Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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セラミド含有メンブレン:生物物理学と生物学のインターフェイス
Stiban JohnnySilva Liana, C.Futerman Anthony, H.
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2008 年 20 巻 116 号 p. 297-313

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抄録

スフィンゴ脂質は生体膜の重要な構成成分である。このファミリーの主要な代謝物であるセラミドは,分化から老化やアポトーシスに至るまで多くの細胞プロセスに関わっている。セラミドは小さな頭部基を持つ両親媒性の分子で,そのために他の脂質に比べて膜内で混ざり易い。セラミドは,セラミドに富んだドメインを形成することで,膜の物理的性質を変えることができる。様々な生物物理学的な手法を用いて,セラミドに富んだドメインの物理学的,形態学的特徴が研究されている。脂質ドメインの存在は広く受け入れられているが,文献上のデータは,脂質ドメインの性質について多くの矛盾がある。我々は,二つのタイプの膜ドメイン(脂質ラフトとセラミドドメイン)の生物物理学的かつ生物学的重要性について,この総説で議論する。さらに,ミトコンドリアの外膜を透過性にするといったセラミドの他の特徴についても議論する。最後に,生化学的かつ生物物理学的な見方から,こうした様々な課題を統合してみたい。

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© 2008 FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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