抄録
FBRプラントは、多領域にわたる要素技術が結合して構成されている複雑なシステムである。その全体を理解した上でバランスのとれたプラント設計を行える俯瞰力を養うため、プラント全体を一元的に設計できるプログラムFP-Designを開発し、学生教育への供与を開始した。プラント機能設計に必要な領域を、原子炉物理、炉心熱発生、炉心除熱、熱移送、熱・電気変換に分割してプログラムモジュールとした上で、モジュール間の連成計算を行うことが出来るよう全体を結合した。さらに、安全設計や構造設計に基づく制限条件を設定して、結果がこれらの制限を超えると警告を発する。ここで数%程度までの計算誤差を許容することで、通常数ヶ月かかる一連の計算を、数分以内で実効できるようにした。学生は演習時間内に自らの設計を試み、さらにその結果を「もんじゅ」をはじめとする世界の高速炉の設計と比較することによって妥当性を評価することができる。