工業化学雑誌
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酸化アルミニウム-酸化チタン(III)系相平衡の予備的研究
堀部 利泰桑原 千三
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1964 年 67 巻 2 号 p. 276-281

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抄録

Al2O3-Ti2O3.1(加熱中にTi2O3がTi2O3.1組成まで酸化された)系混合物の円筒形圧粉体の加熱変形過程の観察,加熱物のX 線的検討を行ない, その結果からAl2O3-Ti2O3 系の相平衡状態図を推察した。Al2O3-Ti2O3.1系ではAl2O330~40mol%で最低融解温度約1720℃を示し,この組成から両成分に向うにつれて融解温度が高くなる。Ti2O3.1の融解温度は1800℃。成鉱物相はα -Al2O3,α-Ti2O3 が大部分で, その他の鉱物相は微量である。1600,1710,および1840℃におけるα -Al2O3に対するTi2O3 の固溶度はそれぞれ1.6,2.7,および1.7mol%。なお加熱には精製アルゴン雰囲気のモリブデン抵抗炉を用いた。
また, この相平衡の研究でえた試料を用いて, α-Al2O3 のTi2O3 固溶量と格子定数の関係を検討し, a0,c0はTi2O3濃度とともに, 少なくとも2mol%まではほぼ直線的に増大すること, c0/a0 は2.7299~2.7296の値を取ることを知った。

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