抄録
原子力発電に伴う放射性廃棄物には有毒性かつ長半減期のプルトニウム同位体が含まれ、地層処分後の化学的安定性と挙動予測は重要な課題の一つである。本研究では、長崎型原子爆弾由来のプルトニウムの現在の化学状態、サイズ依存性を調べ、プルトニウムの環境中での化学種変化の解明を目的としている。濃度既知のサンプルを用いて、逐次抽出によって化学種ごとに分画し、フィルターを用いてサイズごとに分画しサイズ依存性について調べた。その結果、プルトニウムの約60%が有機物結合種として、30%程が酸化物などの難溶解性核種として存在することが明らかになった。また、10-114 μmが主要なサイズ領域であり、1 μm以下の領域では検出限界以下だった。そのため、今回扱った系ではプルトニウムの化学的移行が起こりにくいことが示唆された。