抄録
照射時に生成される中性子などの二次放射線を定量的に把握することは、患者並びに病院関係者の被曝管理で重要である。そこで本研究では、 放射線医学総合研究所HIMAC施設で、窒素に対する100MeV/u炭素イオン中性子生成二重微分断面積を測定した。中性子検出器として2種類の大きさの液体有機シンチレータを使用し、 幅広いエネルギーの中性子を測定した。中性子のエネルギーは飛行時間法により決定した。数MeV以下の低エネルギー中性子を精度よく測定する め、ビームダンプと検出器の間に鉄とコンクリートによる遮蔽体を設置した。得られた測定データはPHITSなどの計算値と比較を行った。