抄録
再処理施設においてもリスク情報の活用を目指し、確率論的安全評価手順の整備や既存施設の解析等が、国内各機関で行われて来ている。また、再処理施設における今後の重要な課題として、頻度は極めて低いが影響の大きいと考えられる事象やリスク評価上重要な事象の評価に必要なデータの取得が挙げられている。このような背景から、設計上の想定を超える事象が発生した場合の現象の解明や基盤データの整備を進めるため、高レベル濃縮廃液に着目した放射性物質の移行挙動の把握のための研究を開始した。本報告では本研究の背景及び対象事象について述べる。なお、東京電力福島原子力発電所の事故以降、原子力安全規制の転換の一環として“「想定外」への対応~過酷事故も考慮した安全規制への転換”が示されており、このような動向への対応としても本研究成果の活用が期待される。