抄録
不特定形状の廃棄物におけるα核種のクリアランス検認用測定装置では、発生したイオンを検出器まで輸送する過程でイオンの再結合や、金属壁への接触による中和消失などに起因するイオンの損失が見込まれる。本研究では測定器から計測器に至るイオンの輸送解析を行うことにより、イオン輸送率に影響を及ぼす要因の分析を行っている。本年度は、解析モデル検証のため、軸対称2次元の試験装置を実際に製作し、試験結果と解析結果の比較を行った。このとき、測定室の中央部に測定対象を模擬した壁を置き、その壁の高さ、空気の吸引流量、イオン源の位置などを変えながら解析を行ったところ、イオン源が中央部の壁の下流にある方が上流にある場合よりも高い輸送率を示す傾向があり、試験においても同様の傾向が得られた。