抄録
計算機性能の向上に伴い、現在では、Seoul大学のDeCARTコードのように動特性計算に対するCharacteristics法(MOC)の適用が進められている。しかし一般に、MOCを用いた炉心計算の計算コストは高く、MOCを用いた動特性計算は膨大な時間を要する。ゆえに計算精度を極力落とさずに、より高速な動特性計算を実現することができる計算手法が求められている。よって本研究では、上述の要求に応えることができる手法として、Multigrid Amplitude Funciton (MAF)法に着目し、MOCを用いた動特性計算に対するMAF法の適用を行なっている。しかしMAF法は元々拡散理論をベースとして開発されているため、時間依存輸送計算に対してMAF法を適用するにはMAF法自体の理論的拡張と検証が必要である。本発表では、MOCを用いた動特性計算に対するMAF法の適用方法、計算理論、及び検証結果を述べる。