抄録
交尾を途中で強制的に終了させた雌成虫および多回交尾したミヤコカブリダニ雌成虫を使って,精子の授受と産卵行動を4温度条件下(18, 25, 30, 35℃)で観察した.交尾行動の一環である精子の授受は,交尾直後に雌成虫のスライド標本を作成し受精嚢を検鏡することと,生存させた雌成虫の産卵行動を記録することで推定した.高い温度区では精子の授受速度が速く,交尾終了雌の産卵も短時間から始まった.雌成虫が1対保有する受精嚢内に挿入された雄由来の精包数を観察したところ,全ての温度・交尾時間区において,1回交尾雌の各受精嚢には2個以上の精包は認められなかった.しかし,多回交尾区では2個以上の精包が受精嚢内で観察されることが高頻度であった.また,多回交尾雌は全ての温度区において1回交尾雌より高い総産卵数であったが,その値に3温度区間(25, 30, 35℃)では有意差は認められなかった.本種の生物的特性および生物的防除資材利用の観点から実験結果を考察した.