抄録
核燃料とZr等被覆管材との状態図や物性値を把握することは、PCCIなど高燃焼度燃料挙動の観点から重要であるとともに、過酷事故時のふるまい予測にも極めて有用である。このうちPu-Zr-O系では、準安定状態としてパイロクロア相が形成されることが知られている。前回、パイロクロア型および蛍石型Zr2Pu2O7+xの酸素ポテンシャルの測定データ、実験で得られた知見をもとに行った解析では、パイロクロア-蛍石型相間の安定性の相対評価精度が不十分であったため、得られた状態図は不自然な点があった。今回、新たにパイロクロア型Zr2Pu2O7+xの酸素ポテンシャルを測定し、パイロクロア型相から蛍石型相へと変化する酸素ポテンシャル及び組成の把握を行い、得られたデータをもとに、Pu-Zr-O系データベースの改良を行った。