抄録
奈良県平群町のキク栽培圃場周辺に設置したインゲントラップから採集されたハダニ類の天敵の多くはカブリダニ類で,次いでハダニタマバエであった.カブリダニ類の多くはケナガカブリダニであった.ナミハダニ黄緑型の発生が少ないキク圃場ではカブリダニも発生せず,ナミハダニ黄緑型が発生してもカブリダニ類に悪影響のある薬剤を高頻度に散布する圃場ではカブリダニの発生は少なかった.これに対し,カブリダニ類に悪影響のある薬剤の散布が少なく,ナミハダニ黄緑型が発生した圃場で,カブリダニ類によりナミハダニ黄緑型の密度が抑制される事例が観察された.また,収穫後のキク圃場において,2~3週間以上薬剤散布がなく,かつナミハダニ黄緑型が確認された圃場ではケナガカブリダニが観察された.