抄録
供試燃料は、平均線出力密度18kW/m、燃焼度36MWd/kgUまでPWR型商用炉で照射した。照射後試験の結果は良好で破損は無かった。この長尺燃料棒(有効発熱長約3.6m)から2本の短尺燃料棒(有効発熱長約0.13m)を作成し、それぞれを燃料破損させようと考え、認可上可能な限りの最大ドル数(4.6$)で出力過渡にかけた。出力過渡後に実施した照射後試験(非破壊および破壊試験)の結果は、2本の燃料棒とも非破損であった。出力過渡時の炉内ふるまいデータや過渡後の照射後試験データにより、なぜ実験者の意図に反して燃料破損が起こらなかったのか(極めて過渡に強い燃料棒であったのは何故か)を考察した。