抄録
放射性廃棄物のプラズマ溶融処理は、高融点材料への適用が可能等の長所があり実用化されている。これまで、鉄等の代表的運転廃棄物に対しては、これをプラズマ溶融処理した固化体において、スラグの中のCo残存率が処理前の総量の10%以内であることを前提として、放射能濃度評価方法が整備されている。一方、原子炉解体時には、Ni等の非鉄金属廃棄物がより多く発生する。Coは、Feよりも酸化し難いがNiよりも酸化し易い。このため、スラグ中のCo残存率が10%を超える懸念がある。そこで、Ni模擬廃棄物のプラズマ溶融処理時のスラグ中のCo残存率を明らかにした。この結果、メタル中のFe濃度が約14wt%以上の場合に、スラグ中のCo残存率が10%以下となった。本成果は、Ni含有金属放射性廃棄物の溶融固化体に対して、既存の放射能濃度評価方法を適用できる可能性を示した。