抄録
再処理施設のリスク評価の検討に資するため、高レベル濃縮廃液が設計上の想定を超えて、沸騰して乾固状態に至る事象における放射性物質の移行挙動に関する研究を開始した。本研究の試験研究計画の概要について報告する。本研究では、(1)高レベル濃縮廃液が沸騰して乾固状態に至るまでの過程における廃液からの放射性物質の気相への移行及び移行経路での挙動評価に必要なパラメータとして、気相への移行率や移行経路での低減率に関するデータを取得するとともに、(2)実施設の条件下での放射性物質の移行挙動を解析できるよう取得データを既往の基本式に係わる知見をもとに整理することとした。本研究の試験研究項目は以下の通りである。①コールド基礎試験(模擬廃液を用いたビーカー規模の試験)②コールド工学試験(模擬廃液を用いた工学規模装置による試験)③ホット試験(実廃液を用いたビーカー規模の試験)