抄録
J-PARC核破砕中性子源の水銀循環系では、様々な放射性核種が生成される。水銀ターゲット容器交換等、系を大気に開放する必要がある作業では、揮発性であるトリチウム(半減期12年)とXe-127(半減期が36日)の放出を抑制する必要がある。このため、ヘリウムガスフラッシングにより系内の浄化行うが、これに伴う大量の廃棄ガスの処理が課題となっている。そこで、廃棄ガスからXe-127を除去することを目的とした試験を行った。この結果、液体窒素で冷却した活性炭トラップを用いて、Xe-127の濃度を6時間で1/100まで減少させることに成功した。また、活性炭トラップを100℃まで昇温し、Xe-127を脱離させることに成功した。トリチウム水はモレキュラーシーブで除去可能であることから、本試験の結果により、冷却活性炭トラップを用いた廃棄ガスの減容処理が可能であることが確認された。