抄録
加圧水型原子炉の事故時における炉心冷却手段の一つである蒸気発生器(SG)によるリフラックス冷却モードでは,炉心で発生した蒸気をSG伝熱管で凝縮し炉心に還流することが想定されている.このとき伝熱管 内において蒸気と凝縮水が対向流を形成し,伝熱管下端で気液対向流制限(Counter-Current Flow Limitation: CCFL)が発生する可能性がある.従って,炉心冷却機能を正しく評価するためには鉛直管下端におけるCCFLの把握が重要である.本研究では管長及び上部タンク内液位が鉛直管下端におけるCCFLに及ぼす影響を調べるため,流動様式の観察及びCCFL特性の測定を実施した.また,実機伝熱管下端には面取りが施されている場合もあるため,管下端の面取りがCCFLに及ぼす影響も調べた.