Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
植物種子由来キシログルカンの多様性と汎用性
Hiroshi UrakawaMitsuru MimuraKanji Kajiwara
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 14 巻 80 号 p. 355-376

詳細
抄録
植物種子由来キシログルカンの多様性と汎用性を、Tamarindus indicaDetarium senegalense Gmelin を例にとって総説する。植物種子由来キシログルカンは、いずれもセルロース骨格で構成される同様な一次構造をもっている。Tamarindus indicaDetarium senegalense Gmelin 種子粉末は食品添加剤として日常的に食されているが、私たちの体に及ぼす生理的効果は植物種により異なる。キシログルカンのモノマー単位は3タイプある。従ってキシログルカンの生理的機能は、異なるモノマーの並び方によって決まる高次構造に依存すると考えられる。
光散乱と小角X線散乱は、キシログルカンの溶液中の構造を調べる有力な手段である。まずキシログルカンの溶液中の構造を調べる方法について述べる。光散乱と小角X線散乱の解析結果は、Tamarindus indica は本質的に直鎖状多糖であるのに反し、Detarium senegalense Gmelin は分岐構造をもっている可能性を示唆する。
著者関連情報
© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
前の記事
feedback
Top