日本原子力学会 年会・大会予稿集
2005年春の年会
セッションID: D51
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ステンレス鋼
軽水炉・シュラウドの表面加工層硬度と微細組織
*末石 裕一郎香山 晃木下 博嗣松井 秀樹鳴井 實福元 謙一浅野 恭一
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抄録
BWRシュラウドに発生した応力腐食割れについて原因究明を目的とし、機器製造時に形成された表面加工層に着目した研究を行った。非照射でSCC発生部位の表面状態を模擬した“モックアップ材”からはフライス加工部及びグラインダー加工部においてそれぞれ約150um,130umの表面硬化層が認められた。柏崎刈羽3号機H7a溶接部から採取した“ボートサンプル”には曲げ加工の影響と考えられる母材の硬化が認められたが、表面近傍での硬度分布に明確な違いはみられなかった。一方、モックアップ材における表面硬化層の最表面では高密度の転位及び変形双晶を含む微細な結晶粒が認められた。その領域はフライス加工材が表面から約5um、グラインダー加工材は約20umまで存在した。ボートサンプルの表面近傍でも同様な微細結晶粒領域が認められたが、その領域は縮小する傾向がみられた。本講演では、モックアップ材及びボートサンプルの表面硬化層硬度分布ならびに微細結晶粒領域の組織について詳細に調査することで炉内環境の影響について報告する。
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© 2005 一般社団法人 日本原子力学会
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