抄録
Li2BeF4(以下Flibe)溶融塩はその化学的安定性と低い電気伝導度等の性質から核融合炉のブランケット材として期待されている.しかし,ブランケットの重要な機能である中性子照射によるトリチウム生産において腐食性のフッ化トリチウム(フッ化水素)が生成されるため,これを化学形変換し元素状のトリチウムとして取り出す必要がある.この化学形変換の方法として金属BeによるFlibe中のフッ素ポテンシャルの制御が挙げられるが,Flibe中でのBeの挙動には未解明な部分が多い.今回,溶融Flibe中への金属Beの浸漬を行い,金属Beの溶解挙動を観察した.さらに,浸漬後のFlibeを硫酸に溶解させることにより,還元性物質の有無を評価した.