抄録
触媒組成の最適化手法として遺伝的アルゴリズムを用い, メタノール合成用のCu-Zn-Al酸化物触媒の最適化を試みた。触媒成分 (銅, 亜鉛, アルミニウム) の量を7ビットの2進数で表して遺伝子を構成した。活性 (STY) は実験値ではなく, 触媒組成の関数として模擬的に定め, 遺伝子の適合度を評価に用いた。本アルゴリズムにより作成したプログラムを用いて, 活性が組成の変化により緩やかに変化する場合でも, それに加えてある狭い組成範囲のみ高活性となる特異点をもつ場合でも, 最適解を得ることができた。今後, 多数の触媒サンプルの活性を同時に評価できるHTS触媒評価装置との組合せにより触媒開発の効率が向上することが期待される。