抄録
使用済燃料プールなどの大量の水を保有する開放型の矩形プールでは、長周期地震動が生じると液面が揺動するスロッシング現象によって、プール水が溢れる可能性がある。本研究では溢水低減対策として、プール側壁の水面近傍に水平方向に張り出した抑制板を設置する方法について検討した。本報告では、縮小モデル試験体を用いた加振試験を実施し、抑制板の張出し長さと設置高さが溢水量に与える影響について述べる。また、地震波加振試験の結果、プールの長辺長さの5%の幅を有する抑止板を設置した場合には、溢水量は従来構造の場合の50%以下に減少し、溢水量低減に効果的であることを示す。
(日本原子力学会2012年秋の大会でスロッシング抑制法に関して2件のシリーズ発表を行っており、本稿は3件目のシリーズ発表である)