京都大学原子炉実験所では研究用原子炉を用いて、2012年5月現在377例のBNCTの臨床試験を実施してきた。また、サイクロトロン加速器中性子源を用いた治験の準備を進めている。治療の質を向上させるために、治療前及び治療中に熱中性子の二次元分布を取得することは重要である。しかしながら、BNCTの照射場においてリアルタイムで二次元熱中性子分布を測定する技術はなく、現状は金線を用いた熱中性子検出しか行われていない。そこで本研究においてマルチワイヤ検出器と薄いホウ素中性子コンバータを用いた手法の開発を行っている。本発表では開発したシステムの概要と、マルチワイヤ検出器のゲイン特性試験、検出効率の導出を、Am-Be中性子源と減速体系の組み合わせによる照射場において実施したことについて報告する。