この報告でえられた結果をまとめると次の通りである。
(1) 第1開葉日と3月の平均気温とは明かな関係がある。
(2) 両者の関係を一地点における長年の資料から求めても, 1955年における約10地点の資料から求めても有意な差異は認められなかつた。
(3) 3月の平均気温は, 遅く開葉する地点ほど大きく影響する傾向がある。
(4) 第1開葉日から88夜までの開葉率は, 第1開葉日が早い地点ほど小さい。
(5) 88夜から5月11日までの開葉率も, 88夜以前の上記の開葉率と同じ傾向を示す。しかし, 同一地点については88夜以前の開葉率と比較すると小さくなる。
(6) 1955年の約10地点の観測値から4月中旬~5月上旬の間の開葉数の実験式を求めると, 式 (14) およひ式 (17) の通りである。
最後に, 資料を提供された前記の試験場の各位, ならひに種々の御教示をいただいた農林省蚕糸試験場の鈴木親〓氏その他の方々に, 厚く御礼申上げる次第である。