農業気象
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櫻 (そめいよしの) の開花に関する調査
市川 壽一
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1955 年 10 巻 3-4 号 p. 87-90

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抄録
以上の調査結果を要約すれば, 次のとおりである。
1) 花梗長から見た麹町地区と井の頭公園内の桜の同一観測日の花梗の長さの間には, 非常に有意な差が認められた。
2) 花梗長から推定するところでは, 麹町地区の桜の開花日は井の頭公園の開花日よりも1日以上早いことになり, 目視による観測も相当信頼されてよい。
3) 花梗の伸長に大きく作用する気象要素としては, 最高気温を取ることが妥当である。花梗の伸長停止温度としては, 日最高気温7.05℃である。且つ, 7.05℃を越えた1℃ごとに0.35mmの日伸長量を有することになる。
4) これを利用して次のような方法によつて, 開花の予想をすることが出来るのではなかろうか。
(1) 脱苞日を予想する。
(2) 脱苞後の気温予想によつて, 開花日を予想する。
(3) 但し, 高温の年には, 脱苞から開花までの期間が短くなり, 予想と言う意義が減殺されるおそれはある。
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© 日本農業気象学会
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