抄録
高速でせん断変形を受ける粒状体流の物性を調べるために,平面上での運動形態が異なる2種類(円盤と球体)の粒子を駆動する高速せん断試験を行った.平面上で円盤はすべり,球体はすべりと転がりを交えて運動するという違いがあるものの,観測されたせん断応力とひずみ速度の関係は,フラクションが低い疎な流れではせん断応力はひずみ速度の2乗に比例し,密な流れの場合,ひずみ速度が速い場合には2乗に比例し,遅い場合にはこの関係から外れるという同じ傾向を示した.円盤粒子を用いる場合,実験可能なフラクションとひずみ速度の範囲は球体粒子に比べそれぞれ限定されるが,PTVソフトウエアによる粒子運動の追跡が容易であり速度分布を精度良く測定できることが確かめられた.