熱陰極型高周波電子銃の課題であるback-bombardment現象を解決するため、陰極近傍にRF波長に比べて短い加速ギャップを持つ同軸共振空胴を追加すること(高周波三極管構造)を提案している。この高周波三極管構造を、既存の電子銃本体の改造や追加電源の導入無しで実現するために、従来の熱陰極と交換・設置する熱陰極付きの同軸共振空胴とRFカップラの設計を行っている。 同軸共振空胴へのRF電力は、空胴と同軸に背面から同軸導波管で供給する方式を採用することとした。同軸導波管と同軸共振空胴とのRFカップラの構造を決定するため、まずプロトタイプを製作し、問題点を洗い出している。今大会ではこのプロトタイプの空胴パラメータや、陰極加熱やRF入力による共振周波数の変化を評価した結果、またこれらをもとに行う実機設計について発表する。