抄録
日本産トラツグミ属鳥類のトラツグミとマミジロの風切羽からMontesauria 属の2 新種を見出し,それぞれMontesauria aurea n. sp.,Montesauria sibirica n. sp. と命名,記載した.この2 種はM. merula Gaud, 1957 に似るが,雌雄ともに背面の剛毛(f2)が欠損し,雄は腹面の第4 脚の膝節に突起を持ち,雌は後体部の背面剛毛(h2)が紡錘形である特徴を持つ.両種の相違点は,M. aurea では雄の肛門剛毛(ps3)の位置が肛門吸盤よりもやや前方に位置するのに対し,M. sibirica は後方に位置する.また,M. sibirica の雄は第4 脚にある膝節の突起が大きく卵型で,雌の貯精子の第一精導管(pd)はやや長い.一方で,M. aurea の雌は第二精導管(sd)が球根状のふくらみ(bd)を越えて長いことで識別される.