Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ミニレビュー(日本語)
無保護糖を原料とする糖モノマーおよび糖鎖高分子の保護基フリー合成
田中 知成
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2016 年 28 巻 164 号 p. J99-J106

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抄録
合成高分子の側鎖に糖分子を結合した構造の糖鎖高分子は、多数の糖分子が高分子主鎖上に存在することから、人工的な糖鎖の集合体(糖鎖クラスター)のひとつとして知られている。これまでに数多くの糖モノマーおよび糖鎖高分子が合成されているが、それらの合成法のほとんどは、糖分子に多数存在するヒドロキシ基の保護・脱保護を伴う多段階で煩雑な合成工程を必要とするため、高分子量のオリゴ糖鎖への適用は困難である。一方、無保護糖を原料とした保護基を使わない(保護基フリー)糖モノマーおよび糖鎖高分子の合成例は多くない。本稿では、糖モノマーおよび糖鎖高分子の保護基フリー合成法を、著者らの研究結果を含めて紹介する。さらに、著者らが合成した糖鎖高分子のレクチンおよびインフルエンザウイルスとの結合評価についても紹介する。
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© 2016 FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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