第123回及び124回日本森林学会大会において、寒天培地を用いた人工蛹室でマツノザイセンチュウ近縁種群5種をLamiini族カミキリムシ4種と組み合わせ、線虫がカミキリムシに媒介されるための便乗ステージの出現頻度を指標に両者の親和性を調べて報告した。広葉樹由来の線虫(クワノザイセンチュウとタラノザイセンチュウ)は、広葉樹を利用するカミキリムシ(キボシカミキリとセンノカミキリ)及び広葉樹と針葉樹の両方を利用するビロウドカミキリと親和性を示した。Bursaphelenchus douiは、キボシカミキリ、センノカミキリ、ビロウドカミキリとだけではなく、針葉樹を利用するマツノマダラカミキリとも親和性を示した。一方、針葉樹由来の線虫(強病原力マツノザイセンチュウとニセマツノザイセンチュウ)は、マツノマダラカミキリとだけではなく、キボシカミキリ、センノカミキリ、ビロウドカミキリとも親和性を示した。本研究では、針葉樹由来の弱病原力マツノザイセンチュウも、マツノマダラカミキリとだけではなく、キボシカミキリ、センノカミキリ、ビロウドカミキリとも親和性を示すことを明らかにした。