製品開発・生産において求められる要素技術の高度化に伴い、企業間の協力関係を構築したり、ユーザーと企業の間の情報交換を促進したりするために、プラットフォーム戦略を採用する企業が見られる。プラットフォームを構築しようとする企業は、ユーザーの早期獲得を目指すとともに、協力関係を築く補完企業の獲得を試みることになる。
本稿では、プラットフォーム戦略を採用することで急成長を遂げているSocial Networking Service(以下、SNS)業界を取り上げ、そこで採用されている競争戦略を検討する。結果として、競争の激化に伴い、SNS を運営する企業の戦略は、自社の利益を重視した、近視眼的なものとなっていく傾向が見られることを主張する。
業界の持続的な発展を考えた場合、SNSを運営する企業だけでなく、ユーザー、補完企業という三者の利益を考慮することが望ましい。それを可能にする方策に関しても検討している。