抄録
福島第一原子力発電所事故における燃料用溶融物挙動をシビアアクシデント解析コードMAAPを用いて評価するための重要な現象をPIRTの手法を用いて抽出した。事故の進展を炉心のヒートアップから格納容器の損傷までの4つの時間フェーズに分割し、原子炉と格納容器を含むシステム全体を16のコンポーネントに分割した。合計1100件の現象を抽出し、このうち、各フェーズにおける燃料溶融物の挙動評価に重要な現象として約400件超を選定した。PIRTで選定された重要現象は、MAAPの評価モデルと比較することによって、モデルの高度化が必要な項目の検証に活用する。