的に回復が生じることを示した32)。このような不均一な組織変化が生じると,粒内変形のクリープひずみへの寄与が小さくなるため,小さいひずみ量で加速クリープが開始し,破断伸びが低下する32)。このことから,先行研究で窒素吸収材の室温引張での均一伸びが向上したように17),クリープにおいても均一変形能が増加し,ミクロ組織全体でひずみが担われたことで加速クリープ開始時点でのひずみ量および破断伸びがわずかに大きくなったと考えられた。

Hatakeyamaらは,粒界破壊が顕著に生じるオーステナイト耐熱鋼(25Cr–20Ni–Nb–N鋼)の初期組織を予時効により変化させてクリープ試験を行い,M23C6による粒界被覆率を90%程度まで高めると,加速域におけるクリープ速度のひずみに対する増加率が著しく低下し,破断伸びが向上することを報告した35)。粒界被覆率の増加によってき裂進展抵抗の大きな「方位関係を持つ母相/M23C6界面」が増加すると,き裂進展経路となる「析出物のないランダム粒界」と「方位関係を持たない母相/M23C6界面」のパーコレーションが抑制される。このとき,粒界にき裂が発生しても破断には至らずクリープが継続するため,クリープ変形が平行部全体で生じ,加速域で大きな伸びが得られる35)。一般的に9Cr–1Mo–V–Nb鋼において粒界破壊は顕著ではなく,Fig.5(e)の通りネッキングした領域で破断伸びの大部分が担われているためその効果は明確ではないが,NIMSクリープデータシート材と比較して窒素吸収材の平行部の変形量が大きくなっていることから(Fig.5(d),(e)),平行部全体で変形が担われており,均一変形能が増加したことが示唆された。つまり,(1)マルテンサイトの階層組織レベルのミクロな均一変形能の増加と,(2)試験片レベルのマクロな均一変形能の増加の両方が窒素吸収材の破断伸びを増加させたと考えられた。一方で,窒素吸収による均一変形能の増加のメカニズムについては,更なる検討が必要である。

5. 結論

固相窒素吸収法によって窒素を添加した9Cr–1Mo–V–Nb鋼のクリープ変形挙動および析出挙動の変化を調査した。窒素吸収により0.17 mass%の窒素が固溶し,焼戻しによってM23C6,MXに加えてCr2Nが析出した。散布図解析を多次元に拡張し,STEM-EDSマップの各ピクセルの各合金元素の特性X線強度を記述子として機械学習することで母相および析出物をクラスタリングする手法を提案した。通常の9Cr–1Mo–V–Nb鋼と比較すると窒素吸収材の析出物数密度は小さく,Cr2Nの数密度の低下速度が他の析出物よりも大きいため,窒素吸収材のクリープ強度は通常材より低かった。クリープ曲線の形状も変化しており,均一変形能の増加が示唆された。窒素の過剰な添加は組織安定性の低いCr2Nの析出によりクリープ強度を低下させるため,アンモニア雰囲気で9Cr–1Mo–V–Nb鋼を長時間使用した場合にはクリープ強度に影響を及ぼす可能性がある。一方で,固溶強化および延性・耐酸化性の観点では窒素は有効な添加元素であることから,適切な添加量および窒化物の析出制御による特性向上の可能性も期待される。

Supporting Information

Bright field STEM image and STEM-EDS mapping for V–K, Cr–K, Nb–K, and Mo–L, Scatter diagram of the X-ray intensity of Mo–Cr, V–Cr, Nb–Cr obtained from the STEM-EDS maps, and clustered precipitates map of the as-received T91 (MGD heat).

This material is available on the Website at https://doi.org/10.2355/tetsutohagane.TETSU-2024-115.

利益相反に関する宣言

本研究の遂行に関する利益相反はないことを宣言する。

謝辞

クリープ試験は物質・材料研究機構 技術開発・共用部門 クリープデータユニットの谷内泰志氏,関戸薫子氏,野島健大氏により実施されました。組織観察は物質・材料研究機構 技術開発・共用部門 電子顕微鏡ユニットの諸永拓氏,原由佳氏,中村晶子氏の支援により実施されました。本研究は日本金属学会若手研究グループ「CO2ゼロエミッション社会に向けた耐環境構造金属材料研究グループ」の活動として実施されました。

文献
 
© 2025 The Iron and Steel Institute of Japan

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