2025 年 39 巻 1 号 p. 3-13
現在、アドラー心理学における基本前提における仮想論に代わって現象学が使われることがある。ところがアドラー心理学内での現象学の用法は哲学的に見れば現象学ではなく、実存主義といえるものである。
実際のところアドラーは、会いに行こうと思えば会いに行けるほど近くで活動していたフッサールの現象学をどのように考えていたのか。
またどうしてアドラー心理学でいうところの現象学は、哲学でいうところの実存主義なのか。哲学的現象学とアドラー心理学の接点を追いかけることで、アドラー心理学はそもそもどのように現象学を受容していったかを明らかにしたい。