1963 年 66 巻 1 号 p. 158-160
ポリプロピレングリコール(PPG)とp-フェニレンジイソシアネートのクロルベンゼン中での反応を種々のモル比,温度のもとで追跡した。反応はみかけ上2次反応として進行するが,そのみかけの速度定数はOH基の初濃度に関して双曲線的に変化した。56℃から132℃の間での活性化エネルギーは8kcal/molであった。この反応はポリエチレンアジペートやポリエチレングリコール(PEG)の場合と同様に,錯化合物の生成とOH基の触媒作用を考慮した機構で説明できることを知り,素反応の解析を行なった。その結果,錯化合物の生成速度は0.03(mol/1000g)-1・min-1,錯化合物の分解速度と錯化合物からのウレタン生成速度の比は0.07と得られた。全体としてPPGはPEGにくらべて反応性が乏しいが,これは末端近くのメチル基の+I効果によるものと考えた。
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