日本医科大学放射線科では、皮膚がんやケロイドの治療にイリジウム192を用いた小線源治療を実施している。小線源治療とは、小型・少量の密封小線源を人体内や体表面に設置し、その線源からの放射線によって、がんや腫瘍の治療を行うものであり、ヨウ素125を用いた前立腺がん治療などが広く知られている。この治療法は既に臨床効果をあげてきているが、患者や医療従事者の被ばく負担を考慮した線源位置や遮蔽体系に関する臨床解析例は少なく,医師の経験や簡易計算に基づいて実施されている。本研究では、モンテカルロ解析コードの一つであるPHITS(Particle and Heavy Ion Transport code System)を用いた放射線シミュレーションにより、線量分布や遮蔽体系の検討を行った。