抄録
地層処分環境における使用済み燃料被覆管(ハル) からの核種溶出量を評価する上で重要な母材(ジルカロイ)の腐食挙動を調べるため、水素ガス発生量測定法によって、低酸素条件下、80 120 °C でのジルカロイの腐食速度を測定した。その結果、いずれの温度においても、3 乗則で腐食が進行していることがわかった。また、その腐食速度定数は炉水環境条件(高温域) での腐食速度定数の温度依存性の外挿直線上にあり、高温域と、処分環境で想定される100 °C 以下を含む低温域での腐食のしくみが同じであることがわかった。